【ラジオでも物議】ジョニー・デップによるトランプ大統領暗殺発言→ホワイトハウスが抗議→ジョニデが発言はジョークだったと謝罪

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The Hollywood Reporter

ジョニー・デップがイギリスで開催されたグラストンベリーフェスティバルで、アメリカのトランプ大統領暗殺を支持するというジョークを言ったことから、ラジオでは多くの意見が飛び交った。The Hollywood Reporterが伝えている。

ラジオパーソナリティのグレン・ベックは自身の番組内で、「トランプ大統領の暗殺を望んでいる人々について、僕らは彼らを理解することは不可能だとしか言いようがない。大声で叫び、火炎瓶を投げつける人々にどう話しかけろというのか? できないだろう。彼らとは全く話にならない」と意見を述べた。

このデップの発言は物議を呼び、多くのラジオパーソナリティはその発言に対して自身の見解を述べた。デップは「トランプをここに連れてこられる?」と観衆に問いかけ、「俳優が大統領を暗殺したのはいつ以来だ?」と発言した。1865年にリンカーン大統領を暗殺したのは俳優のジョン・ウィルクス・ブースであるという歴史的な事実を踏まえ、デップは「ここではっきりさせたい。僕は俳優ではない。生き方を偽っているんだ」と述べた。

↓ジョニー・デップがトランプ大統領暗殺支持とも受け取れる発言をした動画

デップの発言にホワイトハウスは、「トランプ大統領はあらゆる形態の暴力を非難してきました。ジョニー・デップを含めた人々が大統領を支持していないことは残念です。もし彼の発言が選挙によって選ばれた民主党員に向けられたものであったならば、デップさんのご友人ができるだけ強くこのような発言を非難することを望みます」と反応した。

その後デップは、「昨夜、トランプ大統領に対する悪い冗談を発言したことを謝罪する。故意に発言したのではないし、悪意を持ったものでもない。場を盛り上げようとしただけで、誰かを傷つけるつもりはなかった」と声明を発表した。

この騒動は収まったが、デップの大統領暗殺のジョークは保守派の人々の恰好のネタとなったようだ。これまで物議を呼んだものとして、キャシー・グリフィンがトランプ大統領の切断された首の写真を投稿したことや、ニューヨークのパブリックシアターでトランプ大統領を刺殺する内容に脚色したシェイクスピアの悲劇『ジュリアス・シーザー』を上演したことをタイムワーナーのCEOが擁護したことなどが挙げられる。さらに、ウーマンズマーチに参加したマドンナが、“ホワイトハウスを爆破すること”を考えていると発言したことも話題となった。

実際に、共和党議員の銃撃事件も発生しており、ラジオパーソナリティのラッシュ・リンボーは、スティーブ・スカリス下院議員を含んだ共和党議員らが野球場で銃撃された事件を取り上げた。番組内でコメディアンのピート・ドミニクは「ジョニー・デップは人々に大きな影響を与えることはないと主張したい」と意見を述べている。それに対し、ジャーナリストのスーザン・ヘンドリックスは「デップはあなたには影響を与えないでしょうけど、野球場で銃撃したジェームズ・ホジキンソンのような人々を生み出す。スティーブ・スカリス下院議員は死にかけたんですよ」と述べた。リンボーはラジオで議論をした後、「これはとても興味深いことで、無視することはできない。この男(ジョニー・デップ)はレイチェル・マドーもビル・マーもジョン・オリバーも(いずれも反トランプ派)大好きなんだよ、そういった人たち全員がね。彼が発表した声明を見てみろよ。というか、彼が書いた原文なんて一つもないでしょう」と述べた。さらに、リンボーは「正直になろう。リンカーンが暗殺されたとき、犯人は舞台俳優だったんだ。ジョニー・デップはイギリスの音楽フェスの片隅にいても数百万人の人々に手が届く。彼はディズニーの『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズの一部なんだ。だから、ジョニーの発言はどんな発言よりも重大だ。ジョン・ウィルクス・ブースの大昔の発言よりもね」と語った。

一方で、ラジオパーソナリティのデニース・プラガーは、番組内でデップのコメントを放送する前にリベラルなリスナーに対して語りかけた。プラガーは「バラク・オバマに対する侮辱はドナルド・トランプに対する侮辱と同様に深刻なものだ。しかし、(オバマに対して)誰もこういった発言はしないし、暗殺を支持する者もいない」と語った。続けてプラガーは、「もう一つ興味深いことは、ジョニー・デップには何も起こらないだろうということだ。保守的な人々もみんな彼の映画を今後も観に行くだろう」と意見を述べた。プラガーはデップについて、「抜け目のない人だ」と皮肉を込めて言い、「ハリウッドで活躍するスターたちは、俳優という職業が外部に大きな影響を与えると確信していて、“有名である”という事実があるが故に“大きな影響を与える”ということを理解している。これが、ジョニー・デップのモットーだろう…なんて無神経なんだ」と語った。