湊かなえの集大成と評された同名小説を、『ラーゲリより愛を込めて』『護られなかった者たちへ』の瀬々敬久監督が映画化した『未来』(5月8日公開)の完成披露上映会が、3月18日にTOHOシネマズ六本木ヒルズにて実施された。主演の黒島結菜をはじめ、山﨑七海、坂東龍汰、近藤華、松坂桃李、北川景子、瀬々監督、そして原作者・湊かなえが登壇し、満員の観客を前に作品への想いを語った。

本作は、声にならない痛みを抱える人々の“見えない声”に寄り添いながら、人間の光と闇を描く重厚なミステリー。完成を迎えたこの日、主人公・篠宮真唯子を演じた黒島は、「撮影からここまで長かった」と感慨をにじませつつ、「一人でも多くの方に観ていただきたいので口コミをよろしくお願いします」と笑顔で呼びかけた。
さらに本作を通しての心境について、「辛い思いをして生きている人に手を差し伸べてあげられる人間になりたいと思いました。どこかにそういった思いを抱えている子どもや家族がいるのではないかと想像して、挨拶からでもいいので声をかけられる人間になりたい」と語り、作品に込めた強い願いを明かした。
教え子・章子を演じた山﨑七海は、黒島とのラストシーンについて「抱きしめられた時に黒島さんの体温を感じました」と振り返り、「章子が感じるものが出ればいいなと思って演じた」と手応えを語る。これに黒島も「守りたい、助けたいという気持ちが自然と湧き上がった」と応じ、現場で生まれたリアルな感情を明かした。
坂東龍汰は自身の登場シーンについて「30回くらいやったかな?」と冗談を飛ばし、瀬々監督からの「ウソつけ!」というツッコミに「すみません…3回です」と訂正し、会場の笑いを誘う一幕も。
近藤華は脚本を読んだ際の印象について「ズンと心に来るものがあった」と語り、「真珠の強さを意識して演じた」と役への向き合い方を明かした。北川景子は「“ビー玉のような目”という原作の表現を意識した」と繊細な役作りを語り、松坂桃李は北川との撮影エピソードを披露。「唯一幸せな日がその一日だけだった」と北川が語るなど、過酷な物語の一端を感じさせた。
また、登壇が叶わなかった細田佳央太からは手紙が寄せられ、「映画そのものが誰かを守る存在になっていた」と作品の力を表現。その言葉に松坂も「真摯な姿勢が伝わってくる」と感動を口にした。
イベントでは、物語の鍵となる“未来からの手紙”にちなみ、「20年後/20年前の自分へ手紙を書くなら」というテーマトークも実施。黒島は「今の自分の気持ちを書き留めて送りたい」と語り、それぞれが未来や過去への想いを語り合った。
最後に瀬々監督は「この作品は突きつけられた刃を共有して観てほしい」と呼びかけ、黒島も「みんなが少しでも優しい気持ちになって誰かに目を向ける――この作品はきっとそれが出来る」と力強く締めくくった。









■作品情報
タイトル:未来
公開日:2026年5月8日(金)
出演:黒島結菜、山﨑七海、坂東龍汰、細田佳央太、近藤華、松坂桃李、北川景子
原作:湊かなえ『未来』(双葉文庫)
監督:瀬々敬久
脚本:加藤良太
配給:東京テアトル
映倫区分:PG12
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