「意外でしょ?」柴咲コウ、推し活&“ぬい活”を明かして会場ほっこり

映画『兄を持ち運べるサイズに』が11月28日(金)についに全国公開。TOHOシネマズ日比谷で行われた初日舞台挨拶には、主演の柴咲コウをはじめ、オダギリジョー、満島ひかり、青山姫乃、味元耀大、そして中野量太監督が登壇し、作品の魅力と撮影の裏側をたっぷり語った。

満員の客席を前に、柴咲は撮影から公開までの約3か月を振り返りながら、「今日で宣伝が終わると思うと寂しいけれど、皆さんに届けられて感慨深い」と笑顔。そして、タイトルにちなみ“持ち運んでいる欠かせないもの”を尋ねられると――「推しグッズとぬいぐるみ。意外でしょ?」と照れながら告白。さらに「飼い猫に似たぬいぐるみを持ち歩いています。推し活、ぬい活です」と続け、客席からは温かい笑いと拍手が起きた。

自由奔放な兄を演じたオダギリは「普遍的で共感していただけるメッセージ性の強い映画になった」と胸を張る。味元耀大から「尊敬する人」について聞かれると、「自分にできないことをしている人は尊敬してしまう。親ってすごいよ、何があっても味方だから」と語り、劇場の親世代の観客に向けて「ここにいる全員尊敬した方がいい」と独特の優しさあふれる“オダギリ節”を披露した。

兄の元妻・加奈子役を演じた満島は、憧れの先輩であるふたりとの共演に強い思いを吐露。「素直なまま映画に向き合っている先輩の姿を見て、私自身もう一度後輩に戻れたような気がしました」としみじみ語る姿が印象的だった。青山姫乃から「距離の縮め方」を問われると、「自分をなくして相手の気持ちを考える」とまっすぐに返し、母娘役の絆の深さをのぞかせた。

中野監督から「僕に足りないものは?」と逆質問されると、柴咲は思わず本音をポロリ。「OKの時は良いリアクションをくれるけど、いまいちの時に首かしげて近づいてくるのが…オーラがズーンと来るんです」と正直に告白し、会場は大爆笑。落ち込む監督に「ほんの一瞬の反応が…それだけです!」と慌ててフォローする姿に、キャスト陣もほっこりムードに。

原作「兄の終い」の村井理子氏から届いた手紙が読み上げられると、キャストは感極まった表情に。柴咲は「原作者の方に認めていただけて嬉しい」と目を潤ませ、オダギリは「泣いたらどうしようと思ってた」と照れ笑い。中野監督は「これが映画を撮る意味」と噛みしめるように語った。

柴咲は「私自身、家族を亡くした経験がありますが、この映画が家族について考えるきっかけになれば嬉しい。豊かな気持ちになってもらえたら」と深い想いを込めた言葉で舞台挨拶を締めくくった。

■作品情報
タイトル:『兄を持ち運べるサイズに』
原作:「兄の終い」村井理子(CEメディアハウス刊)
脚本・監督:中野量太
キャスト:柴咲コウ/オダギリジョー/満島ひかり/青山姫乃/味元耀大
制作プロダクション:ブリッジヘッド/パイプライン
公開:全国公開中
製作幹事:カルチュア・エンタテインメント
配給:カルチュア・パブリッシャーズ

©2025 「兄を持ち運べるサイズに」製作委員会