11月28日(金)の全国公開を控え、映画『兄を持ち運べるサイズに』の舞台挨拶付きプレミア上映会が11月12日(水)にTOHOシネマズ新宿で開催。主演の柴咲コウ、共演のオダギリジョー、満島ひかり、青山姫乃、味元耀大、中野量太監督が登壇し、作品に込めた想いや家族への本音トークをたっぷりと語った。

満員の客席を見つめた柴咲コウは、「公開に先駆けて皆さんにお目見えできて嬉しく思っています」と笑顔で挨拶。さらに、プロモーション期間を振り返りながら、「今日オダギリさんがいてくださって本当に嬉しいです」と語り、会場は和やかな空気に。本作の魅力については、「評価どうこうではなく、自分の気持ちを吐露したくなる――そんな不思議な映画なんです」と観客の感情に寄り添うようにコメント。“思わずレビューを書きたくなる映画”と強調し、本作の手触りを印象的に伝えた。
中野監督が「“ミスターダメ”を演じたら一番の人」と語るほど、ダメ兄役に絶対的な信頼を寄せられたオダギリジョー。「どう捉えられているんだろうと思いましたが(笑)」と苦笑しつつ、「自分にもダメな部分はたくさんあるし、許されない部分を許してもらいたいと思いながら演じました」と役への向き合い方を明かした。さらに共演の味元耀大に対して「いやいや、彼にもできますよ」と冗談を飛ばし、客席には笑いが広がった。
兄の元妻・加奈子を演じた満島ひかりは、青山姫乃・味元耀大との距離の縮め方を紹介。青山には「長いハグ」で緊張をほぐし、撮影期間中は「ママ」と呼ばれる関係に。味元とは“虫”でコミュニケーションを試みるも、逆に逃げられたという微笑ましいエピソードも。味元が「満島さんの差し入れのビスケットが好きなものと同じで、距離が縮まったと感じた」と語ると、会場は温かな空気に包まれた。
イベント後半では、作品テーマにちなみ「家族に聞けなかったこと」を語り合う場面も。柴咲コウは「その時々の素直な気持ちって聞けてなかったし、自分も言えてなかった。『好き』『愛してる』って言えなかったことは、今思うと後悔になります」と、オダギリジョーは「どんな生き方をしても後悔はある。生きるということは後悔を背負い続けることなんじゃないですか?」と、満島ひかりは「うちは“アイラブユー”と言ってハグする家庭。大人になり、家族の人生がそれぞれにあると気づいて、対話を始めています」と語った。青山・味元の等身大のコメントに満島・柴咲が「支えられていた」と語る場面もあり、キャスト同士の強い絆が垣間見えた。
中野監督は、「この映画は見てもらって育ててもらう作品。思ったことをそのまま周りに伝えてほしい」と観客に呼びかけた。さらに、11月21日(金)から日比谷・梅田での先行上映と、特別映像付きビジュアルカードの配布、さらには舞台挨拶の実施も発表され、会場は大きな拍手に包まれた。



■作品情報
タイトル:『兄を持ち運べるサイズに』
原作:「兄の終い」村井理子(CEメディアハウス刊)
脚本・監督:中野量太
キャスト:柴咲コウ/オダギリジョー/満島ひかり/青山姫乃/味元耀大
公開:11月28日(金)
制作プロダクション:ブリッジヘッド/パイプライン
製作幹事:カルチュア・エンタテインメント
配給:カルチュア・パブリッシャーズ
©2025 「兄を持ち運べるサイズに」製作委員会

