10月22日(火)、TOHOシネマズ 六本木にて、三宅唱監督の最新作『旅と日々』(11月7日公開)のジャパンプレミアが開催され、主演のシム・ウンギョン、共演の堤真一、河合優実、髙田万作、そして監督の三宅唱が登壇した。第78回ロカルノ国際映画祭で最高賞・金豹賞とヤング審査員特別賞をW受賞した本作の日本初上映を祝う舞台挨拶は、満席の観客の熱気に包まれた。
主演のシム・ウンギョンは、「最初にオファーを受けたときは信じられず、『本当にあの三宅唱監督ですか?』と何度も聞き返した」と回想。脚本を読んだ瞬間、「これは私の話では?」と強い親近感を覚えたと明かした。堤真一は、「山形弁で演じる役に驚いた。『ナンちゃってでいいですか?』と聞いたら、『ガチでやってください』と言われました」と笑いを誘いながらも、「監督の作品は嘘がなく、リアルさを追求している。挑戦的な現場だった」と振り返った。
そして、河合優実は三宅作品への敬意を滲ませながらこう語った。「すでにまた三宅監督作品に出演することが目標です。今、日本で俳優をしている人で三宅さんの作品に出たい人はいっぱいいると思う」。熱を込めて語るその姿に、共演陣や観客からも温かな拍手が送られた。三宅監督は「彼らは“演技している人たち”ではなく“そこにいる人たち”のようだった」と称賛し、照れ笑いを見せた場面も。
トークの中では、ロカルノ国際映画祭での最高賞・金豹賞のトロフィーも披露された。シムが「ピカピカですね」と笑うと、会場は和やかな雰囲気に。現地で涙を流したという河合にシムが「泣いていましたよね?」と振ると、河合は「え?泣きましたっけ?」と照れ笑い。ふたりの軽妙なやり取りに場内は笑いに包まれた。
最後に三宅監督は、「劇場でまた映画を見てほしい。この映画にはそれぞれの季節の美しさがある。実際の季節を楽しむように映画を楽しんでほしい」と観客に呼びかけた。河合も「初号試写で観た時から大好きな映画。観終わったあと、自分の人生と重なる感覚を噛み締めてもらえたら嬉しい」とメッセージを送った。
■作品情報
『旅と日々』
出演: シム・ウンギョン、河合優実、髙田万作、堤真一、佐野史郎 ほか
監督・脚本: 三宅唱
原作: つげ義春「海辺の叙景」「ほんやら洞のべんさん」
音楽: Hi’Spec
公開日: 2025年11月7日(金) TOHOシネマズ シャンテ、テアトル新宿ほか全国ロードショー
©2025『旅と日々』製作委員会