第28回釜山国際映画祭で“今年の俳優賞”および韓国映画監督組合プラスM賞を受賞し、ソウル独立映画祭や釜山独立映画祭でも主要賞を席巻した注目作『ただ、やるべきことを』(英題:Work to Do)の日本劇場公開が決定した。公開日は2026年1月17日(土)、東京・ユーロスペースほか全国順次公開となる。
リストラを実行する人事担当者の視点から、現代社会に生きる“働くことの意味”を鋭く描いた本作。その公開決定にあわせて、主人公の葛藤と決意を切り取った印象的なメインビジュアルも解禁された。デザインを使用したチラシも全国の劇場で順次設置される予定だ。
舞台は2016年、朴槿恵大統領の退陣を求める「ろうそくデモ」が広がる中、造船業界が不況にあえぐ韓国。漢陽重工業入社4年目のジュニは人事チームに異動し、突然リストラ対象者の名簿作成を命じられる。「会社を守るため」と自らを納得させ、非情な仕事を進めるジュニ。しかし会社の都合で対象者が次々と削られ、やがて彼自身、親しい先輩と友人のどちらかを“切らねばならない”究極の選択を迫られていく――。
監督を務めたのは、映画会社ミョンフィルムが若手育成のために設立した「ミョンフィルムラボ」第6期出身のパク・ホンジュン。自身が造船会社の人事部で働いた経験をもとに、職務と良心の間でもがく人々の心理をリアルに掘り下げた。主演のチャン・ソンボム(『秘密の森』『新兵』)は、釜山国際映画祭で「今年の俳優賞」を受賞。圧倒的なリアリティを持つ演技が高く評価された。
従来の労働映画が「解雇される側」の闘いを描くことが多かったのに対し、本作は「解雇する側」の視点から労働の光と影を見つめ直す。理想と現実の狭間で苦悩しながらも、ただ“やるべきこと”を選ぶ人々の姿は、働くすべての人に問いを投げかける。
■作品情報
タイトル: 『ただ、やるべきことを』 (Work to Do)
監督・脚本: パク・ホンジュン
出演: チャン・ソンボム、ソ・ソッキュ、キム・ドヨン、キム・ヨンウン、チャン・リウ、イ・ノア、カン・ジュサン、キム・ナムヒ
製作: 映画会社ナルン/ミョンフィルムラボ
原題: 해야 할 일
日本語字幕: 田中三紗子
配給・宣伝: 太秦
公開日: 2026年1月17日(土)よりユーロスペースほか全国順次公開
上映情報: 2023年/韓国/101分/アメリカンビスタ/5.1ch/DCP
© Nareun Cinema / Myung Films Lab.