クドカン「プププと鳴らない正解が未だにわからない!」公開記念舞台挨拶で笑い誘う『海辺へ行く道』

漫画家・三好銀の名作を映画化した『海辺へ行く道』が公開され、8月30日、新宿ピカデリーにて公開記念舞台挨拶が開催された。登壇したのは主演の原田琥之佑、高良健吾、唐田えりか、菅原小春、蒼井旬、中須翔真、山﨑七海、新津ちせ、宮藤官九郎、坂井真紀、そして横浜聡子監督。満員の観客を前に、撮影秘話や作品への思いを語った。

主人公・奏介を演じた原田は「ベルリンや小豆島での上映を経て、全国公開を迎えられたことが本当に嬉しい」と挨拶。ラストシーンを振り返り「猫に全部持っていかれて悔しかった」と会場を笑わせた。

共演陣からも印象深いコメントが続いた。高良は「ジャンルそのものが横浜聡子。委ねてもらえる撮影で幸せだった」と語り、唐田も「横浜さんの撮る子どもたちの顔が大好き」と監督の世界観を称賛。菅原は「踊りの印象が強い私に“借金取り役”を与えてくれた。横浜さんはラブリーでユーモアに溢れる人」と語った。山﨑は「平井の正義感に共感した」、新津は「加奈の羨望と怒りをお菓子を食べる演技で表現した」と役作りを紹介した。

宮藤官九郎は「横浜さんは解き放たれるとこうなるのかと驚いた」と脚本についてコメント。さらに「キッシュを食べるシーンで『食べる時はプププと音が出ますよね』と言われたけど、何度やっても出せなかった。完成した映画でも鳴っていないので正解が未だにわからない」と会場を笑いで包んだ。

坂井も「静かな狂気と優しさを兼ね備えたカリスマ」と横浜監督を称賛。監督自身も「皆さんに再会できてありがたい」と笑顔を見せた。

舞台挨拶の最後に、横浜監督は「映画は観客に観てもらって初めて完成するもの。SNSなどで言葉を発していただければ、私たちも新たな気づきを得られる。本作をこれからも育ててください」と観客に呼びかけ、温かい拍手でイベントは幕を閉じた。

■作品情報
タイトル:『海辺へ行く道』
原作:三好銀「海辺へ行く道」シリーズ(ビームコミックス/KADOKAWA刊)
監督・脚本:横浜聡子
出演:原田琥之佑、麻生久美子、高良健吾、唐田えりか、剛力彩芽、菅原小春、蒼井旬、中須翔真、山﨑七海、新津ちせ、諏訪敦彦、村上淳、宮藤官九郎、坂井真紀
製作:映画「海辺へ行く道」製作委員会
配給:東京テアトル、ヨアケ
公開:絶賛公開中
2025年/日本/スタンダードサイズ/5.1ch/140分/G

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