第76回カンヌ国際映画祭ACID部門に出品された、フランスの名優ジャンヌ・バリバール主演作『山逢いのホテルで』が、11月29日より公開されることが決定した。併せて、ポスタービジュアルが披露された。
スイスアルプスをのぞむ小さな町で、障がいのある息子をひとりで育てる仕立て屋のクローディーヌ。毎週火曜日、彼女は山間のリゾートホテルで一人旅の男性客を選んでは、その場限りのアヴァンチュールを楽しむ、もう一つの顔を持っている。そんな中現れたある男性との出逢いが、彼女の日常を大きく揺さぶることになる。もう恋を追いかけることなど想像もしなかったクローディーヌは、再び女として目覚めようとしていた…。
本作は、第76回(2023年)カンヌ国際映画祭ACID部門のオープニングを飾り、その後も各国の映画祭で評価を得た話題作。主演は、マチュー・アマルリック監督『バルバラ セーヌの黒いバラ』でセザール賞主演女優賞に輝き、現在大ヒット上映中のアンヌ・フォンテーヌ監督『ボレロ 永遠の旋律』では圧巻のダンスを披露した、フランスの名優ジャンヌ・バリバール。熟年を迎えた女性の孤独から、息子に無償の愛を捧げる母としての優しさ、情熱的な恋に落ちる女性の可憐さまでを見事に表現する。その複雑で感動的な演技は、「『ジャンヌ・ディエルマン ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地』のデルフィーヌ・セイリグを彷彿とさせる」(L’Humanité)と絶賛された。
監督・脚本を手掛けたのは、ファッションデザイナーとして活躍したのちに本作で長編監督デビューを果たした、スイスの新鋭マキシム・ラッパズ。俳優たちの魅力を掬い取る繊細な眼差しや、じっくりと時間をかけて感情の変化を紡ぎ出す演出に、長編デビュー作とは思えない手腕を発揮している。撮影監督は『その手に触れるまで』や『トリとロキタ』などダルデンヌ兄弟の作品で知られるブノワ・デルヴォーが務めた。
スイスの壮大な山々と湖畔に囲まれた、世界最大級のグランド・ディクサンス・ダムの麓に実在するホテルを舞台に、息子への献身的な愛と現実逃避の夢の間で揺れる女性を描く。果たしてクローディーヌが最後に選んだ道とは。しっとりと格調高い大人のラブストーリーに仕上がっている。
『山逢いのホテルで』
2024年11月29日(金)よりシネスイッチ銀座、アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開
監督・脚本:マキシム・ラッパズ
出演:ジャンヌ・バリバール トマス・サーバッハー ピエール=アントワーヌ・デュベ ヴェロニク・メルムー
配給:ミモザフィルムズ
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