『孤狼の血』『死刑にいたる病』の白石和彌が、『ミッドナイトスワン』『台風家族』の草彅剛を主演に描く、古典落語をベースにした本格時代劇『碁盤斬り(ごばんぎり)』が、5月17日より公開される。それに先立ち、4月23日にTOHOシネマズ 六本木ヒルズにて完成披露先行上映会が行われ、草彅剛、清原果耶、中川大志、奥野瑛太、音尾琢真、市村正親、斎藤工、小泉今日子、國村隼、白石和彌監督が登壇した。
寡黙な武士、柳田格之進を演じた草彅は、舞台挨拶冒頭から満面の笑みを浮かべ、充実感を漂わせる。撮影以来となる共演者との再会をよろこび、「みんなのグルーヴがすごくいい!」とニッコリ。自分の持っているものすべてを出し切れたと話した草彅は「幸せな環境で映画が撮れました」と報告し、大きな拍手を浴びていた。撮影現場は作品に関わるすべての人、職人のこだわりが詰まっていたとし「みなさんのおかげで(格之進を)ちゃんと演じられました。代表作になったと思います!」と役を演じ切ったと胸を張っていた。
格之進の娘・お絹役の清原は「現場で草彅さんを見かけるたびに、“父上”という気持ちになって。格之進として佇んでいらっしゃって、とても支えられました」と感謝。父・草彅の背中を「追いかけられたらいいな、支えられたらいいなという思いで見つめていました。草彅さんのおかげでお絹ちゃんとしていることができたと思います」との清原の言葉に草彅は「その言葉、一生大事にします!忘れません」と返し、父娘のほっこりトークで和ませた。
草彅とは29年ぶりの共演となった小泉は「まだ剛くんが20代前半だった頃。少年っぽさが淡く残っていた時にテレビドラマで共演して。放送が始まって剛くんのキャラクターが人気になって、出番が増えていき、キャラクターが大きくなっていったのを覚えています」としみじみ。「当時から演じることを楽しんでいたし、すごく素敵でした。久しぶりにお芝居を一緒にしたけれど、背中が素敵で。主役としてすべてを背負って引き受けている姿に感動しました。この背中の役に立ちたいと思いながら、お庚という役を一生懸命演じました」と話す小泉に草彅は「キョンキョン大好きです!」と答え会場を盛り上げる。草彅は17年ほど前に小泉からプレゼントされたTシャツにサインをしてもらったエピソードも明かす。「和柄で、今回の作品に合っていて。撮影中の2週間、パジャマにしてました、洗わずに(笑)」と付け加え、さらなる笑いを誘っていた。「春の撮影で花粉症がつらそうだった」と撮影中の草彅の様子を思い出した小泉。すると草彅が「かゆいし、鼻をかむと髭がとれちゃう。鼻をかむたびに(メイクの)直しが入って。それが一番大変だったかも」と撮影時の一番の苦労を明かす場面もあった。
作品にちなみ“復讐したいこと”を尋ねられた草彅と清原。草彅は「今日の舞台挨拶をもう一回やり直したい。リベンジしたい(笑)」と少し俯き、「テレビカメラとかいっぱい入っているのに、どこが切り取られるんだろうと急に不安になってきて…」とここまでの自由なトーク展開を苦笑い。「では、私はそのリベンジを応援します!」と気合いを見せる清原に草彅は「清原さんはちゃんとしてたよ」と優しく返答。「これだけ(キャストの)みんなが集まるのは最初で最後かもしれないのに…」としながらも「映画をたくさんの人が観てくれたらリベンジできるかも!」と、今後もイベントが開催されることを願いつつ、たくさんの鑑賞を呼びかけるというナイスなPRで大きな拍手を浴びていた。
最後の挨拶では本作の宣伝を務める観客に向けて、SNS投稿時の「#(ハッシュタグ)」も発表。「#碁盤斬り」もしくは「#ごばんぎり」とのこと。「漢字は難しいから、ひらがなでもいいです。ご飯じゃないよ、ごばんだよ。このフレーズ気に入っているけど、いまいちウケなくて…」としながらも、最後までしっかりと映画を宣伝していた。
『碁盤斬り』
2024年5月17日(金) TOHOシネマズ 日比谷他全国ロードショー
監督:白石和彌
脚本:加藤正人
出演:草彅剛 清原果耶 中川大志 奥野瑛太 音尾琢真 市村正親 立川談慶 中村優子 斎藤工 小泉今日子 國村隼
配給:キノフィルムズ
【ストーリー】 浪人・柳田格之進は身に覚えのない罪をきせられた上に妻も喪い、故郷の彦根藩を追われ、娘の絹とふたり、江戸の貧乏長屋で暮らしている。しかし、かねてから嗜む囲碁にもその実直な人柄が表れ、嘘偽りない勝負を心掛けている。ある日、旧知の藩士により、悲劇の冤罪事件の真相を知らされた格之進と絹は、復讐を決意する。絹は仇討ち決行のために、自らが犠牲になる道を選び…。父と娘の、誇りをかけた闘いが始まる。
©2024「碁盤斬り」製作委員会