「カイジ」の福本伸行と、「沈黙の艦隊」のかわぐちかいじという日本漫画界が誇る黄金タッグによる原作コミックを、生田斗真、ヤン・イクチュンの日韓実力派俳優のW主演で実写映画化する『告白 コンフェッション』が、5月に公開されることが決定した。併せて、特報映像とティザービジュアルが披露された。
原作「告白 コンフェッション」は、1998年にヤングマガジンアッパーズで連載され、名匠2人の共作が大きな話題を呼んだ人気コミック。物語は、大学山岳部OBの浅井と石倉が登山中に遭難するところから始まる。事故によって死を覚悟した石倉は、長年背負ってきた十字架を降ろすため、自分が過去に犯した“殺人”を浅井に告白してしまう。しかし、その直後、眼前に山小屋が出現し、2人は一命を取り留めることに…。死を覚悟した親友の最期の“告白”を聞いてしまった男と、言ってしまった男。山小屋内で進んでいく、2人のこの上なく気まずい一夜を、圧倒的なスリルとスピード感で描ききった作品は、今なお、多くの読者の心を惹きつけ続けている。
告白を“聞いてしまった男”、浅井啓介を演じるのは、大ヒットを記録したアクション・エンタテインメント大作『土竜の唄』シリーズや、珠玉のヒューマンドラマ『渇水』など、幅広いジャンルの作品で多彩な演技で観客を魅了し続ける俳優、生田斗真。浅井という一見するとエリートの好青年風だが、どこか掴みどころのないキャラクター像を演じ、新境地を開拓している。そして、自らの罪をうっかり“言ってしまった男”、リュウ・ジヨンを演じるのは、ヤン・イクチュン。彼が監督・脚本・主演をつとめた『息もできない』は、国際映画祭・映画賞で25以上もの賞に輝き、そのセンセーショナルな作風が世界で話題となった。日本でW主演をつとめた『あゝ、荒野 前編/後編』では日本国内で高い評価を集め、数々の映画賞を受賞した。原作では日本人の石倉というキャラクターだった設定を、韓国きっての実力派であるイクチュンを起用することにより、韓国から来た留学生のジヨンへと変更がなされた。日韓を代表する、生田とイクチュンという演技派俳優のコラボレーションは果たしてどのような化学反応を生み出すのか!?
監督を務めるのは、『リンダ リンダ リンダ』、『苦役列車』、『オーバー・フェンス』などの作品で高い評価を集め、話題作『カラオケ行こ!』の公開も控える山下敦弘。個性溢れるキャラクターの魅力を切り出すことに定評のある山下監督が、自身のキャリアでも初のジャンルとなる密室劇で、生田が演じる浅井とイクチュンが演じるジヨンという、極限状態に置かれた2人の男をどのように描くのかにも注目だ。
特報映像では、福本伸行とかわぐちかいじの原作コミックの圧倒的なインパクトを誇るイラストのたたみかけから始まり、浅井(生田斗真)とジヨン(ヤン・イクチュン)が雪山で遭難しているシーンへと移っていく。足に大怪我を負ったジヨンを「大丈夫」と懸命に励ます浅井。そんな浅井に、ジヨンは突如として語りかける。「最期に聞いてくれ。さゆりは俺が殺した」と…。16年前にその山で行方不明となり事故死とされた2人の同級生の西田さゆりは、ジヨンが殺害したという。自ら犯した罪にさいなまれ、苦しみからようやく解放されて安堵したジヨンだったが、事態は急転。なんとその直後、2人は「助かってしまった」のだった。死を覚悟した親友の[告白]を“聞いてしまった男”と、うっかり“言ってしまった男”。山小屋の暖炉を囲む2人の間には、そこはかとなく気まずく、不穏な空気が流れ始める。その“気まずさ”が臨界点に達したとき、この2人はどうなってしまうのか?後に続く、予測不能の展開を期待させる映像となっている。
ティザービジュアルでは、助かってしまった浅井とジヨンの“気まずい”一夜の始まりを予感させる、不穏且つ、ユニークな写真とキャッチコピーが躍る、本作を象徴するイメージとなっている。
■生田斗真(浅井啓介役) コメント
Q:出演オファーを受けての感想
ここまで閉鎖的な空間で、出演者はほぼ二人と言っていいくらいのミニマムな世界観の中で、展開すること。そして何よりもヤン・イクチュンさんとお芝居ができるのが楽しみでした。
Q:演じられた役柄について
この映画は冒頭、ある男とある男が遭難して山小屋に逃げ込んで、そこからお互いの関係性や、二人に何が起きたのかなどが明らかになっていきます。前情報としてお伝えできることが多くはないですが、ヤン・イクチュンさんの怖い顔と、それに怯える私が演じる浅井というのが、ハラハラドキドキして楽しんでもらえる大きな要素の一つになっていると思います。
Q:劇場公開を待つお客様へのメッセージ
本当にドキドキする、最高にスリリングな作品になっていると予想されます。この映画は、始まりと終わりでガラリと世界観が変わるような作品だと思いますので、是非、公開を楽しみにしてほしいと思っています。
■ヤン・イクチュン(リュウ・ジヨン役) コメント
Q:出演オファーを受けての感想
初めてオファーを受けたのが、4年前でした。ですので、とにかく頑張ろうという気持ちでした。4年の歳月を経て、シナリオも変わっていきました。完成したこの映画が、4年間の努力の結晶として素晴らしい出来栄えになれば良いと思っていま
す。
Q:演じられた役柄について
人間は誰でもミスや失敗をするもので、大きな失敗をした時に、一人の人間として、その状況でどのように自分の感情を隠し、その感情から抜け出すか、もがくものです。私はジヨンが浅井のようで、浅井がジヨンのようだと感じます。人間は時に弱くて怖がりです。その醜い感情をどのように表現するかを悩みました。
Q:劇場公開を待つお客様へのメッセージ
最近は家で映画やドラマをよく見ますよね。もちろん、そういった作品もとても面白くて素晴らしいのですが、劇場で観る映画的な快感は失われているように思います。この作品が、劇場ならではの快感を味わえる映画になって欲しいなと思います。観客の皆さんに、そんな気分を味わって頂けると嬉しいです。
■山下敦弘(監督) コメント
2018年に企画を立ち上げましたが、難航するシナリオ作業、さらにコロナ禍での2度の撮影延期という憂き目を経て、ようやく映画化することが出来ました。途中、何度も心が折れそうになりましたが、どうにか形にしたいという監督としての意地と、プロデューサーたちの粘りの結晶が映画『告白 コンフェッション』です。絶対に劇場で観てください。
『告白 コンフェッション』
2024年5月 全国ロードショー
監督:山下敦弘
原作:福本伸行(原作) かわぐちかいじ(作画)
出演:生田斗真 ヤン・イクチュン
配給:ギャガ
【ストーリー】 大学山岳部OBで親友の浅井とジヨンは、16年前、大学の卒業登山中に行方不明となって事故死とされている同級生の西田さゆりへの17回忌となる慰霊登山中、猛吹雪により遭難してしまう。脚に大怪我を負ってしまい、死を確信したジヨンは、実は16年前にさゆりは自分が殺害したのだと浅井に“告白”する。長きにわたり背負ってきた十字架を降ろしたことで安堵し、死を受け入れたジヨンだったが、その直後、眼前に山小屋が出現し、2人は一命を取り留めることに。薄暗い山小屋の中、明け方まで救助隊が来るのを待つ2人だったが、浅井はジヨンの態度がどこかおかしいことに気づく。「ジヨンは明らかに告白したことを後悔しているに違いない…」。この上なく異様で“気まずい”空気が流れる山小屋内。そして、ジヨンの行動は常軌を逸し始め、狂気をはらんでいくのだったが…。
©2024 福本伸行・かわぐちかいじ/講談社/『告白 コンフェッション』製作委員会