まばゆいターコイズブルーに彩られた映像美とともに、母娘で紡ぐ故郷の海への想いを描き出す『BLUEBACK』(原題が、邦題『ブルーバック あの海を見ていた』として、12月29日より公開されることが決定した。併せて、ポスタービジュアルが披露された。
若き海洋生物学者のアビーは、母親ドラが脳卒中で倒れたとの知らせを受け、故郷の西オーストラリアに帰ってくる。美しい海を一望できる実家で口がきけなくなったドラを世話するアビーは、この家で過ごした少女時代に思いを馳せていく。8歳の誕生日にロバーズヘッドという入り江に初めて潜り、巨大な青い魚の“ブルーバック”と出逢った宝物のような体験。そして環境活動家だったドラから、豊かな恵みをもたらしてくれる海の素晴らしさを教わったこと。そんなかけがえのない日々を回顧し、アビーは自らの原点を見つめ直していくのだった…。
本作は、ブッカー賞に2度ノミネートされた実績を持ち、オーストラリアで最も広く親しまれている作家ティム・ウィントンのベストセラー小説を映画化。世界最大の珊瑚礁地帯グレートバリアリーフを始めとする数多くの自然遺産があり、比類なきほどの雄大な風景、独自の生態系が広がるオーストラリア。ターコイズブルーの海に育まれた母と娘の絆の物語を、環境保護のメッセージをこめて紡ぎ上げている。
監督を務めたのは、昨年日本でも公開されたクライム・サスペンス『渇きと偽り』が好評を博したロバート・コノリー。1997年に出版されたティム・ウィントンの原作小説に魅了され、長らく映画化を熱望してきたコノリーにとって、本作はその夢を叶えたプロジェクトとなった。原作は2007年に日本でも翻訳されており、第54回(2008年度)青少年読書感想文全国コンクール小学校高学年の部の課題図書にも選出された。
国際的に活躍するオーストラリアの実力派キャストによるアンサンブルも見逃せない。アビーを演じるのは、『アリス・イン・ワンダーランド』、『キッズ・オールライト』で脚光を浴びたのち、ジム・ジャームッシュ、パク・チャヌク、デヴィッド・クローネンバーグ、ギレルモ・デル・トロといった名だたる巨匠、鬼才の作品に出演してきたミア・ワシコウスカ。母との絆、自然との結びつきを心の支えに、よりよき未来をたぐり寄せようとするアビーの心模様を繊細に表現した。そして『メリンダとメリンダ』、『サイレント・ヒル』のラダ・ミッチェルが母ドラをバイタリティ豊かに演じ、コノリー監督の前作『渇きと偽り』で主演・プロデューサーを務めたエリック・バナが、母子と心を通わせる漁師マッカ役で登場する。
ポスタービジュアルは、故郷を離れ海洋生物学者となった主人公アビーが柔らかな表情で佇む姿がメインに据えられ、「母の手を握った。ほろ苦い記憶と、宝物だった日々が深く深く沁みわたっていく。」のキャッチコピーとも相まって、望郷の念と少女時代への追憶が醸し出されている。ポスター下部では、アビーと母ドラが肩を寄せて座り、故郷の海を眺めている様子からもふたりの優しさと穏やかさが伝わってくる。
『ブルーバック あの海を見ていた』
2023年12月29日(金)、YEBISU GARDEN CINEMA、シネスイッチ銀座ほか全国順次公開
監督・脚本:ロバート・コノリー
原作・脚本協力:ティム・ウィントン「ブルーバック」
出演:ミア・ワシコウスカ ラダ・ミッチェル イルサ・フォグ アリエル・ドノヒュー リズ・アレクサンダー エリック・バナ
配給:エスパース・サロウ
【ストーリー】 若き海洋生物学者のアビー・ジャクソンが、母親ドラが脳卒中で倒れたとの知らせを受け、故郷である西オーストラリアの海辺の町ロングボート・ベイに帰ってくる。幸いにも症状は軽く退院したドラは、美しい海を一望できる高台の自宅に戻るが、言葉をまったく発しなくなっていた。そんなドラを世話するため、しばらく実家にとどまることにしたアビーの脳裏には、いつも母と一緒だった少女時代の記憶が蘇る…。
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