行定勲が企画・プロデュースを、伊藤ちひろが監督・脚本、坂口健太郎が主演を務める、切なくも美しい物語『サイド バイ サイド 隣にいる人』が、4月14日より公開される。このほど、3月27日にイイノホールにて完成披露舞台挨拶が行われ、キャストの坂口健太郎、齋藤飛鳥、市川実日子、そして伊藤ちひろ監督が登壇した。

来月の公開を迎えて、今の気落ちを聞かれた坂口は「不思議です。この作品がどう皆さんの元に届いて、どう皆さんが持ち帰っていただくか。この作品は、観終わった後に“すっきり爽快で面白かったね”っていうジャンルの作品ではないんですね。すごく余白の部分を大事にして、あえて説明する部分を端折っている。言語化する部分を減らして、お客さんにも投げかけるような作品でもあると思うので、お客さんが受け取ってくださった時に、どんなものが生まれるんだろうなって、すごく楽しみです」と語った。

乃木坂46からの卒業後、本作が初めての映画出演となった齋藤は、自身が演じた莉子役について「乃木坂46の私とも全然違いますし、ファンの人がみんな見て喜ぶような役でもないかもしれないんですけど…」と自信がない様子。これに坂口が「みんな嬉しいんじゃない？きっと、飛鳥ちゃんを見たいっていうお客さんがすごくいる」と励ますと、「喜んでもらえたらすごく嬉しいです」とし、「私のファンの人やアイドルファンは、深読みしてくれるのが上手な方たちなので、そういう方たちには、もしかしたら面白がってもらえるし、何回も観たいなと思ってもらえるかもしれない」と自信を取り戻した様子だった。

齋藤は「坂口さんと市川さんのおしゃべりだったり、子供と遊んでいる姿がすごく綺麗だった。これを体験できて良かった」と撮影現場を振り返る。これに市川は感動した様子で、「（齋藤が）映画の出演が少ないって言っていたので、（坂口と）2人で『飛鳥ちゃんにとって、この映画が良い経験になってほしいね』って言っていた。だから良かった〜」と述べ、大げさに泣く素振りを見せると、坂口も「本当に良かった…」と目頭を押さえて泣き真似。いきなりの寸劇に齋藤は、「これ、誰が止めるんですか？（笑）」とツッコミを入れて笑いが起こっていた。

『サイド バイ サイド 隣にいる人』
2023年4月14日（金）より、ＴＯＨＯシネマズ 日比谷ほか全国公開
監督・脚本・原案：伊藤ちひろ
音楽：小島裕規 “Yaffle”　
主題歌：「隣」クボタカイ（ROOFTOP/WARNER MUSIC JAPAN）
出演：坂口健太郎　齋藤飛鳥　浅香航大　磯村アメリ　茅島成美　不破万作　津田寛治　井口理（King Gnu）　市川実日子
配給：ハピネットファントム・スタジオ

【ストーリー】 そこに存在しない“誰かの想い”が見える青年・未山（坂口健太郎）。その不思議な力で身体の不調に悩む人や、トラウマを 抱えた人を癒やし、周囲と寄り添いながら、恋人で看護師の詩織（市川実日子）とその娘・美々（磯村アメリ）と静かに暮らしていた。 そんな未山はある日、これまで体感したものとは異質の強い想いを感じ始める。それは、高校時代の後輩で、遠く離れた東京で活躍するミュージシャン・草鹿（浅香航大）のものだった。その真意を確かめるため、彼のライブ会場に足を運び、草鹿と対面を果たす。重い口を開いた草鹿から過去に未山と恋人・莉子（齋藤飛鳥）が遭遇した事件の顛末を明かされ、それ以来一度も会うことがなかった莉子と再会を果たすことに…。彼女の存在によって紐解かれていく、未山の秘密。 彼は一体、どこから来た何者なのか？

©2023『サイド バイ サイド』製作委員会