斎藤工「ここには山田孝之が立っていたかも」食事中の会話で主役が決定していた!?

「ソラニン」から約11年後に連載され、漫画家として残酷なまでの“業”を描き、浅野いにおの新境地となった“極限”の衝撃作を、竹中直人が監督し、斎藤工、趣里、MEGUMI共演で描く『零落(れいらく)』が、3月17日より公開される。このほど、2月8日にテアトル新宿にて、完成披露プレミア上映会舞台挨拶が行われ、キャストの斎藤工、趣里、玉城ティナ、監督の竹中直人、原作者の浅野いにおが登壇した。

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本作の主人公で“元”売れっ子漫画家の深澤を演じた斎藤は、役との共通点について「心当たりしかなかった。浅野いにお作品の中で最も内蔵を描いてくれた。自分のことなんじゃないかと思うくらい、共感しか無い、進行形の自分の出来事だと思えるぐらい共鳴した」そうで、「その心当たりを頼りに現場にいた。辛いような楽しい時間ではありました」と本作の撮影を振り返った。

監督の竹中は深澤のキャスティングについて「工と山田孝之さんと3人で『ゾッキ』という映画を撮って、いつも3人で宣伝してたんですが、その時たまたま孝之が仕事で来れなくて。工と2人でご飯を食べる時に映画の話になって、『次は浅野いにおさんの『零落』を撮りたいと思っている』と話したら、工が『大好きです!』って。『じゃあ深澤やる!?』って(笑)」と、その場で出演が決まったことを明かした。

これに対して斎藤は「もしその時、山田孝之さんが竹中さんと食事して映画のお話をして、『大好きです』って言ったら、ここには山田孝之が立っていたかも(笑)」と冗談とも本音ともとれる表情でコメントし、劇場に集まったファンを笑わせていた。

『零落(れいらく)』
2023年3月17日(金)より、テアトル新宿ほか全国ロードショー
監督:竹中直人
原作・浅野いにお「零落」
脚本:倉持裕
音楽:志磨遼平(ドレスコーズ)
主題歌:ドレスコーズ「ドレミ」
出演:斎藤工 趣里 MEGUMI 山下リオ 土佐和成 吉沢悠 菅原永二 黒田大輔 永積崇 信江勇 佐々木史帆 しりあがり寿 大橋裕之 安井順平 志磨遼平 宮﨑香蓮 玉城ティナ 安達祐実
配給:日活/ハピネットファントム・スタジオ

【ストーリー】8年間連載してきた漫画が完結を迎え、“元”売れっ子漫画家となった深澤(斎藤工)。次回作のアイデアも浮かばず、担当編集者からはぞんざいに扱われ、募る敗北感。すれ違いが生じていた妻との関係は冷え切り、「マネーボーイズ」漫画家として切望されることのない現実が始まった。時間を浪費するだけの鬱屈した日々は深澤を蝕んでいく。虚無感を抱えたまま立ち寄った風俗店で、深澤は猫のような眼をした「ちふゆ」(趣里)と名乗る風俗嬢と出会う。自分のことを詮索せず、ただ「あなたはあなた」と言って静かに笑う「ちふゆ」に、急速に惹かれていく深澤。ある日、深澤は「ちふゆ」とともに彼女の故郷へと向かうことになる。

©2023 浅野いにお・小学館/「零落」製作委員会