芸人として活躍する傍ら、デビュー作「火花」で芥川賞受賞を果たすなど作家としても高い評価を受ける又吉直樹が、吉岡里帆、モトーラ世理奈、石橋菜津美、黒木華を主演に迎え、オリジナルで書き下ろしたオムニバスドラマ「椅子」が、5月27日よりWOWOWにて放送される。このほど、本作の個性豊かなポスタービジュアル20種がお披露目となった。
過去に「又吉直樹マガジン 椅子」の編集長を務めた経験もあるほどの又吉の無類の椅子好きが転じて、この度書き下ろしストーリーにてドラマ化が実現。タイトルの通り「椅子」と女性の人生を重ねて描く異色のオムニバスドラマであり、1話につき1脚の実在する著名な椅子が登場し、その椅子の成り立ちや特性などを織り込んだ物語が紡ぎ出される。バリエーションに富んだユニークで摩訶不思議な“椅子と女性”にまつわる8つのストーリーに仕上がっており、執筆した又吉自身「見たことない奇妙な物語です」と明かすが…、その全容はいかに…?また、本作では主演女優が、全く異なる二人の主人公を演じる。
ポスタービジュアルでは、主演を務める吉岡里帆、モトーラ世理奈、石橋菜津美、黒木華のビジュアルのほか、各話を彩る共演キャストとのシーンを切り取ったビジュアルや、家具店店主としてオープニングに登場する又吉直樹のビジュアルが明らかになる。
第1話「電球を替えたい」からは、ひょんなことから出会った菜奈(吉岡里帆)と進(岩崎う大)の姿が。一緒に電球を替える二人の姿からはなんとも微笑ましい印象を受けるが、それぞれが抱える秘密とは一体?続く第2話「最高の日々」では、名前が同じ良美と佳美という異なる2役に吉岡が挑戦。椅子(スツール60)に座る良美ともたれ掛る佳美の姿が確認できる。一見正反対にも見える二人を中心に織りなされるミステリアスな物語の行方に注目だ。第3話「海へ」では、紗耶(モトーラ世理奈)と杏奈(堀田真由)、絵理(河合優実)、そして亡き親友の晴香(石井杏奈)が浜辺で椅子(ラ シェーズ)に寄り添い佇む姿が美しく切り取られる。女子4人のいつまでも変わらない友情のカタチが描かれるが、どこか切なく儚げな雰囲気が漂う。第4話「オモイデ」では美容師を目指す那月(モトーラ世理奈)と学生時代からの彼氏・相太(吉村界人)が仲睦まじげに笑い合う姿が。互いに夢を追い求めながら環境の変化に戸惑い揺れ動く二人の恋愛模様が描かれる。第5話「まぼろしの」からは、ずっと欲しかった椅子(ルイ・ゴースト)を手に入れ微笑む加奈(石橋菜津美)の姿、第6話「雨が降っている」ではシリアスな表情を浮かべる泉(石橋菜津美)の姿ほか、夫の優太(中村蒼)と楽し気に会話するカットも。笑い合う二人の洋服には血がついているように見えるが…どのような展開を迎えるのか想像が掻き立てられる。第7話「人間達の声がする」では、黒木華演じる女性が子供と仲良く遊ぶ姿、そして全身赤い服に身を包んでバーで佇む姿が。果たしてこの二人は同一人物なのか?そして物思いに耽るバーの雇われ店長・達三(ムロツヨシ)の姿も確認できるが、観る者も達三同様にこの謎めいた女性に翻弄されること間違いなしの物語に仕上がっている。そして最終話「椅子を取りに行く」からは、暗闇で眩しそうな表情を浮かべる梢(黒木華)の姿が確認できるが、熾烈な椅子をめぐる争いの行方は…?
各話のオープニングでは、又吉直樹が椅子店店主役として登場する。人目を引く個性的でおしゃれな風貌の椅子店店主だが、ポスタービジュアルには、椅子に寝そべったり、眺めたりする姿のほか、思わずくすっと笑ってしまうような椅子とともに太極拳を行う姿や、思わず二度見してしまうような人差し指1本で器用に椅子を支えるなんとも不思議なカットが収められる。椅子のディティールを存分に味わえるユニークで印象的なオープニングに仕上がっている。
「WOWOWオリジナルドラマ 椅子」
2022年5月27日(金)より、WOWOWプライム、オンデマンドにて放送・配信(全8話) ※第1話無料放送
毎週金曜23時30分~放送
監督:松原弘志 長澤佳也
作:又吉直樹
出演:吉岡里帆 岩崎う大(かもめんたる) 水間ロン 銀粉蝶 但木宏成 モトーラ世理奈 堀田真由 河合優実 石井杏奈 吉村界人 智順 山中聡 石橋菜津美 白鳥玉季 ジャガー横田 又吉直樹 中村蒼 黒木華 ムロツヨシ 永野宗典 本多力 穂志もえか アンミカ 奥野瑛太
音楽:世武裕子
オープニングテーマ:清水靖晃
【第1話「電球を替えたい」ストーリー】 カップルのいさかいを目撃した進(岩崎う大)は、うな垂れている女性・菜奈(吉岡里帆)に思わず声を掛ける。引っ越ししたてで電球をひとりで交換できないという彼女に進が持っている椅子(No.14)を貸すこととなり、二人で歩き始める。街で噂の人物・スピードスターの目撃談などでほっこりする二人だが、それぞれ人に言えない秘密を抱えていた。
【第2話「最高の日々」ストーリー】 母親(銀粉蝶)に電話で近況を報告している良美(吉岡里帆)は、華やかな日常を送っている様子。その話の端々に登場する、名前の読み方が同じ同級生・佳美(吉岡里帆)から良美はある日突然呼び出される。久しぶりに会った佳美は、かつて良美の母親が営むピアノ教室に通っていた時に意外な話を聞かされたと言うのだが…。
【第3話「海へ」ストーリー】 親友・晴香(石井杏奈)の葬儀に出席した後、紗耶(モトーラ世理奈)は、杏奈(堀田真由)、絵理(河合優実)とともに屋上で思い出に浸っている。いつも一緒だった4人。大きな鍋でおでんを作るのが得意だった晴香が、小さな部屋には入りきらない大きな椅子(ラ シェーズ)を大切にしていたことをふと思い出す。亡くなる前に海を見に行きたいと言っていた彼女のために彼女たちがしたこととは…。
【第4話「オモイデ」ストーリー】 美容院で見習いとして働きだした那月(モトーラ世理奈)は、学生時代からの彼氏・相太(吉村界人)とそれぞれの夢を追う日々。ある日店長(智順)に、店に置いてあるおしゃれな椅子(Y-チェア)をプレゼントしてくれたダンディな俳優(山中聡)を紹介される。都会生活で背伸びをしてみたい年頃の那月に、ダンディな俳優はインテリアに詳しく魅力的な提案を持ち掛けてくる。
【第5話「まぼろしの」ストーリー】 町の工場で働く加奈(石橋菜津美)は職場では無口だが、もともとは明るい性格。ずっと欲しかった椅子(ルイ・ゴースト)を自宅に運んでもらってニヤニヤしながら、ひとり食卓に向かっている。そこへ突然、見知らぬ小学生・千絵(白鳥玉季)が借り物競走のためにおしゃれな椅子を貸してほしいとやって来る。しぶしぶ椅子を持ち出して二人でとぼとぼと歩いているうちに加奈は奇妙な偶然に気付いてしまう。
【第6話「雨が降っている」ストーリー】 小さなカフェを営んでいる夫婦、泉(石橋菜津美)と優太(中村蒼)。雨でも客足が途絶えないよう店にはアメリカの海軍が開発した耐水性のある椅子(ネイビーチェア)を並べている。いつの頃からか、店の経営がうまくいかなくなったことから、二人の関係がねじれていく。
【第7話「人間達の声がする」ストーリー】 赤い服に身を包んだ謎の美女(黒木華)が、ひとり暇を持て余していた雇われ店長・達三(ムロツヨシ)のいるバー「人間達の声がする」にやって来る。女は突然、自分の作品なのか現代詩を朗読し始めるのだが、達三にはちんぷんかんぷんで、その上「ツケにして」と言い残して去られてしまい大困惑する。
【第8話「椅子を取りに行く」ストーリー】 人気YouTuberの妹・陽子(穂志もえか)と同居するフリーターの姉・梢(黒木華)。無断で自分の彼氏の徹(奥野瑛太)を連れ込んだりする陽子の態度に耐えかねて梢は家を出ていってしまう。ふとわれに返り、もともと自分が買った椅子(アリンコチェア)だけは取り戻したいと留守宅に忍び込む梢だが…。