アカデミー賞作品賞を受賞した『グラディエーター』など、数多くの名作を世に送り出してきた名匠リドリー・スコット監督が、マット・デイモン、アダム・ドライバー、ベン・アフレックという豪華キャストを迎え、歴史を変えた世紀のスキャンダルを描く実話ミステリー『最後の決闘裁判』が、10月15日より公開される。このほど、本作で『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』以来24年振りに脚本タッグを組んだマット・デイモンとベン・アフレックが語る、脚本制作秘話が披露された。
『オーシャンズ』シリーズ、『ボーン・アイデンティティ』シリーズなど数々の人気作に出演し、アカデミー賞では主演男優賞をはじめ多数のノミネート経験を持つマット・デイモン。彼は⻑い下積み時代を経て、実力、人気ともにハリウッドで不動の地位を築いてきた。同じくベン・アフレックも、『ゴーン・ガール』、『バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生』など、多くのヒット作に出演し続けるだけでなく、『アルゴ』では監督としての手腕も発揮。第85回アカデミー賞では見事作品賞を獲得するなど、言わずと知れた実力派俳優だ。
彼らがハリウッドに名を轟かせたきっかけは、24年前、共同で脚本を手掛け、第70回アカデミー賞脚本賞受賞を果たした『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』。マット、ベンともに俳優としても出演し、マットはこの作品で、アカデミー賞のほか、ゴールデングローブ賞、全米映画俳優組合賞で主演男優賞にノミネートされた。同じ夢に向かって切磋琢磨した⻑年の親友同士が、⻑い時間をかけて作り上げた脚本とその演技で、一躍世間の注目を集めるアメリカン・ドリームを掴みとったのだ。
本作では、そんな彼らが24年振りにタッグを組んで脚本を手掛けたというのも大きな見どころのひとつ。マットは、『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』の脚本を手掛けた当時について、「僕たちは20歳とか22歳だった。あの頃はとても非効率的だったんだ。キャラクターのことは理解していても構成というものが分かっていなかったからね。脚本を何千ページと書いても、完成した映画の中では全然使われなかった」と膨大な時間と労力を費やして脚本を仕上げた裏話を明かし、「それがきっと、こんなに⻑く脚本を書くことから離れていた理由なんだ。二人とも忙しくなってそんな非効率なことはできなくなっていたからね」とこれまで脚本を手掛けてこなかった理由について言及した。
それに対し、本作の脚本作りは「あの頃とは全く違うプロセスだった」と振り返り、「物事がとても素早く進んでいくことに驚いた。今回の脚本は6週間くらいで仕上がって…」と驚きの制作秘話を明かす。24年の時を経たいま、満を持して挑んだことで、俳優として、プロデューサーとしての多くの経験とキャリアが詰め込まれた脚本に期待が膨らむ。
マットとベンの二人から指名される形で本作の監督に就任したリドリー・スコット監督は、「(マットは)とりつかれたように『羅生門』の話をしていたよ。私は一つの行為が登場人物3人の視点で、それぞれ描かれるというポイントに惹きつけられたんだ」と彼らが作り上げた脚本を絶賛。名匠リドリー・スコット監督とマット、ベンによる24年ぶりの脚本という最強の布陣が実現した。
登場人物3人の視点で物語が描かれる本作では、決闘裁判に臨む騎士カルージュ(マット・デイモン)とル・グリ(アダム・ドライバー)の脚本パートをマットとベンが担当し、裁判で闘うことを決断した勇気ある女性マルグリット(ジョディ・カマー)のパートを担当する形で、ニコール・ホロフセナーが脚本に加わった。ベン曰く、「勇敢で強さを持ったキャラクターのマルグリットに惹かれたんだ。今日的な意味があって、とてもワクワクして、カタルシスや共感をもたらす物語なんです」と原作の魅力を明かしつつ、「何が本当のことなのかを知るためにリサーチし、映画にまとめる中で、ジョディ演じるマルグリットのパートを書き上げるには女性が書かなければいけない」と感じていたという。24年分の成⻑を詰め込み、何倍にもパワーアップしたマットとベンの脚本に、『ある女流作家の罪と罰』で第91回アカデミー賞の脚色賞にノミネートされるなど、高い評価を受けるニコール・ホロフセナーの脚本がコラボレーションされたことで、三者三様の声を効果的に捉える見事な物語が誕生した。
『最後の決闘裁判』
10月15日(金) 全国公開
監督:リドリー・スコット
原作:エリック・ジェイガー
脚本:ニコール・ホロフセナー マット・デイモン ベン・アフレック
出演:ジョディ・カマー マット・デイモン アダム・ドライバー ベン・アフレック
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
【ストーリー】 中世フランス。騎士カルージュ(マット・デイモン)の妻マルグリット(ジョディ・カマー)が、夫の旧友ル・グリ(アダム・ドライバー)に乱暴されたと訴えるが、彼は無実を主張し、目撃者もいない。真実の行方は、夫と被告による生死を懸けた“決闘裁判”に委ねられる。それは、神による絶対的な裁き。勝者は正義と栄光を手に入れ、敗者はたとえ決闘で命拾いしても罪人として死罪になる。そして、もしも夫が負ければ、マルグリットまでもが偽証の罪で火あぶりの刑を受けるのだ。果たして、裁かれるべきは誰なのか?
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