【世紀の誘拐事件を映画化】監督はリドリー・スコット! ナタリー・ポートマンの出演を熱望!!

ridley-scott-paul-getty

Deadline

リドリー・スコットは次回監督作となる『All the Money in the World オール・ザ・マネー・イン・ザ・ワールド』(原題)のプランを完成させつつあるようだ。この映画はデビッド・スパーナ脚本によるジョン・ポール・ゲッティ三世の誘拐劇のドラマで、息子を誘拐された母親ゲイル・ハリスが少年の祖父に身代金を払ってほしいと頼み込む物語だ。少年の祖父である石油王ジョン・ポール・ゲッティは、当時世界一の金持ちだと噂されていたが、最初支払いを拒否したことで有名である。Deadlineほか米メディアが伝えている。

母親のゲイル・ハリス役には一流の女優たちが興味を示した。アンジェリーナ・ジョリーが先週決定しかけたが、スケジュールの都合でダメになってしまった。今、スコットはナタリー・ポートマンを狙っているらしい。日本で3月31日に公開される『ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命』で実在の人物を演じてアカデミー賞候補にもなったポートマンは今回の題材には最適だろう。スコットは気むずかしい老ゲッティにも大物俳優を配役しようとしている。製作は5月にイタリアで始まる。

『All the Money in the World オール・ザ・マネー・イン・ザ・ワールド』では、どのように富が呪いを引き起こすかについての痛ましい物語がイタリアを舞台に語られる。ポール・ゲッティ三世はローマの寄宿学校で育ち、10代はナイトクラブで遊びほうける毎日で、自由奔放な生活を送り、左翼のデモに参加したりした。1973年のある夜、彼は家に戻らなかった。すぐに1700万ドルの身代金を要求する連絡が家族のもとにきた。最初は反抗的な若者が自作自演で誘拐を演じているのではないかと疑われたが、すぐにこれは本物だとわかり、ギャング絡みの犯行ではないかとなって、少年の命に危険が及んでいるとされた。誘拐犯は、髪の毛を一房と切断された少年の右耳を封筒に入れ送ってきた。

少年の母ハリスは元義父で石油王のジョン・ポール・ゲッティと複雑な関係にあった。彼女は彼の息子と1964年に離婚する際、義父からの数百万ドルの支援を断わり、その後自分自身の手で息子を育て上げた。だから、彼女が身代金を援助してもらうためにゲッティ家に戻ったとき、義父は冷たくあしらった。その理由も理解できないわけではなかった。もし彼が孫一人のために身代金を払ってしまったら、他の14人の孫のためにも払わなければならなくなってしまう。まして彼は締まり屋でもあった。結果的に彼女と息子の父親は老ゲッティを説得して220万ドルまでは援助してもらったと言われている。この金額は税金が控除される限度額だそうだ。ゲッティはさらに息子に70万ドルを利子付きで貸し、合計290万ドルで少年は解放された。

イタリアの洞穴で6ヶ月にわたり厳しい環境で鎖につながれていたゲッティ少年は、一生回復することはなかった。彼は麻薬の過剰摂取で心臓発作を起こしたり腎疾患を患ったり、四肢麻痺を起こしたり、悲劇的な人生を送り、2011年に54歳で亡くなった。