“20世紀を最も騒がせた”写真家に迫る『ヘルムート・ニュートンと12人の女たち』予告編&ポスタービジュアル

“20世紀を最も騒がせた”ファッション・フォトグラファー、ヘルムート・ニュートンの撮影の舞台裏を、シャーロット・ランプリングら12人の女たちの視点から捉えたドキュメンタリー『ヘルムート・ニュートンと12人の女たち』が、12月11日より公開される。このほど、本作の予告編とポスタービジュアルがお披露目となった。

本作は、2020年にニュートンの生誕100年を記念して制作されたドキュメンタリー。シャーロット・ランプリングやイザベラ・ロッセリーニ、ハンナ・シグラといった女優たちに加え、米国版「ヴォーグ」編集長のアナ・ウィンター、モデルのクラウディア・シファーらの貴重なインタビューを収録。さらに、ニュートンを鋭く批判した批評家スーザン・ソンタグとのTV討論のアーカイブ映像なども紹介する。稀代の才能の持ち主の作品世界を、ニュートンにインスピレーションを与えた12人の女性たちの視点から捉え直したスリリングな映像になっている。

予告編では、映画本編と同様、ニュートンと仕事をしたことのある“12人の女たち”が、ニュートンの作品の意義と、それが社会にもたらした意味を語る姿が映し出される。ニュートンの作品を何度も表紙に起用したヴォーグ編集長のアナ・ウィンターが「表紙を飾る衝撃的な美」「彼が撮る女性は力強く挑戦的」と語れば、批評家のスーザン・ソンタグは「あなたの写真は女性蔑視で不愉快」と語るなど、当時、ニュートン作品が社会に与えたインパクトの大きさがうかがえる。

本作を鑑賞する楽しみの一つに、かつて一世を風靡し、今も現役で活躍する“12人の女たち”の現在を見られることがある。本映像にも、歌手として有名なグレイス・ジョーンズや、『ブルーベルベット』などデヴィッド・リンチ作品の印象が強いイザベラ・ロッセリーニ、『愛の嵐』でニュートンがスチルマンとしてヌードを撮影したシャーロット・ランプリング、日本でもスーパーモデルとして90年代に人気を誇ったクラウディア・シファー、さらに「世界で最も足の長いモデル」としてギネスブックにも登録されたナジャ・アウアマンらが登場。自由で自立した女たちが毅然とした態度で語る姿から、今は亡きニュートンが強く惹かれた女性たちのイメージが蘇ってくるかのようで、映像後半には、それを予見していたかのような故カール・ラガーフェルドの「次世代の女性の姿 それは彼の写真のなかにある」という言葉も引用される。

『ヘルムート・ニュートンと12人の女たち』
12月11日(金)より、Bunkamuraル・シネマ、新宿ピカデリーほか全国順次公開
監督:ゲロ・フォン・ベーム
出演:シャーロット・ランプリング イザベラ・ロッセリーニ グレイス・ジョーンズ アナ・ウィンター クラウディア・シファー マリアンヌ・フェイスフル ハンナ・シグラ シルヴィア・ゴベル ナジャ・アウアマン アリヤ・トゥールラ ジューン・ニュートン スーザン・ソンタグ カトリーヌ・ドヌーヴ シガニー・ウィーバー ヘルムート・ニュートン