堤真一、岡田健史に「大したことない、普通のおっさんやと思わせたかった」

累計発行部数15万部超えを達成した雫井脩介によるベストセラー小説を、堤幸彦監督が構想4年をかけて、堤真一主演、石田ゆり子共演で映画化する『望み』が、10月9日に公開を迎え、同日、TOHOシネマズ 六本木にて行われた初日舞台挨拶に、堤真一、石田ゆり子、岡田健史、堤幸彦監督が登壇した。

家族を演じるにあたり、撮影前に石田と岡田、堤監督と食事会を開いたという堤。「初めてお会いする方ばかりで、初めましてで“家族”というのが苦手で…。私がお願いして、食事に来てもらった」という。

食事会を振り返った石田は「本当に映画ではない話で盛り上がって。それが良かった。なんでもない、ちょっと笑える話で(笑)」と笑顔。堤は撮影時に岡田を緊張させないよう、「こいつ大したことない、普通のおっさんや」と思わせたかったそうで、「くだらない話ばっかりしてました(笑)」と笑顔で語った。

「ずっと堤さんがお話されていて、僕と石田さんと堤監督がずっと聞いてた」という岡田。しかし「その姿を見て、僕は親父になる人がこの人で、その横で石田さんが奥さんのようにうなずいて、ずっと親父とお袋を見ている感覚だった。それが撮影に生きた」と、家族を作ってくれた先輩俳優に感謝している様子だった。

堤監督は「現場でもそうなんですけど、堤さんはまるで暖炉のように周りを温めていく。映画のことを語るより、全然力がある」と堤の懐の深さに感銘していたが、堤は「僕も緊張していたから、ずっとしゃべっていたんだと思う」と照れ笑いを浮かべていた。

最後は公開初日を記念して鏡開きが行われ、大ヒットを祈願しながら全員笑顔で樽を割っていた。

『望み』
10月9日(金) 全国公開
監督:堤幸彦
原作:雫井脩介「望み」
脚本:奥寺佐渡子
音楽:山内達哉
主題歌:森山直太朗「落日」
出演:堤真一 石田ゆり子 岡田健史 清原果耶 加藤雅也 市毛良枝 松田翔太 竜雷太
配給:KADOKAWA

【ストーリー】 建築家の石川一登(堤真一)とフリー校正者の妻・貴代美(石田ゆり子)は、一登がデザインを手掛けた邸宅で、高一の息子・規士(岡田健史)と中三の娘・雅(清原果耶)と共に幸せに暮らしていた。規士は怪我でサッカー部を辞めて以来遊び仲間が増え、無断外泊が多くなっていた。高校受験を控えた雅は、一流校合格を目指し、毎日塾通いに励んでいた。冬休みのある晩、規士は家を出たきり帰らず、連絡すら途絶えてしまう。翌日、一登と貴代美が警察に通報すべきか心配していると、同級生が殺害されたというニュースが流れる。警察の調べによると、規士が事件へ関与している可能性が高いという。さらには、もう一人殺されているという噂が広がる。父、母、妹…それぞれの“望み”が交錯する。

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