【沈黙】塚本晋也「モキチは青年。撮影時に自分はすでに爺様になってました(笑)」

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マーティン・スコセッシ監督が、遠藤周作の「沈黙」を映画化した『沈黙-サイレンス-』。本作で、かくれキリシタンのモキチ役を演じた塚本晋也が、2月2日、都内で「沈黙」読書会のトークイベントに出席した。

自らスコセッシ教だと語る塚本は「脚本を読んだ時、最後の海のシーンはちょっと危険だなと思ったんです。僕は怖がりなので、自分で映画を撮る時は絶対に危なくないようにするんですよ。だから今回は、殉教覚悟で挑みました(笑)」と、本作の名場面を振り返った。

役作りのために、どの程度ダイエットをしたかという質問には「『鉄男 II BODY HAMMER 』を撮った時は55.5kgまで痩せて、『野火』では日本兵の役だったので53kgまで落としました。今回の『沈黙』では農民の役で、もっと痩せて欲しいと言われていたので、最終的に40kg台まで落としました」と壮絶なダイエット体験を披露。「でも結構ダボダボの服を着ていたので、痩せた意味がなくがっかりしていたんですけど、最後にガリガリのあばらが映るシーンがあって…」とダイエットが報われたことを喜んでいた。

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撮影が5年、6年と伸びて不安になったと語る塚本は「海外の俳優は、最初の人と変わりましたから。日本の俳優も変わっちゃうんじゃないかとソワソワしてました(笑)。そもそも、原作でモキチは青年なんですよ。撮影時に自分はすでに爺様になってましたから(笑)」と会場を沸かせた。

塚本は映画の中で疑問を感じたという。「島で農民たちが十字架を欲しがるシーンがあるんですけど、物とかに頼るのは危険な傾向だと。つまり、偶像崇拝は良いことではなく、あくまでも心の問題であるというのが本来の筋。その筋からすると、そもそも”踏み絵”という偶像を踏むのは意味が無いわけで。そこに神はいないから。話が終わっちゃいますけどね(笑)」と、終始会場を笑いで包んでいた。

マーティン・スコセッシ監督による『沈黙-サイレンス-』は、大ヒット公開中!