【沈黙】窪塚洋介「警察に職質された人も」「小松菜奈のツケ歯に爆笑」!?

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マーティン・スコセッシ監督が、アンドリュー・ガーフィールド主演を筆頭に、実力派の日本人キャストを揃えた映画『沈黙-サイレンス-』。本作の大ヒット御礼舞台挨拶が、1月30日にTOHOシネマズ日本橋で行われ、出演者である窪塚洋介、イッセー尾形、塚本晋也が登壇。撮影秘話など公開後だから語れるエピソードを披露した。

「知り合いなどからの反響は?」という質問に、窪塚は「僕が18歳でデビューした時よりも反響が大きい気がしてます。『一言では言えないけど』と前置きした後に延々としゃべってくる人とか、作品を観た後に頭がボーッとしちゃって、車をどこに置いたか忘れちゃった人とか、歩いている時に警察官の顔をボーッと見ちゃって職質されちゃった人とかもいました(笑)」とコメント。イッセーは「海外では舞台挨拶でスコセッシ監督が出てくると、全員が起立して迎えるんですね。サンフランシスコ、ロスとニューヨーク、全部そうでした」と、監督の偉大さについて語り、『井上はどうして英語が喋れるんだ?』という質問対しては「キリシタンだったからじゃない?と答えています」と、ちょっと心温まるエピソードを披露した。すでに作品を3回観たという塚本は「僕はお友達がいないので(笑)、知り合いからの反響は聞いてないですけど…(笑)。Twitterなどの反響はすごいですね」と自虐トークで会場を和ませた。

↓「昨日、紀伊國屋書店に行ったら、涙を浮かべた中年の女性が『モキチ!モキチ様!』って寄ってきて(笑)。次の役で殺人者の役とかやったらどうしようかな(笑)」と塚本
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↓「小松菜奈ちゃんが付け歯して、ずっと手で口を隠してるんですよ。『どうしたの?』って聞いたら、『歯がズレていて…こんな感じなんです』って見せてくれたんですけど、その瞬間に爆笑してしまって(笑)」と、撮影前の裏話を語った窪塚。実は監督も同じように爆笑して、その付け歯は不採用になったそうな
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第89回アカデミー賞《撮影賞》にロドリゴ・プリエトがノミネートされたことを受け、彼の印象を聞かれたイッセーは「本番前に、彼が必ずカメラの前で『セット』ってつぶやくんですよ。『準備できたぞ』って合図で、その後に『アクション』と声がかかるんですけど、この『セット』っていう一言が、準備いいか!?って気にさせてくれた」と撮影時のエピソードを語ると、窪塚は「とても神聖な響きでしたよね。あと誰よりも日本語を早く覚えてくれました。役者に説明をするのに、『チョット、ミギ』とか『チョット、スミマセン』とか(笑)。新たな日本語を覚えると、早速使っていた」と、コミュニケーション力の高さに感嘆していた。塚本は「ご本人はいたって普通の陽気な方で、芸術家っぽくない人。あんちゃんみたいな(笑)」と、親しみ深い人だと説明しながらも、「一度だけ、『全部ダメだ!計算全部狂った!』って頭をかきむしっていたことがあって、それが印象深い」と意外な一面を覗かせていたことを語った。

↓「サムライは全員バリカンで頭を剃るんだけど、台湾のエキストラの人が『明日、面接があるから剃らないでくれ』って。結局、剃ったんだけど、撮影の時は笠をかぶって頭は映らなかった(笑)」とイッセー
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もし自分だったら踏み絵を踏むか?という質問に、塚本は「僕は踏みますね。踏んで、村に帰ってから『なしなしなし!あれはなし!』って皆に言います(笑)。僕は生きてこそだと思いますね」。対してイッセーは、「小説の「沈黙」読後にネタを作った。踏み絵を作っている職人さんの話で、素晴らしい踏み絵を作ったの。あんまり素晴らしいから、キリシタンの人が『壁に飾るからこれをくれ』と言われて、納品しちゃうんですよ(笑)。それで幕府から「お前、キリシタンだろっ!?」って、狙われるという(笑)」。最後に窪塚は「踏むか踏まないかは”心のままに”だと思います。キチジローは”弱い、汚い、醜い”という負の修飾語のオンパレードみたいな役ですけど、いちばん自分の心に素直だったんだと思います」と舞台挨拶を締めくくった。

人間の普遍的なテーマに深く切り込んだ、マーティン・スコセッシの最高傑作。『沈黙-サイレンス-』は全国で大ヒット公開中。