性的虐待でトラウマを抱え生きてきた男たちの告発の行方『グレース・オブ・ゴッド』予告編&ポスタービジュアル

第69回ベルリン国際映画祭にて銀熊賞(審査員グランプリ)を受賞した、フランスで実際に起きた神父による児童への性的虐待事件「プレナ神父事件」をフランソワ・オゾン監督が映画化した『グレース・オブ・ゴッド 告発の時』の公開日が7月17日に決定した。併せて、予告編とポスタービジュアルがお披露目となった。

フランスではいま現在も裁判が進行中の「プレナ神父事件」。一人の勇気ある告発者から端を発した児童への性的虐待事件は、結果的に80人以上もの被害者が名乗りをあげ、プレナ神父が教区を変えながら長年にわたって信者家庭の少年たちに性的暴行を働いていたという驚くべき事実が白日の下にさらされた。この事件を基にした本作では、人生を破壊する性的虐待という暴力の恐ろしさと、そこから再生していく人間の力強さ、そしてそれを支える家族の愛が描かれ、まさに人間という存在の光と闇が映し出される。

予告編には、虐待のトラウマに苦しむ男たちが告発するまでの“葛藤”と、社会や家族との軋轢など告発したことによる“代償”、それでも告発によって確かに生まれた“希望”の断片が映し出され、深いトラウマを抱えた男たちの告発の行方を期待させる。

ポスタービジュアルは、性的虐待をしていた事実が発覚したプレナ神父と、被害を受けたアレクサンドル(メルヴィル・プポー)が光の中で向き合い、その下では少年が何者かを見上げている構図から、忌まわしき過去に対峙する覚悟を思わせるデザインに仕上がっている。

『グレース・オブ・ゴッド 告発の時』
7月17日(金)より、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国公開
監督・脚本:フランソワ・オゾン
出演:メルヴィル・プポー ドゥニ・メノーシェ スワン・アルロー ジョジアーヌ・バラスコ エレーヌ・ヴァンサン
配給:キノフィルムズ 東京テアトル

【ストーリー】 妻と子供たちと共にリヨンに住むアレクサンドル(メルヴィル・プポー)は、幼少期に自分を性的虐待したプレナ神父が、いまだ子供たちに聖書を教えていることを知り、家族を守るため過去の出来事の告発を決意する。最初は関りを拒んでいたフランソワ(ドゥニ・メノーシェ)、長年一人で傷を抱えてきたエマニュエル(スワン・アルロー)ら、同じく被害にあった男たちの輪が徐々に広がっていく。しかし、教会側はプレナの罪を認めつつも、責任は巧みにかわそうとする。アレクサンドルたちは信仰と告発の狭間で葛藤しながら、沈黙を破った代償…社会や家族との軋轢とも戦わなければならなかった。果たして、彼らが人生をかけた告発の行方は?

©2018-MANDARIN PRODUCTION-FOZ-MARS FILMS–France 2 CINÉMA–PLAYTIMEPRODUCTION-SCOPE