KADOKAWAとハピネットの共同制作プロジェクト「ハイテンション・ムービー・プロジェクト」の第2弾で、主演の高良健吾がベッドの下から女を監視する狂気の男を演じる『アンダー・ユア・ベッド』が、7月19日より公開される。このほど、本作の場面写真がお披露目となり、併せて、安部賢一よりコメントが寄せられた。
▲近くにいたい一心で浜崎千尋(西川可奈子)の自宅近くに引っ越した家の部屋から、窓越しに覗く主人公・三井直人(高良健吾)。壁には千尋の拡大写真が貼られ、薄暗く生活感の無い空間で、じっと静かに盗撮する姿は、狂気的だが孤独に蝕まれた男の切なく繊細な雰囲気を感じさせる。
家族や学校、誰の記憶にも残らず存在を無視されてきた孤独な男・三井直人が、学生時代に初めて「名前を呼んでくれた」女性との11年ぶりの再会を夢見て、女を追い始める。しかし、目の前に現れた彼女は学生時代の頃のような輝きを失い別人のように変わっていた。何故?彼女に一体何が起こっているのか。男は、女に取りつかれ監視するようになり、自宅に潜入しベッドの下に潜り込み、ベッド上の彼女を想いながら過ごす。加速度的に暴走していく男。これは愛ゆえの盲目なのか、それとも狂気なのか。
▲ベッドに座り高圧的な視線で妻の千尋を見つめる夫・浜崎健太郎(安部賢一)。表情から、このあとの恐ろしい出来事が予期される。
▲顔に無数のあざがあり、目にいっぱいの涙をためる千尋。目を覆いたくなる程痛々しく、追い詰められた絶望感しかない悲惨な表情だ。
▲テーブル越しに対峙する千尋と健太郎。本来夫婦二人の楽しく過ごすはずの夕食で、重い空気と緊張感が張りつめる中、テーブル越しの千尋は、健太郎に怯えて顔が強張りつつも、彼に何かを言い放ちたいとジッと堪えている。
千尋の夫・浜崎健太郎を演じる安部賢一は、先に行われた千尋役のオーディションの相手役として本作に関わっており、健太郎役はその時点では未定だった。しかし、オーディションで凄惨な行為を繰り返す安部の迫力ある確かな演技力の一方で、この難役に臨む女優への優しい気遣いと心配りを見て、「この役を演じきれるのは安部さん以外にいない!」と満場一致でのキャスティングとなった。
■安部賢一(夫・浜崎健太郎役) コメント
浜崎健太郎役を演じました安部賢一です。役を頂いてから最初に考えたのが、凄惨なDVをどう表現するべきか。健太郎は普通のサラリーマンです。普通の人です。なのでチンピラに見える事は避けたいと思いながら役作りをしました。見て頂いた皆さんに、普通がゆえにゾッとする人物、もしかしたら近くに居るんじゃないかと思わせる人物を演じられたらと、挑戦しました。現場では千尋役の西川可奈子さんの覚悟が強烈に伝わって来ました。この方なら自分が思っている所までやっても受け止めてくれるだろうと思ったので、本番でもギリギリまで挑戦しました。千尋がそこに居ました。カットがかかり西川さんに声を掛けると、「大丈夫です、もっとやって下さい」と。良い作品になると感じました。主人公、三井直人役の高良健吾さんとは現場であまり同じ時間を過ごしてはないのですが、待っている時の佇まいは三井そのもので、声を掛ける事は出来ませんでした。それぞれの覚悟をしっかりと役に反映させる事が出来た作品になったと思います。もちろん、プロデューサーや安里監督をはじめスタッフの皆さんの覚悟も。愛するがゆえに歪んでしまい、狂気に変わる時も。それを単純に歪んでいる、狂気だと言い切る事が出来るのか…。
『アンダー・ユア・ベッド』
7月19日(金) テアトル新宿ほか全国ロードショー
監督・脚本:安里麻里
原作:大石圭「アンダー・ユア・ベッド」(角川ホラー文庫刊)
出演:高良健吾 西川可奈子 安部賢一 三河悠冴 三宅亮輔
配給:KADOKAWA
【ストーリー】 雨の日の無人のエレベーター。誰かの香水の香りが残っている。俺(高良健吾)は思い出す。この香り…、11年前、たった一度だけ名前を呼んでくれた佐々木千尋(西川可奈子)のことを。親からも学校のクラスメイトからも誰からも名前すら憶えられたことのないこの俺を「三井くん」と呼んでくれた時のこと。俺は人生で唯一幸せだったあの感覚にもう一度触れたいと思い、彼女を探し出すことにした。家庭を持った彼女の家の近所に引っ越し鑑賞魚店を開店し、自宅に侵入、監視、盗撮、盗聴、彼女の近くで全てを覗き見ていたいと思った。だが、俺の目に映ったのは、全く別人に変わり果てた姿だったのだが…。
©2019 映画「アンダー・ユア・ベッド」製作委員会