安楽死をテーマに、「人の死を人が扱う」という答えの出ない問題を提起した現役医師の作家・久坂部羊の同名小説を、椎名桔平主演で映像化した「連続ドラマW 神の手」が、WOWOWプライムにて6月23日より放送される。このほど、追加キャストとして、杉本哲太、鈴木砂羽、北村有起哉、星野真里、近藤正臣、芦名星、葉山奨之、井上肇、坂井真紀が出演することが発表され、併せて、ポスタービジュアルと場面写真がお披露目となった。
椎名桔平が演じる主人公の白川泰生は、苦渋の決断で若い末期がん患者を安楽死させた腕利きの外科医。この安楽死処置をきっかけに、安楽死法案の成立をめぐり、医学界、政界、マスコミ、市民団体を巻き込んだ大騒動が巻き起こる。椎名と原作者の久坂部は、医療ドラマ「破裂」に続き2作目のタッグとなり、監督は映画『キセキ-あの日のソビト-』や『泣くな赤鬼』(6月14日公開)の兼重淳、脚本は田中洋史、幸修司が務める。
追加キャストとして発表されたのは、安楽死法案の成立を推進していく、白川の同僚で外科医の山名啓介役に杉本哲太。白川が苦渋の決断で安楽死させた若い末期がん患者の母で、白川の処置を告発するジャーナリスト・古林康代役に鈴木砂羽。日本の医療改革を企てる団体JAMO(ジャモ)の会長・新見偵一役に北村有起哉。白川のかつての同僚だった看護師の本村雪恵役に星野真里。そして、安楽死法案成立の背後で暗躍する元内閣総理大臣の佐渡原一勝役を近藤正臣が演じる。
このほか、JAMO(ジャモ)の副会長・柴木香織役に芦名星、白川が安楽死させた21歳の末期がん患者・古林章太郎役に葉山奨之、彼の育ての母で伯母の古林晶子役に坂井真紀、さらに、安楽死法案成立の阻止を図る、医師で安楽死法案「阻止連」の代理理事・大塚彰彦役として井上肇が出演する。
■兼重淳監督 コメント
自分の終末を考えることが多くなった。その時、身体は自由になるのか?意識はあるのか?いつかは迎える最期に、自分は何を想い望むのだろう…。久坂部先生の描かれた壮大な物語を映像化できると聞いた時、「この原作の世界観を、どれだけドラマチックにできるか」とプレッシャーを感じた。上下巻の内容を全5話にドラマにしなければならない。そんな思いが重圧となって、より劇的なものを考えていた。椎名桔平さんは、いつも背中を押してくれる。「監督、大丈夫ですよ。リアルに行きましょう」「ドラマだからなんて考えなくても大丈夫ですよ」そう言ってキャメラ前に立ってくれる。そうだった。患者の為を想ってやった医師の行為が、マスコミや世論、政治までも巻き込んで大きな渦になって行く。その渦中の抗えないたった一人の医師を、そして彼に関わる人間をそれぞれリアルに描けば良いんだ。今日もキャメラ前の白川泰生を見つめる。椎名さんと私のリアルを求めて…。
「連続ドラマW 神の手」
6月23日(日)よりWOWOWプライムにて放送スタート(全5話)
毎週日曜よる10時~放送 ※第1話無料放送
監督:兼重淳
原作:久坂部羊「神の手」(幻冬舎文庫)
脚本:田中洋史 幸修司
音楽:横山克
出演:椎名桔平 杉本哲太 鈴木砂羽 北村有起哉 星野真里 芦名星 葉山奨之 井上肇 坂井真紀 近藤正臣
【ストーリー】 主人公の外科医・白川泰生(椎名桔平)は、21歳の末期がん患者・古林章太郎(葉山奨之)を彼の育ての母で伯母の古林晶子(坂井真紀)が見守る中、苦渋の選択で安楽死させる。しかしその処置は、ジャーナリストで章太郎の母・古林康代(鈴木砂羽)によって告発されてしまう。そして、この告発をきっかけに安楽死法案の成立をめぐり医学界、政界、マスコミ、市民団体を巻き込んだ大騒動が巻き起こる。白川の同僚で外科医の山名啓介(杉本哲太)は、日本の医療改革を企てる団体JAMO(ジャモ)の会長・新見偵一(北村有起哉)と副会長・柴木香織(芦名星)とともに安楽死法案の成立を推進していく。さらに、その背後では元内閣総理大臣の佐渡原一勝(近藤正臣)らが暗躍。一方で康代を筆頭に、医師で安楽死法案「阻止連」の代理理事・大塚彰彦(井上肇)らが法案成立の阻止を図る。賛否両論の激しい論争の中で白川の発言は世論をも扇動し、彼自身も医師として人間として葛藤し苦悩する。そんな白川に、かつて同僚だった看護師の本村雪恵(星野真里)が同志として寄り添う。白川が最後にたどり着く未来とは―。