菅原文太『木枯らし紋次郎』シリーズ、『まむしの兄弟』シリーズ、『真田幸村の謀略』など、50年以上にわたり数々の娯楽大作を世に送り出してきた中島貞夫監督が、高良健吾主演、多部未華子、木村了共演で20年ぶりに手掛けた長編時代劇『多十郎殉愛記』が4月12日より公開される。このほど、高良演じる多十郎がついに封印してきた刀を抜き、大勢の役人を相手に大立ちまわりを見せるシーンの本編映像がお披露目となった。
“殺陣の魅力を存分に見てもらうこと”をコンセプトに制作された本作。舞台は幕末の京都。清川多十郎は親の残した借金から逃げるように長州から脱藩し、京の都へ上洛、続いて腹違いの弟・数馬も兄の元へとやってくる。大義も夢もなく日々を無為に過ごす多十郎は、好意を寄せるおとよの想いに気づかない。その頃、町方からの注進で多十郎の存在を知った京都見廻組は、新選組に先んじて手柄を立てようと多十郎の捕縛に動き出す。
本編映像は、多十郎がついに封印してきた刀を抜き大勢の役人を相手に大立ちまわりを見せるシーンで、中島監督がマキノ雅弘監督の助監督をしていた時代に多くを学んだという、長屋が立ち並ぶ街中で多十郎が逃げ回る場面から始まる。長屋の中を豪快に突き破りながら、役人たちに追われる多十郎。その騒ぎに乗じて、傷を負った数馬を抱えながらおとよが逃げ出すことに成功する。竹林まで大勢の見廻組を引きつけた多十郎はついに長州一の剣豪と言われながらも、京に来てからは封印してきた刀を抜く。見廻組の手練れたちをたった一人で相手にし、息をのむ豪快な剣さばきを見せる反面、多十郎は最低限の命のやり取りしかしない。それは愛する者を守るため、自分に注意を引きつけ、おとよと数馬が逃げる時間稼ぎのためだけに抜いた剣なのだ。
高良が本作で「一番の挑戦だった」と語る殺陣は、長州一の剣豪という役どころながら、相手を斬るための殺陣ではなく、愛する者を守るための殺陣である。高良は、撮影前に稽古を重ねたものの、現場で当日につけられる型を覚えた。演じながら殺陣を繰り広げるということがとても難しかったが、だからこそやり甲斐があったと語る。
『多十郎殉愛記』
4月12日(金)より全国ロードショー
監督・脚本:中島貞夫
脚本:谷慶子
出演:高良健吾 多部未華子 木村了 永瀬正敏 寺島進
配給:東映 よしもとクリエイティブ・エージェンシー
【ストーリー】 幕末の京都。親の残した借金から逃げるように脱藩して風雲急を告げる京の都へ上洛してきた長州脱藩浪人・清川多十郎(高良健吾)。大義も夢もなく日々を無為に過ごす多十郎は好意を寄せるおとよ(多部未華子)の想いに気づかない。新選組による取り締まりが強まる中、腹違いの弟・数馬(木村了)が脱藩し、兄の元へとやってくる。その頃、町方からの注進で多十郎の存在を知った京都見廻組は、新選組に先んじて手柄を立てようと多十郎の捕縛に動き出す。三者三様、それぞれの想いを胸に死闘が繰り広げられる。
©「多十郎殉愛記」製作委員会