映像作家であり、小説家である長江俊和の小説「東京二十三区女」を、倉科カナ、安達祐実、桜庭ななみ、壇蜜、中山美穂、島崎遥香主演で映像化するWOWOWドラマ「東京二十三区女」が、4月12日より放送開始される。このほど、倉科カナ、安達祐実、桜庭ななみが、各自出演するエピソードの魅力や撮影の裏側についてインタビューで語った。
■倉科カナ(第1話「渋谷区の女」主演/涼子役)
この作品は、身近なところに隠されている“闇”が次から次に展開されていくので、すごく怖さを感じましたね。私が出演する「渋谷区の女」は、涼子と謎の男(佐野史郎)との渋谷の暗渠の中での狂気を孕んだ攻防戦が台本を読んですごく面白かったので、そのために全てを削ぎ落とすような演技をしました。私が演じる涼子は普通のOLですが、心に“闇”があります。何かを犠牲にしていますが、生きていくため、それに蓋をして表に出さないところが暗渠と重なりましたね。難しい作品を作る現場でしたが、共演の佐野史郎さんがすごく寄り添って支えてくださいました。現場では、実際に渋谷川に入って、暗渠の入り口で撮影するという貴重な経験をしました。その場所は、なんとも言えない不気味さがあって…。それが、涼子が自分の蓋をしてきた闇に、今から向かって行く心情とリンクしましたね。渋谷という華やかな場所は、町の発展のためにたくさんの川が蓋をされ、忘れられています。そうであったことが忘れられていくような寂しさが、涼子とリンクしました。普通のホラーと違い、人間ドラマとしても楽しめますが、特に「渋谷区の女」の緊迫感のある台詞のやり取りは、サスペンスとしても楽しんでいただけると思いますので、是非ご覧ください。
■安達祐実(第2話「江東区の女」主演/伸子役)
この作品は、ホラーが主体ではありますが、東京のことをよく知ることができる内容になっています。第2話の「江東区の女」で私が演じる伸子は、道ならぬ恋への罪悪感に葛藤しながらも、子供という守るべき存在のために強く生きる女性です。そんな伸子をなるべく繊細に演じるようにしました。迫力がある怖いシーンも多いのですが、それだけでなく、愛することへの葛藤や悲しみ、そして子供への愛情が色濃く出るストーリーになっており、完成した映像を見て、短いドラマなのに映画を一本見た後のような気分になりましたね。共演した鈴木砂羽さんは、本当に迫力がすごくて…。頭で考えるのではなく、心と体が動かされてしまうような素晴らしい演技をしていらっしゃいました。長谷川朝晴さんとは共演回数が多く、気心の知れた方とまたご一緒出来て良かったと思っています。第2話「江東区の女」は恐怖の中にも、悲しさや愛情など様々な感情が交錯していく模様を見て頂くことが出来ます。もちろん怖がりながらもご覧頂けるので、是非お楽しみください。
■桜庭ななみ(第3話「豊島区の女」主演/澪役)
全6話の台本を初めて読んだ時、人の怨念を強く感じて、普通のホラーよりも怖く、ハラハラ・ゾワゾワしてしまいました。特に私が出演する第3話は、その土地が持つ怨念の強さと不気味さを感じましたね。このドラマをみたら、自分が住んでいるところにも何か封印された秘密があるのではないか、と思ってしまうと思います。知りたくないけれど、知りたいとも思ってしまいますね。私は、澪のような魔性の女を演じるのが初めてでしたので、自分にとっての大きなチャレンジになりました。歳の離れた男性とのラブ・ストーリーも初めて演じたのですが、最初は緊張していました。切ないシーンが多かったのですが、共演の小日向文世さんが場を盛り上げてくださったので、明るい雰囲気でホラーを撮っている感じがしなかったですね。私はホラー作品を見ることが、実は苦手なのですが、収録に関しては現場が明るかったので、すごく楽しく演じることが出来ました。私の演じる“豊島区の女”にどんな謎が隠されているのか、探りながら是非ご覧ください。
なお、本インタビューの映像は、番組サイトにて公開される。
番組サイト:https://www.wowow.co.jp/drama/tokyo23ku/
「東京二十三区女」
4月12日(金)よりWOWOWプライムにて放送開始(全6話)
毎週金曜 深夜0時(24時)~ ※第1話無料放送
監督・脚本:長江俊和
原作:長江俊和「東京二十三区女」(幻冬舎文庫)
音楽:天休久志
出演:倉科カナ(第1話) 安達祐実(第2話) 桜庭ななみ(第3話) 壇蜜(第4話) 中山美穂(第5話) 島崎遥香(第6話)
【ストーリー】 東京都内の恐ろしい伝説が隠されたスポットを巡る、フリーライターの原田璃々子(島崎遥香)と、元民俗学講師の島野仁。二人は数々の二十三区の怪異に遭遇する。失踪した母を求めて、渋谷区の暗渠に迷い込んだOL。江東区の“夢の島”に死体を隠す愛人の女。老いらくの恋と“池袋の女”の謎。港区を走る深夜のタクシーで、怪異に遭遇する女社長の秘密。板橋区の“縁切榎”に運命を翻弄される医師の妻。品川区の事件現場を巡る女と鈴ヶ森刑場の怪。東京二十三区―誰もが知っている“あの場所”の誰も知らない過去を知るとき、「本当の秘密」を知る。