山内マリコ、光石研、大九明子ら著名人より絶賛コメント!新星チャーリー・プラマー主演作『荒野にて』

長年連れ添った夫婦の絆が揺らぐ姿を描き数々の賞を受賞した『さざなみ』のアンドリュー・ヘイ監督が、チャーリー・プラマー主演で贈る最新作『荒野にて』が2019年4月12日より公開される。このほど、各界著名人より本作を絶賛するコメントが寄せられ、併せて、場面写真とメイキング写真がお披露目となった。

母に捨てられ、経済力も教養もないが愛情だけは溢れていた父を突然亡くし、天涯孤独となった15歳の少年チャーリー。唯一の心の拠り所は、厩舎で世話をする一頭の老いた競走馬ピートだった。しかし、そんなピートの殺処分の決定通知が届く。チャーリーはひとり馬を連れ、先の見えない荒野へと一歩踏み出す。

主人公チャーリーを演じるのは、『ゲティ家の身代金』の新星チャーリー・プラマー。本作で少年が抱く孤独とやり場のない痛みを瑞々しく演じ、第74回ベネチア国際映画祭にてマルチェロ・マストロヤンニ賞(新人俳優賞)を受賞した。このほか、スティーヴ・ブシェミ、クロエ・セヴィニーら個性派俳優が脇を固める。

孤独な少年チャーリーが唯一心を通わせる競走馬ピートを厩舎から連れ出す場面写真では、淡い空模様広がる中、まるでスポットライトのように夕日の光に照らされたチャーリーとピートの姿が。また、本編の中でも印象的な、チャーリーとピートが道中立ち寄る川辺での一コマでは、荒野で酷使した体と心を癒し、安らぎの表情を浮かべるとともに、大自然の美しさに触れた瞬間が捉えられた。さらに、アンドリュー・ヘイ監督と談笑しているメイキング写真からは、才能豊かな俳優としてのチャーリー・プラマーとは打って変わり、まだ撮影当時17歳のあどけなさ残す等身大な表情をのぞかせている。

著名人 絶賛コメント

■山内マリコ(作家)
チャーリー・プラマー、少年の美点の結晶体みたいだった。馬より崇高な生き物に見える瞬間すらあった。

■光石研(俳優)
チャーリー・プラマーの眼差しが頭から離れない。その眼差しの奥に、スタッフ・キャストの誠実さが。チャーリー、もう抜けられないね。そして僕もいつか、君の様に演じたい!

■石井裕也(映画監督)
少年が馬と一緒にとぼとぼと荒野を歩いている。おカネも食べ物もないのに、少年は馬をどうにか救おうとしている。たぶん、この光景を一生忘れない。人生そのものじゃないか、と思う。それにしてもチャーリー少年、最高に魅力的でした。

■大九明子(映画監督『美人が婚活してみたら』)
チャーリーとピートの家は、この地上には求めるべくもなかったのかもしれない。それくらい、二つの命は美しい。

■樋口毅宏(作家)
始まって数分でこれは名作だと確信した。『ギルバート・グレイプ』+『シービスケット』。スクリーンを見つめながら、いつかの自分と重なり、胸が壊れそうだった。

■志茂田景樹(作家 よい子に読み聞かせ隊 隊長)
大自然の荒野と人間社会の荒野。二つの荒野をさまよう少年が遂に掴んだものを少年に還って僕も掴みたい。

■小林エリカ(作家、マンガ家)
少年も競走馬も、その生を翻弄される脆く儚い存在だけれど、そのうちにある仄かな強さ靭やかさが、眩しく輝いて見える。

■中川龍太郎(映画監督)
少女が言った。他に行く場所がないと身動きが取れなくなる、と。少年はその夜、旅立ち、大切なものをまたひとつ失った。どんな恐ろしい荒野でもさすらえばいいんだ、たったひとつの居場所を求めて。『荒野にて』は、どこにも行けない時代に、どこかに行く意志を肯定してくれる、美しい一編の詩だ。

■金原瑞人(翻訳家)
圧倒的に無関心な世界をひとりさまよう少年を、ここまで容赦なく描いた作品は少ない。最後の救いさえ切なく心に響く。

■ロバート・キャンベル(日本文学研究者)
みずみずしくもハラハラさせる青春の素晴らしいドラマ。チャーリーが走るたびに僕の10代の記憶が甦ります。とてもいい映画です。

■ホンマタカシ(写真家)
雨風をしのぐ屋根と火と暖かい布団と家族?当り前のことの大切さを改めて感じまふなー、まふまふ。

■よしひろまさみち(映画ライター)
居場所探しでもがき続ける少年の姿に、自分探しの過去ある人は強烈な衝撃を受けるはず。監督、マジ天才。

■平野太呂(写真家)
アメリカ西部の荒野の映像を楽しみに出かけたものの(もちろん美しかった)、心に残ったものは青年の消えそうで消えない人間の良心。その心根に賭ける監督の想いだった。アメリカ北西部の荒野を美しく捉えたヘイ監督はイギリス人だった。外からアメリカを見たものにしか描けない美しさがあった。その美しさと、消えそうで消えない人間の良心、その心根を信じている監督の想いがこの映画を支えている。

■ピーター・バラカン(ブロードキャスター)
十代の若者の孤独、頼りたい気持ち、頼られたい気持ち、また喪失感を淡々としながらも強力に描いた作品です。こういう映画に気づかないとなればもったないない!

『荒野にて』
4月12日(金) ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次ロードショー
監督:アンドリュー・ヘイ
出演:チャーリー・プラマー スティーヴ・ブシェミ クロエ・セヴィニー トラヴィス・フィメル
配給:ギャガ

【ストーリー】 小さい頃に母が家出し、その日暮らしの父と二人暮らしのチャーリー(チャーリー・プラマー)。家計を助けるために老いた競走馬リーン・オン・ピートの世話を始めるが、ある日父が愛人の夫に殺されてしまう。15歳で天涯孤独になってしまった彼の元に、追い打ちをかけるように届いたのは、レースに勝てなくなったピートの殺処分の決定通知だった。誰にも必要とされないピートの姿に自分を重ねたチャーリーは、一人馬を連れ、アメリカ北西部の広大な荒野に一歩を踏み出すが―。

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