スティーブ・マックイーンとダスティン・ホフマンの2大スターが共演した脱獄映画の金字塔である同名映画を、45年ぶりにチャーリー・ハナム主演、ラミ・マレック共演で完全リメイクした『パピヨン』の公開日が6月21日に決定した。併せて、ポスタービジュアルがお披露目となった。
本作は、作家アンリ・シャリエールの壮絶な実体験を基に、無実の罪を着せられ、周囲を海に囲まれたフランス領ギアナの刑務所に移送された終身刑囚パピヨンの命をかけた脱獄劇。前作は『猿の惑星』などの名匠フランクリン・J・シャフナー監督と、ハリウッドの異端児と呼ばれた脚本家ダルトン・トランボのタッグにより、1973年に映画化され、絶望の淵に追いやられても自由を求めることを諦めないパピヨンを演じるスティーブ・マックイーンの鬼気迫る熱演と、ダスティン・ホフマン演じる偽札作りの天才・ドガとの深く結ばれる熱い友情は、多くの人々の共感と感動を呼び大ヒットを記録した。ジェリー・ゴールドスミスのテーマ曲「パピヨンのテーマ」は、アカデミー賞作曲賞にもノミネートされた。
今回のリメイクで主人公パピヨンを演じるのは、『パシフィック・リム』で主演を務め、『キングアーサー』でも肉体アクションを披露した人気スター、チャーリー・ハナム。ハナムはヒット作の続編『パシフィック・リム2』のオファーを断り、本作を優先させた。「僕はマイケル・ノアー監督の大ファンで、ずっと一緒に仕事をする機会を熱望していた。それに、『パピヨン』は僕の青春時代にとって、非常に重要な作品だったんだ」と語る。制作陣にとってもハナムは、より原作のキャラクターに近い若い“パピヨン”像だったという。
ドガ役には、『ボヘミアン・ラプソディ』で第91回アカデミー賞主演男優賞を受賞したラミ・マレック。マレックは、当初からドガ役の候補に挙がっていたが、多忙なスケジュールのせいで、一時は出演が危ぶまれた。ハナムは「僕にとってラミ以外の選択肢はなかった。彼がドガを演じるというアイデアに固執するようになり、いよいよラミの出演が不可能な状況になりそうになった時、彼に電話をかけ、“ブラザー、やり抜こう!この映画を俺たちで実現させるんだ!”と言ったんだ。その時、僕らはお互いをよく知らなかったし、彼にとってはある種のプレッシャーだったと思う。でも、ありがたいことにラミは僕を受け入れてくれたんだ」。マレックにとってもオリジナル映画は、思い出深い作品だった。「『パピヨン』は僕に強い影響を与えた作品だったので、この物語のリメイクは非常に刺激的になると感じたんだ。新たな解釈をするには、十分な時が経っている。僕はホフマンの解釈するルイ・ドガが好きだ。そして僕は、このキャラクターをもう少し尖らせ、脆さを抑えた。ドガを演じることは本当に楽しいことだった」と話す。
メガホンを取ったのは、マイケル・ノアー監督。本作では、ハリウッドの赤狩りに反対した脚本家トランボにリスペクトが捧げられ、1973年版の『パピヨン』に寄り添いつつ、独自のエピソードも追加されている。ノアー監督は「彼らはお互いの素晴らしさを引き出しあった。それが今回の映画化において、私が最も誇りに思うことの一つです」とハナムとマレックの息の合った脱獄コンビぶりを語る。
本作の公開に先駆け、日本では長らく絶版だった原作本が、河出書房新社より4月に文庫本で復刊予定。
『パピヨン』
6月21日(金)TOHOシネマズ シャンテ他にて全国公開
監督:マイケル・ノアー
原作:アンリ・シャリエール
脚本:アーロン・グジコウスキ
出演:チャーリー・ハナム ラミ・マレック トミー・フラナガン イヴ・ヒューソン
配給:トランスフォーマー
【スト-リー】 その男は胸元に蝶の刺青を入れていることから「パピヨン」と呼ばれていた。彼は金庫破りの天才だったが、ある日、身に覚えのない殺人の罪を着せられ、終身刑の判決を受けてしまう。彼が送り込まれた先は周囲を海に囲まれた絶海の孤島、南米ギアナのデビルズ島。この刑務所では過酷な強制労働が科せられ、横暴な看守たちによって囚人たちは人権をはく奪され、ゴミのように扱われていた。やがてパピヨンは脱獄を決意。そのためには、ボートや食料を入手するための多額の資金が必要だった。そこでパピヨンは偽造紙幣で逮捕された男ドガに目をつけ、彼の身を守る事と引き換えに逃亡費用を稼ごうとするが、やがて二人は奇妙な絆で結ばれていく…。
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