カナザワ映画祭2018にて観客賞受賞!老人ホームで働く青年の心の葛藤を描く映画『老人ファーム』4月公開!

「カナザワ映画祭2018」にて観客賞を受賞した、老人ホームで働く青年の心の葛藤を描いた映画『老人ファーム』が、4月13日より公開されることが決定した。

母親が病気になったことをきっかけに仕事を辞めて実家へと戻ってきた和彦。老人ホームで働き始めた和彦を待っていたのは、慣れない老人たちの介護と家では母親の愚痴を聞くという過酷な毎日だった。施設の方針に疑問を持ちながらも、和彦は入居者が楽しく笑顔でいられる理想を思い描きながら、日々の業務をなんとか真面目にこなしていた。そんななか、施設管理者の後藤に入居者のアイコだけが反抗的な態度をとっていた。自己主張するアイコに感化された和彦は、ホームでの仕事に生きがいを見つけようとする。

監督・脚本は、長編初作品となる三野兄弟が手がけ、兄の三野龍一が監督を、弟の三野和比古が脚本をそれぞれ担当した。本作は、「カナザワ映画祭2018」にて観客賞を受賞し、そのほか、「TAMA NEW WAVE ある視点部門」、「日本芸術センター映像グランプリ 審査員特別賞」、「新人監督映画祭」など多くの映画祭で評価を得ており、今年の「さぬき映画祭」で招待作品に選出された。

映画に登場する主要な役者は、役者自身の感性によって選ばれ、「老人ファーム」に現実感と可能性、そして“遊び”を添えている。主人公の彼女役を演じた堤満美は、監督と同じ大学の舞台芸術学科を出た後に上京し、舞台や映画で活動。役者活動を通じて、自分の目で確かめた役者たちを本作に呼びこんだ。主演の半田周平は堤の芝居のワークショップ仲間で、アイコ役の麻生瑛子は映画で共演、同僚を演じた合田基樹と山田明奈とは同じ舞台で共演した。撮影は、香川県高松市塩江町にて行われ、ほぼ空き家状態となっていた高齢者の施設を使用し、監督含めわずか4人のスタッフで老人ホームというリアルな世界を作り上げた。また、「老人ファーム」で施設の入居者を、地元香川県で活動する劇団「エルダーキャッツ」のメンバーが演じる。

著名人 応援コメント

■長谷川和彦(映画監督)
『老人ファーム』を推す。先ず『老人ファーム』というメインタイトルに魅せられた。「老人ホーム」で働く青年の「ウロウロ不器用に生きる姿」を描いて、秀逸。ラストシーン、青年が不敵な笑顔を獲得するまでの冒険譚だ。その語り口に「惜しい」と思わせる隔靴掻痒の感は否めないが、必見の意欲作には違いない。

■緒方貴臣(映画監督)
劇中の老人ホームは、姥捨て山なのか、楽園なのか。主人公は、ヒーローなのか、理性を失った狂人なのか。そして三野監督は、善人なのか、露悪趣味な偽善者なのか。その答えは、あなたの目で確認して欲しい。勧善懲悪になりがちな題材を安易な二元論にしなかったところに好感が持てた。

■前野朋哉(俳優・監督)
老人ホームの介護のお仕事。ここ近年いろんな事件も起きていますが、改めて大変なお仕事だとわかりました。三野監督はそれをじっくりと、辛抱強く捉えています。物事を飲み込み過ぎた時、人はどう変貌するのか…最後まで本当に目が離せません!

■内田伸輝(映画監督)
主人公とその周囲にいる人々は、深いコミュニケーションを取ることもなく、ストレスだけをためていく。それはまるで、今という時代の何らかの危機的状況をあらわしているかのようだ。ひょっとしたらこの映画は、あなた自身の話しかもしれないし、あなたの友達の話しかもしれない。

■麻生マサヒロ(映画監督)
空気のない世界からバーンと飛び出す瞬間、主人公と作者がシンクロするのを感じた。あっ、好きな映画だと感じた。

■元村直樹(国立映画アーカイブ 教育・事業展開室 客員研究員)
フレッシュな弟の脚本を、確かな腕を持つ兄が映画にしあげた。自主映画界に一石を投じた三野兄弟の第一歩を目撃してほしい。

『老人ファーム』
4月13日(土)より、渋谷・ユーロスペースにて公開
監督・編集:三野龍一
原作:MINO Bros.
脚本:三野和比古
出演:半田周平 麻生瑛子 村上隆文 合田基樹 山田明奈 堤満美 亀岡園子 白畑真逸

【ストーリー】 和彦(半田周平)は母親が病気になったことをきっかけに仕事を辞めて実家へと戻ってきた。老人ホームで働き始めた和彦を待っていたのは、慣れない老人たちの介護と家では母親の愚痴を聞くという過酷な毎日だった。施設の方針に疑問を持ちながらも、和彦は入居者が楽しく笑顔でいられる理想を思い描きながら、日々の業務をなんとか真面目にこなしていた。そんな後藤に入居者のアイコ(麻生瑛子)だけが反抗的な態度をとっていた。自己主張するアイコに感化された和彦は、ホームでの仕事に生きがいを見つけようとするが…。