「じゃがいもの方がセクシー」米女優の『ダーティ・ダンシング』リメイクが酷すぎるとネットが大炎上

ここ数年アメリカでは、ミュージカル映画のテレビ版リメイクが大流行。米NBCでは『サウンド・オブ・ミュージック』、『ピーターパン』、『ヘアスプレー』、米FOXでは『ロッキー・ホラー・ショー』『グリース』とOAし、昨日(5月24日)、米ABCで放送されたのが3時間テレビ映画版の『ダーティ・ダンシング』だ。

オリジナルはちょうど30年前に公開されて大ヒットとなった1987年の作品で、パトリック・スウェイジとジェニファー・グレイが主演した青春恋愛映画の金字塔。物語は18歳の主人公ベイビーが夏休みに家族でやってきた避暑地でのバカンス中に知り合ったダンスインストラクターとの恋やティーンエイジャーの妊娠問題などを描いているが、何と言ってもスウェイジとグレイのダンスに世界中が熱狂した。

今回のリメイクでは、ヒロインのベイビー役に映画『リトル・ミス・サンシャイン』で10歳の若さでアカデミー賞にノミネートされてブレイクし、最近ではコメディホラードラマ『スクリーム』にも出演していたアビゲイル・ブレスリン、相手役のジョニーにはダンサーで舞台俳優のコルト・プラテスを抜擢したが、どんでもない駄作だと、大きな批判を浴びている。

ツイッターなどでは視聴者から「見るに堪えない」「ゴミ以下のリメイク」「トランプが勝利した大統領選挙の速報を見たとき以来の衝撃と辛さ」「『風と共に去りぬ』を『ビッグバン★セオリー』のキャストでリメイクしても、この作品よりマシだと思う」と散々な感想が飛び交っての大炎上。

特に批判のターゲットになっているのは、アビゲイル演じるベイビーで、オリジナルの軽やかさとセクシーさが全く見当たらず、「このベイビーはむしろトラウマになりそうだ」などと視聴者が辛辣なツイートをするが、視聴者だけではなくハリウッド・レポーター誌のレビューでは、作品のもっとも有名なセリフ「誰もベイビーを壁の隅に追いやったりしないさ(Nobody puts Baby in a corner.)」を文字って、「誰かこのベイビーを壁の隅に追いやってくれ」と酷評されている。

ベイビーの父親役のブルース・グリーンウッドのピアノ弾き語りシーンがあったりして、それが結構うまかったりと、「ドラマ」パートはそれなりに見られるのだけど、『ダーティ・ダンシング』といえばダンスを誰もが思い浮かべるのに、そのダンスが……。

ドラマ部分もテレビ映画なのでハリウッド映画に比べてそのチープさは否定できないものがあるが、しかしオリジナル映画のダンス名場面である水辺とクライマックスでのベイビーのリフトシーンは、あえてコメディとして捉えればむしろ極めて優秀だ。

念のため、右画像は人命救助の決定的瞬間ではなく、今回のリメイク版のワンシーン。

そして最後のダンスパーティでの運命のリフトはオリジナルにはない「ド迫力」が加わった凄いことになっている。

We Knew It Would Be Bad But Did You Think the Dirty Dancing Remake Would Be This Bad
動画はコチラでチェック(一番上の動画です)→jezebel

ズドドドド…と、ここはアフリカの大草原かっ!と錯覚させられる勢いで突撃するベイビーの勇姿、まさかあの『ダーティ・ダンシング』の一場面だなんて。

普通の人なら思わずよけてしまうところだろうが、それを真正面から受け止めるジョニーを演じるコルトの役者魂、そして21歳になっても『リトル・ミス・サンシャイン』の純粋さとシルエットが、ある意味で今でも残るアビゲイル。。もし本編を見たなら、脇役で出演しているニコール・シャージンガーの常に異様な雰囲気にも目を背けずに向き合ってほしい。

ところでこのリメイクを製作した米ABCでは、ディズニーの名作『リトル・マーメイド』のミュージカル・実写版ドラマスペシャルが10月3日にライブで放送されることになっているが、今回の『ダーティ・ダンシング』のリメイクのおかげで、「リトル・マーメイドも不安だ」という声が上がっている。(D姐