【全米TV視聴率ランキング】ウォーキング・デッド独走!? キーファー主演の新ドラマは? 猛追する新番組!

アメリカでは9〜10月が番組改編の年度スタート期で、秋ドラマは各TV局が一年で最も力を入れた大型番組が勢ぞろいする。

とはいえ、今年は大混迷のアメリカ大統領選挙で、討論会中継(ちなみに全ての公式討論会が日本でいういわゆる地上波全局、CNNなどのケーブル系ニュース局全局で生中継されるのです)、特別番組・選挙速報などがあり、例年とは違ったイレギュラー放送だったが、そんなこんなでようやく選挙も落ち着いた11月3週目の全米視聴率が発表されたので、注目してみたい。

米ニールセン社の発表による11月14-20日の週間ランキング
1位  ウォーキング・デッド(AMC)** 6.6
2位  ビッグバン☆セオリー ギークなボクらの恋愛法則(CBS) *** 4.0
2位  Empire 成功の代償(FOX) 3.9
4位  This Is Us(NBC) 3.3
5位  モダン・ファミリー(ABC) *** 2.9
5位  グレイズ・アナトミー(ABC) 2.8
7位  それいけ!ゴールドバーグ家(ABC) *** 2.4
8位  NCIS 〜ネイビー犯罪捜査班(CBS) 2.2
8位  リーサル・ウェポン(CBS) 2.1
8位  Speechless(ABC) *** 2.1
11位 ザ・ミドル 〜中流家族のフツーの幸せ(ABC) *** 2.0
11位 Kevin Can Wait(CBS) *** 2.0
11位 American Housewife(ABC) *** 2.0
14位 Black-ish(ABC) *** 1.9
14位 Bull(CBS) 1.9
14位 シカゴ・ファイア(NBC) 1.9
14位 NCIS:LA 〜極秘潜入捜査班(CBS) 1.9

※アルファベット表記のタイトルは原題、ほかは日本放送or配信時のタイトル。
※数字は100万単位の視聴世帯数、()は放送局、黄色のマーカーは新番組、**はケーブル局、***は30分シットコムドラマを示す。
※録画視聴を含まず同日の調査結果、キー層の18-49歳を対象とした地上波+ケーブル局総合から、スポーツ中継やリアリティ番組を除きドラマ/シットコムのみを抽出。

1.王者「ウォーキング・デッド」揺るがず!

大物俳優ジェフリー・ディーン・モーガンを投入し、10月23日に衝撃のエピソードで第7シーズンの幕を開けて賛否両論、一部ではショック過ぎるので視聴をボイコットしようぜ運動まで巻き起こっている(人気キャラのアノ人が死んだのは原作通りなのに…)「ウォーキング・デッド」(The Walking Dead/TWD)がぶっちぎりの1位で人気はやはり不動。

しかもTWDはケーブル局でのOAにして、この数字を叩き出すというのは驚異的という点でも社会現象。そしてこんなに視聴率のいいモンスター番組なのに主人公のアンドリュー・リンカーンの全米での知名度・存在感が全然あがらないのも全米TV七不思議のひとつ。(あとの6つはもう少し考える時間をくださいw)

ちなみにスポーツ、リアリティ以外のケーブル局番組でTWDに次ぐ高視聴率はアニメの「サウスパーク」(コメディセントラル)。

2.新番組1位は意外にも、ドラマに弱いNBC(笑)の新番組「This Is Us」


「HEROES/ヒーローズ」のマイロ・ヴェンティミリア、マンディ・ムーアらが出演し、同じ誕生日に生まれた人間たちによるコメディタッチのヒューマンドラマが、視聴率ランキング上位常連の「ビッグバン☆セオリー〜」「Empire〜」に次いでランクインと大健闘。アメコミもの、事件・政治もの、ミステリーもので溢れかえるドラマ番組のなか、人間を描いた「This Is Us」は異色の存在だけれども、アクション過多な既存番組にちょっと食傷気味と思っている視聴者にハマっている感じ。

ほかにドラマで健闘しているのは「リーサル・ウェポン」シリーズのドラマ版、「NCIS〜」に先シーズンまで出演していたというCBSではおなじみの顔、マイケル・ウェザリーが、“Dr.PHIL”としてお茶の間で人気の司会者フィル・マクグロウをモデルにした精神科医に扮した犯罪ドラマの「Bull」だ。

3.シットコム相変わらず強し!ミニー・ドライバー主演も好調でさらに激戦!

ランキング15番組のうち8番組がシットコムで、そのうち3作が新番組。なんとあのミニー・ドライバーがTVドラマでしかもシットコムに出演した「Speechless」がこのカテゴリー新番組でトップの8位にランクインした。小児麻痺で話すことができず車椅子生活をしている高校生の息子をめぐるハートウォーミングながらブラックな笑いのきいたシットコムだ。

さらにシットコム得意のABCは数々のシットコムでおなじみのケイティ・ミクソン初主演「American Housewife」も好調でフルシーズン製作が決定した。CBSではケヴィン・ジェームズのTVシリーズ返り咲き番組「Kevin Can Wait」が月曜8時台の激戦区にもかかわらず、「ビッグバン☆セオリー〜」の後番組というおいしい枠で安定の高視聴率カムバックを果たした。

4.打ち切り決定、残念なドラマたち……果たしてキーファー・サザーランドが米大統領に扮した新大型ドラマは!?

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Designated Survivor (2016-)

例年だとこの時期ですでに打ち切りが決定した新番組もあるのだが、前述のように今年は米大統領選挙でイレギュラーなために、“打ち切り決定”のドラマはまだ。しかし現時点でパイパー・ペラーボ主演の犯罪ドラマ「Notorious」(ABC)が10話に縮小OAが決定、「Conviction」(ABC)がシーズン1で終了、という残念ドラマ確定になった。

また今シーズン、最も注目されたドラマと言えるのが、「24」のキーファー・サザーランド主演「サバイバー:宿命の大統領」。ワシントンDCが謎の攻撃を受け閣僚が全滅した中で生き残るという『シン・ゴジラ』のような状況で、突然新大統領に任命された元下級長官をキーファーが演じるアクション政治ドラマだが、陰謀渦巻くなかなかのサスペンス。

しかし「サバイバー〜」は上記の高視聴率ランキングに入っていない!!……のだけど、実は初回1004万世帯(キー層440万世帯)と好発進スタート。16日にOAされた調査対象の第7話はキー層120万世帯、トータル550万世帯ながら、録画視聴を含めるとキー層300万世帯になるため、録画を含めた視聴率ランキングでは「Empire〜」を超えてシットコムの「ビッグバン☆セオリー〜」に次ぐ高視聴率に! つまり1位TWDに次いで今秋ドラマの隠れトータル視聴率2位番組になり、シーズン2は間違いなさそうで今後の展開がさらに楽しみになる。

また同じく視聴率ランキングには入っていないものの、押さえておきたい新番組は、有料ケーブルネットワークのHBOで放映されている2作品。1973年の同名タイトル映画のリメイクTVシリーズ「ウエストワールド」。さすがHBO、エド・ハリス、ジェームズ・マースデン、エヴァン・レイチェル・ウッド、そしてアンソニー・ホプキンスという豪華キャストで、西部劇をモチーフにしたオトナのテーマパーク“ウエストワールド”のドロドロで残酷な近未来をもの凄い世界観で描き、禁断の関係が回を追うごとに暴かれていく。エミー賞総ナメの「ゲーム・オブ・スローンズ」待ちな“ゲースロ・ロス”層にがっつり訴求している。そしてもうひとつはサラ・ジェシカ・パーカー主演「Divorce」。夫役のトーマス・ヘイデン・チャーチとの離婚をめぐるコメディドラマ。「セックス・アンド・ザ・シティ」以来となるSJPのTVシリーズ復帰作としても注目だ。(D姐