MC:ありがとうございます。それでは早速いろいろとお話を伺っていきたいと思います。まずは中島監督、公開ギリギリまで仕上げの作業にかかってらっしゃったということで、今回初日を迎えられて、改めておめでとうございます。
中島:本当に間に合わなそうだったんですよ。本当に間に合わなかったらどうすんだろうっていうね。謝罪会見とかして、岡田くんがマスコミの前で謝ることになるのかなとか。
岡田:『来る』が『来ませんでした』って言うところでした。
中島:みんなの前で岡田くんが切腹とかするのかなって、そんな変な夢を見たりとかしましたけれども。本当に間に合ってよかったです。
MC:監督としては改めて、本作はどのような映画に仕上がったとお思いですか?
中島:昔は夢ですけど、テレビドラマとかお芝居を観るのとは違う、映画館でしか体験できないような映像と音っていうものを中心に据えた映画を撮りたいっていう思いがあって。自分が下手くそなせいもあって、なかなか普通のドラマと違う、映画館で観たからこそ面白いっていう映画に届かなかったっていうのが…それは歳もとってきたし、いろいろな経験もしたので、やっとちょっと、この映画の全体がものすごい体感型の映画だっていうのを、そうじゃないところもありますけど、ある部分はでっかい劇場でいい音で聞いたときに、絶対にテレビとかスマホで観るのとは違う体験ができるという部分を作れたんじゃないかなと思って。それがある程度できたということだけでも、自分としてはすごく嬉しいです。
MC:ありがとうございます。本作、ホラー映画といった、一括りにできないような、観る方によっても捉え方が変わるような作品なんじゃないかなと思うんですけれども、監督が表現するとしたら本作は何映画になりますか?
中島:難しいことを…(笑)。「お祓いライブ映画」ですかね。つまり、フジロックとか行って、ライブ見て気持ちいいなっていう感情がなんで映画館ではできないんだろうっていう思いがずっとあったんです。だからお祓いの準備をしている人たちが出てきますけど、あの人たちがペタッとシールのようなお札を貼ってますよね。あれもロックのライブに行ったときのチケットみたいな感じにしてくれるといい。だから映画ではありますけど、気楽に自由にのびのびと、ビールとか飲みながら、ライブで見られるものを楽しむみたいな感じでこの映画を観ていただけるのが…。(隣の小松に対して)何笑ってるの!変なこと言ってないでしょ?
小松:はい。そう思います(笑)。
中島:(笑)。っていう感じですね。
MC:ありがとうございます。岡田さん、監督はそのように仰ってますけども。
岡田:そうですね、ライブを見たかのような。後半は僕、ライブパートというか、お祓いデスバトルみたいなパート担当なので…。人間ドラマをやってるパートから、どんどんお祓いデスバトルになっていく、ライブになっていくというのは、荒波に乗っているような映画だなっていうのはすごい感じましたね。
MC:ありがとうございます。今日から初日ということですけど、周りの方からの反応やコメントはありましたか?
岡田:そうですね。やっぱり業界関係者の方はすごく褒めて下さいます。お仕事をした方とかが試写で観たりして、「これはすごいね!」と反応は大きくて、「傑作だ!」って言ってくださったりとか、「中島監督ヤバいよね?」とか。まあもう観られた方は皆さん思うと思うんですけど。
中島:悪口は言わないようにね。
岡田:悪口言うと倍返しされるから(笑)。中島監督のおもしろさというか、鬼才というのを褒め称える感じですね。
MC:ありがとうございます。ただ、岡田さんご自身は今回、人間の弱い面を曝け出すような今までとはまた違った表情を拝見できる、そんな役柄でしたけれども。実際、中島監督の現場ではどんなことが印象的でしたか?
岡田:現場でどうでしたかね…。今とは全然違う…。
妻夫木:今とは全然違いますよ!これは偽りの姿です!(笑)
中島:悪口を言うなって言った途端に喋ることがなくなるんですよ(笑)。
岡田:でも現場は本当にみんなで食らいついていくみたいな感じの現場というか。細かい指示もたくさんいただけるので、それに沿って行く感じで。みんなが面白いものができるかもしれないという、中島監督の頭の中を走っていく感じがありますけどね。
MC:ご自身が演じられた役柄としては、難しいっていう部分はありましたか?
岡田:難しかったですね!掴みどころがない役ですし、どちらかというと、主人公で受け身…。何もないんですよ、僕の役って。オカルトライターなので、見ていく、体験していく役柄なのでリアクションをしていくんですけど、世界最強の霊媒師とか、取りつかれるとか、ノイローゼになるとか、そういうのがないので、みんなを羨ましく見てました(笑)。羨ましいなって思いながら。
中島:そういう役が難しいんですよ。確固たるクセのあるっていう役はね、誰でもできます。無個性に見えて、尚且つ、さほど見せ場もないですしね(笑)。
妻夫木:ちょっと本性現してきたな!?
岡田:現してきた!出てきた!
中島:そういうところで微妙な気持ちを表現するっていうのが俳優としての醍醐味。
岡田:そうですね。
中島:演じていて岡田くんはこの役を楽しんでるんだろうなって思いました。
岡田:何も言わせないようにしてる!(笑)。今、シャットダウンされましたよね?
青木:蓋した!
岡田:蓋をされましたよね?(笑)。でも、楽しかったですよ。リアクションしていくので、松さんの扮装とか、小松さんの髪色とか、キャラが濃いのを見ていくのもすごい楽しかったです。
MC:ありがとうございます。黒木さんは中島監督が初めてということで、一度ご一緒してみたかったと仰っていましたけれども、どんな印象でしたか?
黒木:噂でたくさん聞いていたよりすごく優しい方で…。
青木:噂…。噂ですか?
黒木:はい…(笑)。丁寧な口調で言われるからこそ、自分的にはドキッとしてしまう演出というか…なんて言ったらいいんですかね…。自分の中ではいろいろ考えたりとか、妻夫木さんに相談したりとか、いろんな経験、刺激を受けられた現場でした。子役の子に嫌われることで精神が削られていくのが、ちょっと役とシンクロしていたりとか。
中島:あの~、知紗役をやった女の子が全く誰の言うことも聞かない子なんです。
岡田:まだお芝居しているという感覚がない。
MC:3歳とか本当に小さいですもんね。
黒木:そうなんです。それで私が結構怒っちゃうんで。
岡田:役でね。
黒木:そう役で!もちろんです!(笑)。
岡田:いろいろフォローしなきゃいけない部分が今日たくさんあって!(笑)。
黒木:役で…(笑)。だから、抱っこしたりとかよくするんですけど、あたしの顔を見ると「もう抱っこしない?」って聞かれたりとか、「怒らない?」って言われたりとか、目の前で泣かれたりとかして、「あぁ、世の中のお母さんは大変だ!」と事前に勉強することができました。