【全起こし】古川雄輝「日本の小学校でちやほやされたい」…!? Netflix『僕だけがいない街』プレミア試写会イベント全文掲載!

MC:ありがとうございます。それではゲストの皆様に、時間の限りお話を伺っていこうと思います。まずは、皆さんに最初に一つ質問させていただきます。それぞれの役柄について、演じるにあたりどんなところを意識されたのか、またご自身とこういう部分が重なるなぁという発見がもしあれば教えていただきたいと思います。それでは、古川さんよりお願いできますか?

古川:僕が演じた悟は、今回新鮮だったのは、こういう追い込まれる役というのは僕はあまりやったことがなかったので、それに気づいた瞬間、走るシーンが結構多くて、走ったり汗かいたりというのが今回初めてだったので、そういうのがやっていて新鮮だったなぁという印象ですね。あと難しかったのは、“リバイバル”っていう現象は時間が戻ったりするんですけれども、“リバイバル”した瞬間っていうのは、僕以外の周りの人たちは全員同じお芝居をするんですけど、僕だけが違うお芝居をする状態になるんですね、時間が戻るので。今は“リバイバル”前なのか、まだ“リバイバル”していないのかということを常に頭に入れながら悟を演じたのが、今回印象に残っているところです。あとは、悟は漫画家を目指して、うまくいかなくてピザ屋でアルバイトしていてっていう普通の青年なんですけれども、そうやって目標を持っていてもうまくいかなくてという部分は、たぶんみんなも共感できる部分だと思います。子どもに戻ったりするシーンだったりすると、自分もまた子どもに戻ったような気分で作品を観ることができると思うので、そういったところも楽しんでいただけたらいいなぁと思っています。

IMG_4759

MC:ありがとうございます。続いて黒谷さんはいかがでしたか?

黒谷:蓮生くんの悟と古川さんの悟の両方と接しないといけないのですが、苫小牧のロケで子ども時代の悟とのシーンを撮るのが最初だったので、そこから徐々に母親の気持ちとか、このドラマの雰囲気を肌で感じて、それから大人の悟に出会ったので、撮影の順番としては私のなかですごく助かりました。蓮生くんの年齢(の子ども)の母親役はやったことがあるんですけど、古川さんの29歳の年齢の母親役は今回が初めてになると思うので、最初のほうはどうしようかなと思ったのですが、苫小牧のロケがあったので、その延長線上できちんと出会えた感じがしています。

MC:ありがとうございます。続いて優希さん、どうでしたか?

優希:愛梨ちゃんは、素直で思ったことを口走っちゃう性格で、そこは私と重なるなぁと思って演じていて苦労はなかったんですけど、愛梨ちゃんは自分が信じてほしいから誰かのことを信じるという性格なので、そこが私自身と違うところで、大人の考え方がかっこいいなぁと思いました。

MC:ありがとうございます。続いて白洲さん。

白洲:僕自身がこの原作の大ファンで、特に賢也のファンだったので、今回この話をいただいて本当に嬉しかったです。賢也というキャラクターは、スポーツ万能、頭脳明晰、しかも空気も読めるというか気配り上手で、いわゆる完璧なキャラクターではあるんですけど、今回は人間臭さというか、そういうものを肉付けしていって、賢也というキャラクターがとてもリアルに皆さんに感じてもらえるようにしたところがすごく意識したところです。似ているところは、僕は完璧な人間ではないんですけど、みんなで盛り上がっているところを一歩引いて見てしまうところですかね。そんな、ちょっとひねくれたところがあります。

IMG_4973

MC:ありがとうございます。それでは、幼少期を演じられたお二方にも伺いたいと思います。内川さん、どうでしたか?

内川:僕が演じて気をつけていたところは、僕の中身が29歳の大人の古川さんなので、心の中で思っている部分を表情で表現するところを気をつけてやってみました。

MC:ぜひ皆さん、ご期待ください。そして柿原さん、どうでしたか?

柿原:加代は、辛いことも悲しい状況に置かれても感じないように生きていて、誰にも心を開かなかったのですが、悟くんとそのお母さんと友達と関わっていく中で、徐々に気持ちが変わっていくという一面もある役柄です。私が演じるにあたって気をつけたことは、シーンと場面、その時に感じた気持ちを表現できるように努めました。

IMG_4879

MC:ありがとうございます。「しっかりしてるなぁ」って皆さん思っているでしょう(笑)。伝わってきます、「すごいなぁ」っていう感じが(笑)。それでは続いて監督へ質問をさせていただきたいと思います。これまで多くの反響を呼んできたこの作品の原作なんですけれども、原作が完結した後、これが初の映像化ということで、監督ご自身が意識された点はございましたか?

下山:3度目の映像化ということで、すでに世界中に『僕街』ファンがいて、コミックと映像を含めてかなり期待が高かった部分に関しては、自分がまずやっぱり心がけたことは、ファンを裏切らないこと、そしてせっかく動画になるのであれば、やっぱり先生(原作者の三部けい)の一コマ一コマを忠実にかつ空気感、体感として越えたいなと思って取り組みました。最初は予定していなかったのですが、先生の舞台として描いた場所はほとんど足を運びまして、北海道の苫小牧のほうにも一人旅をしました。一個一個の場所で「ここを先生が舞台にしてこの季節で描いたんだなぁ」と思って、すぐ東京のプロデューサーに電話して、「これは苫小牧で撮らないと降りる」と(笑)、お話をさせてもらって、極寒のマイナス14度の苫小牧から、それも漫画と同じ2月から入ったんですけど、舞台に描かれている日付ともほぼ同時期に子どもたちと極寒の北海道で撮影をしました。そして極力そのリアルな体感を何とか北海道で収めていこうということで、このしっかりした二人とお母様に助けられまして、しっかりしてない監督も何とか作品を撮り終えました。そして東京に帰ってきてからは、大人の皆さんとタッグマッチで、古川くん、皆さん、非常にしっかりした俳優さんたちにこれまた助けられました。やはり動画でやるという意味では、“リバイバル”のシーンを何とか映像としてきっちり表現したいということで、かなりその後の仕上げの作業もチャレンジしました。そして今日皆さんご覧になると思うんですが、Netflixさんは今回4K、サウンドは5.1chという非常にハイスペックなクオリティで、技術的な要求をして、向こう10年間、この『僕街』が世界中で最新の最高のクオリティで観られることにということで、日本で考えられる最高のスペックで撮影をして仕上げをしました。家で観るときはテレビやパソコンだと思いますが、今日は5.1ch、4Kのオリジナル版で、日本映画もこのスタイルではなかなか上映していないんですけど、皆さんはこの状態で世界で観られる唯一のお客様です。これから30分、楽しみにしてもらえればと思います。

MC:監督のこだわりがいっぱい詰まっていますが、皆さん、本当になかなかないチャンスですよね。こんな大きなスクリーンで観られることは。

下山:そうなんですよ。負けてないと思いますよ、普通のスクリーンで観る映画に。今日ご覧になったものもご自宅帰ったら12倍楽しめるということで(笑)、来週の世界配信を皆さん楽しみにしていてください。