【全起こし】蒼井優&白石和彌のネタバレ回避「松坂桃李がエロい、水島は最低」で乗り切った!? 映画『彼女がその名を知らない鳥たち』大ヒット御礼トークショーレポート全文掲載!

MC:実は私、先日『凶悪』を見直したんですけど、これまた本気でクズしか出てこないので(笑)、ぜひ皆さん、これに興味を持っていただいたら、白石監督の過去作『凶悪』を、ぜひご覧ください。蒼井さんは、白石監督の作品は全部ご覧になられましたか?

蒼井:全部ではないですけど、もちろん『凶悪』は拝見しましたし、あと、トイレの話…。

白石:『女子の事件は大抵、トイレで起こるのだ。』。

蒼井:はい(笑)。

白石:ありがとうございます。

MC:そして、この映画でまたクズかよっていう。

蒼井:そうですね、またなんかちょっと毛色の違うクズが集まってる感じが(笑)、ありますけど。

MC:クズを撮らせたら白石監督。

白石:でも、人間誰しもがいい人もいれば悪い人もいるんですけど、いい人もクズな部分って持っているじゃないですか。僕もそれを、いろんな人を見ていたり、話していたりして、すごく感じるんですよね。なので両面をなるべく出そうと、いつもどんな作品を撮る時も考えているんですけど。ちょっと多めにクズをフューチャーしてしまうってことなのかもしれないです。

MC:蒼井さんにお伺いしたいのですが、この映画の結末で陣治を失ってしまいますよね、十和子が。もし、この後も物語があったとしたら、十和子はどんな人生を歩んでいると思いますか?

蒼井:それが、私も分からなくて、現場でも皆んな「この後、十和子ってどうやって生きていくと思う?」って言っていたんですけど。意見が分かれるんですよね、陣治のことをさっぱり忘れて、陣治に家も買ってもらってるんですよ。保険も入るし、結構悠々自適とまた新しい恋を始める図太さがあるんじゃないかという意見と、私はすごく苦しむと思うんですよ。実は陣治が死んでなかったという説も(笑)。

MC:そのオチ!?

蒼井:あの…向こうって映ってないじゃないですか。実は陣治がしがみついていて…(笑)、って可能性もなくはないなと思って(笑)。

MC:もしかしたら壁とか木にへばりついているかもしれない!?

蒼井:陣治ですからね。

MC:監督はどう考えてますか?

白石:僕は、これは取り返しのつかない話で、本当に十和子は愚かな女だとは思うんですけど、無くなっていろいろと知っていく、気づいていくっていう。これって実は十和子だけじゃなくて、人間って皆んなそうであると思っているんですよね。(十和子は、)その極北にいるので。何か気がついた人間は、同時に何かを得ていけるはずなので、僕はずっと言ってたんですけど、十和子が年をとって亡くなる時には、陣治の力もあって「いい人生だったな」って言えるような人生を送って欲しいなと思いながら映画を撮っていましたけど。

MC:実際どうなんでしょうか? 一番最初に蒼井さんがおっしゃっていたように、クズはクズのまま、すごく図太くいきそうな気もしないでもないですよね?

蒼井:今日、誰かといらっしゃる方は、この後、誰かとおしゃべりしていただけると嬉しいなと思います。

IMG_7440