【全起こし】オダギリジョー「今の日本でこういう映画を作るのは革命、戦い抜こうという気持ちが強かった」 映画『エルネスト』世界最速サポーター試写会 全文掲載!

SHEILA:監督はオダギリさんを見ていかがでしたか?

阪本:あんまり見ていないです。彼が日本にいる時から相当な準備をしていたのを見ていましたし、スペイン語や減量に関しても苦労だと思わないでやってくれる人だと思った。ゲリラのシーンからクランクインし、初めてスペイン語のセリフを聞いて「僕らにとってのフレディ」と確信できたんで、あとはフレディが演技をするときの成立の仕方、気持ちの交わしを見ていたんでオダギリ君をずっと見ていたわけではないし、僕もスペイン語を学ぼうとしていたけど、途中で頓挫したのでオダギリくんが何をしゃべってるのか全然わからなかったです(笑)。

SHEILA:ただでさえ大変な環境での撮影だったと思いますので、皆さん背景を観ていただくとより映画に対しての気持ちが深まるんじゃないかと思います。それではサポーターの皆様からの質問タイムに参りたいと思います。ゲストに聞きたい方、挙手をお願いします。

質問者:阪本監督に質問があります。この度オダギリジョーさんと三度目のタッグとなりますけど、監督から見るオダギリジョーさんのここはすごいと思うことがありましたらぜひ教えていただきたいです。

阪本:映画を観たら凄いとしか思えないです。観返した時に自分が監督としてどうしようとしたかっていうより、オダギリがすごいっていうのが一番の感想です。観てください。普段から飲みに行く仲で、彼が「越境したい、生まれ変わりたい」と言っていたので、「もうピッタリの企画があるよ」ってことです。やっぱり長く俳優やって一周回ってもう一度自分の立ち位置とか、越境って意味じゃなくて、何かもう一つ向こうに行きたいっていう時期だったし、それとフレディ前村さんのことをずっと取材していると寡黙で許すものとそうでなものの境界線がはっきりしていて、じゃあ思想に固く閉じているかというと学友との交流もあり、反対意見の人とも交流がありというフレディの資質を聞くと普段のオダギリをすぐさま想像できたんですよ。だからすごさは観ていただければわかります。ここでしか言いません。本人には俺は言わない(笑)。これはすごいですよ。日本人の血が流れているとはいえ、日系の方と日本人は全く違いますから。それでチェ・ゲバラもそうですけど私はラテンアメリカ人であるという物言いをしますよね。フレディ前村もそうなんです。そこの共通点が僕は見えたし、フレディが一介の医学生でありながら、その世界的な視野としてはラテンアメリカを見据えていたという。そこをオダギリは上手くやってくれて、セリフじゃないところも、すごいその意味を表現してくれたと思います。

質問者:オダギリさんに質問です。フレディを演じるうえでこだわった点で例えばこのシーンのここは観てほしいとか、ネタバレにならない程度に教えていただきたいんですけども、
お願いします。

オダギリ:ネタバレって言って5分後には観るわけですからね。全部のシーンを本当に気合を入れてやったつもりなので選べないですけど、僕が好きなのは僕が出ているシーンではないですけど、キューバ危機が起きた時に町の人たちがろうそくを持って集まるシーンがあるんですけど、あのシーンは本当に感動しましたね。今から観る人たちに向かって感動しましたよっていうのはよくないと思うんですけど、僕は心を打ったシーンでしたけどね。皆さんが感動する必要はないんですけどね。強要しているつもりはないんですけどね。僕がいなかったから余計に客観的に観られたのかもしれないですけど、あのシーンは本当にいやすごいパワーだなと思いました。ちょっと質問の答えになっていないですけどお許しください。

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