八雲:ありがとうございます。さて、ということなんですが松崎さん。映画のほうも公開されて。
松崎:はい。おととい初日に観に行きました。
八雲:そうなんですか。映画館のあの大きなスクリーンで。そしてこのドラマ「予兆 散歩する侵略者」両方観るとなおさらなんですけど、いろいろと思うところあるんじゃないかと思うんですけど。
松崎:そうですね。映画版を観たばかりなので感想を言うと、今皆さんがご覧になったドラマ版と比べるとドンパチとか大爆発とかある一方で、ドラマ版は静かに始まったと思うんですよ。ただスピンオフドラマを作る時に往々としてあるのは、予算が減ったりキャストが地味になったりってことがあるんですけど、この「予兆 散歩する侵略者」は映画版と対になってる作品になっていて、2本観るとさらに理解が深まるという必見の作品だと思います。
八雲:2つで1つの作品っていうところもありますよね。
松崎:あまり詳しくは言えないんですが、想像していただいて。
八雲:ということでスピンオフドラマを製作なさった。
松崎:その経緯を監督にお聞きしたい。
黒沢:経緯ですか? まあ「スピンオフやらないか」って言われて(笑)。映画のほうは原作を10年以上前に読んでやりたいなと思っていて、昨年の夏にようやく撮影に入れたんですけど、設定は僕が作ったわけじゃなくて劇団イキウメの前川さんが考えた設定がありまして、これ本当に秀逸な設定なんですね。映画版はもちろん前川さんの原作で非常に豊かな表現要素が入ったものとして出来上がってるんですが、この設定をそれだけで終えるにはもったいないなと思っていたのです。それは僕だけじゃなくてプロデューサーも同じように思っていたらしくて、映画の撮影が始まるちょっと前ですかね、設定だけが同じで全然別なストーリー。例えば映画はある街で行われるストーリーなんですけど、その隣の町ではほぼ同じ時に何が起こっていたか、そういう発想で何かもう一本作れないかということで、とんとんと進んだのがこの「予兆 散歩する侵略者」でした。
松崎:この作品に参加してみて感想があれば夏帆さんから。
夏帆:私は黒沢組に参加したのが初めてだったんですけど、とにかく緊張してました(笑)。ずっと憧れていて、黒沢組に参加するのが1つの目標でもあったので、初日は自分でもしっかりしよう!と思うほどフワフワしていて。緊張感はあるんですが萎縮してしまうようなものではなく、気持ちのいい現場で本当に楽しかったです。
松崎:染谷さんはいかがでしたか?
染谷:楽しかったですね。
松崎:参加二回目ですよね。『リアル~完全なる首長竜の日~』以来。
染谷:そうですね。『リアル~完全なる首長竜の日~』から早5、6年たちまして久々に黒沢さんの。なんか楽しかったんですよね。楽しかったんですよ(笑)。日々起きていることが面白いですし、黒沢さんがこうしてくださいってポロっていう一言が面白くて楽しかったです。