映画『ハローグッバイ』のトークイベントが、7月19日、渋谷・ユーロスペースにて行われ、本作出演の小笠原海（超特急）と菊地健雄監督が登壇した。今回はそのイベントの模様を全文掲載でお届けする。

本作はそれぞれ心に問題を抱える、クラスの中で交わることのない2人の女子高生が、ある認知症のおばあさんと出会い交流することで、時にぶつかり、認め合いながら一歩前に進んでいく姿を描いた青春ストーリー。

主人公の1人はづきの元彼・尊役を演じたのが現在人気沸騰中の音楽グループ、超特急のメンバーである小笠原海。元カノはづきの友達と現在は飄々と付き合っているのに、不思議とどこか憎めない等身大の男子高生を好演している。

MC：お待たせしました。小笠原海さん、菊地健雄監督です。皆さん拍手でお迎えください。

菊地：こんばんは。本作の監督を務めます菊地健雄です。夏の暑い最中こんなにも多くの、しかも若い女性が多いのですごい緊張してます。待ちに待った日がやって参りました。今日は短い時間ですが、楽しんでいってもらえたら嬉しいです。よろしくお願いします。

小笠原：小笠原海です。ちょっと緊張しているんですけど、男子2人ということで楽しんでいければいいなと思っています。今日はよろしくお願いします。

菊地：いやこれまずいですね。この映画の撮影現場自体、女の子の話だったんで女子多かったじゃないですか。

小笠原：めちゃめちゃ多かったです。女子しかいなかったです。

菊地：僕ら2人ね、男同士どうする？ みたいな（笑）。そんなノリだったんですけど。今日はそれが再現されたなって。（観に来てくれているお客さんの中で）男の方ってちなみにどれくらいいるんですか？

小笠原：おお…、いらっしゃいますね。嬉しいですね。ありがとうございます。

菊地：大歓迎です。男子の方も。ということで、まずはせっかくなんでありきたりですけど、完成した映画を観てどうでした？

小笠原：もらった脚本とまた違うなって思いましたね。なんかもっとより瑞々しいというか。甘酢っぱいというか。そういう感じがすごい出てるなって感じましたし、（萩原）みのりちゃんと（久保田）紗友ちゃんの目が印象的で、目で語るというか、すごい印象的だなって思いました。

菊地：そういう意味で僕のところに届いている感想でいうと、尊の目もすごい印象的っていう。

小笠原：本当ですか？（笑）

菊地：ただ個人的にはキャスティングの段階で、ある種ひどい役じゃないですか。

小笠原：まあまあまあそうですね。

菊地：キャスティングしていいのかなと思って。最初マネージャーさんに「本当に大丈夫ですか？」って聞いたくらいなんですけど。僕の中では問題は起こしているんですけど、あんまり嫌な奴っていうよりは、等身大の男の子で、高校生の頃の自分を思い出しても「バカだったな」っていう思いがあるので、天真爛漫さを残しつつ、等身大の男の子を演じられるんじゃないかと、海君と初めて会った時に思ったので。本当に外れてなかったなと思ったんですが、最初どうでした？台本見た時、「これかあ～」とか思わなかった？

小笠原：「これかあ～」とは思わなかったですよ（笑）。演技っていうものをちゃんと真っすぐ向き合ってやったことがなかったので、普段超特急でやっている小笠原海とはまた別で、小笠原海でやることが初めてだったので、どうすればいいんだろうなって単純に思っていましたね。

菊地：最初リハーサルをやらせていただいたんですが、一発目のリハの時みのりちゃんと芝居してもらったんだけど、結構緊張してた（笑）？

小笠原：あああもう（笑）。“もう～～”でしたよ。

菊地：みのりちゃんが見たら「手が震えるくらい緊張してた」っていう。

小笠原：そんなに緊張していました？（笑）

菊地：結構意外だなって。普段ライブとかではすごい大勢のお客さんを、僕も何回か拝見したんですけど、すごい熱量じゃないですか。あれに慣れている人が数人のリハーサルでも緊張するもんなんだなって、やっぱ違う？

小笠原：全然違いますよ。なんなら今も手冷たいですよ。（会場爆笑）

菊地：今も緊張してる？

小笠原：緊張してます。

菊地：そうか。こういうトーク自体ない？

小笠原：ほぼ初ですね。

菊地：役者、小笠原海の初トークイベントって貴重ですよ、皆さん。（会場拍手）僕も本当に嬉しいですね。この場に立ち会えて。

小笠原：ありがとうございます。本当、緊張しましたし、本当にどう読めばいいんだろうっていう、そのレベルですね。

菊地：リハーサルをやる中でどんどん変わっていったなって印象があって、どうでしたリハーサルの感じっていうのは？

小笠原：はづきの元彼っていうことで、はづきと付き合っていた時の距離感とか温度とかから入ったじゃないですか。それで全然感じ方が違うなというか、はづきとセリフを読み合わせている時の自分の心の動きもそうですし、目のやり場とかも変わった。

菊地：皆さんに説明をしておくとですね、台本っていうのは、今日皆さんが見ていただいた部分しか書いてないわけですね。だからまず“本読み”っていって、本の読み合わせをしていくんですけども、当然その前に何があったかっていうのは想像してもらうしかないわけですよ。それをより豊かにより深くやるために、ちょっと普段はやらないような、お互い目を閉じてもらって、お互いの気配を感じたとこで止まってもらう。そうすると最初はすごい遠いところで止まっちゃったりするんだけど。それがだんだんこう距離が縮まるっていうのを感じてもらったり、そういうところから初めて作り込ませていただいたというか。尊が立体的になったなっていうのがあって。さっきも楽屋で話してたけど、尊の目が印象的だよねって話でいうと、タコス屋さんの前で、はづきが店を出ようとすると、瞳と尊が来るじゃないですか。あの時瞳が先に入ってちょっとすまなそうに気持ちに観えるんですよね。ああいったところとか上手いなっていうか（笑）。同じ男としては、めちゃめちゃ共感できるっていうか。こんな状況になったら、もう吐いちゃうよなって。

小笠原：見るしかないですよね。

菊地：そこらへんも現場で話し合いながらやらせてもらったんですけど、絶妙にやってくれたなっていう。

小笠原：ナチュラルに手を放すところとか。

菊地：ね（笑）。

小笠原：すごくナチュラルに外してそのままスマホいじるみたいな。（笑）

菊地：ちょっとバツが悪そうにね。

小笠原：全然画面開いていないですからね。ただ触っている風みたいな。

菊地：ふりをしているね。あれもよかったねあれも。ちょうど一年前くらいですよね。

小笠原：ちょうど一年前ですね。

菊地：暑かったですね。

小笠原：暑かったですね。

菊地：初日が生物室で、はづきと結構大事な会話をする場面ですっごい汗かいてましたよね。

小笠原：夏の暑さじゃない汗でしたよ。（会場爆笑）

菊地：あれ、緊張だったの？

小笠原：初日でいきなりあんな大事なシーンだったんで、なんかじっとりとぎっとりと。

菊地：（笑）。普段だと「尊の役で自分と似ているところある？」って聞きたくなっちゃうんですけど、全然似てないと思うんだよね。だから逆に俺たち男子じゃないですか。高校時代ってどんな学生だったんですか？

小笠原：わりと現場に近いような感じではありました。男子がクラスに7人しかいなくて、あと20数人は女子だったので。

菊地：女子が多い学校なんだ。

小笠原：そうですね。感覚的にはそうですね。男子少ないんで。少ないけど割と中心にいる感じではありました。

菊地：はづきと葵で言うと、はづきに近かった？

小笠原：そうですね。

菊地：わりと目立つグループにいてっていう？

小笠原：うるさかったんで。

菊地：うるさかったんだ（笑）。まあ劇中でもうるさいもんね（笑）。「バスケやろ！バスケ！」って。（会場爆笑）

小笠原：「バスケしかねえ！」って言ってましたもんね（笑）。

菊地：あれってアドリブだよね（笑）。

小笠原：アドリブです（笑）。（会場爆笑）

菊地：あれ、すごい絶妙なアドリブだったなって。

小笠原：「バスケのことだけ言って」って言われて、どうしようと思って。あの流れでふと出たのが「俺にはバスケしかねえ」。（会場爆笑）

菊地：あの場の尊は、なんかいいよね。

小笠原：超薄っぺらいですよね。

菊地：ちなみにバスケってやってたの？

小笠原：やってないです。（会場爆笑）サッカーです。

菊地：そうですか。素晴らしいアドリブでした。超特急は高校生の頃から始まってた？

小笠原：高2ぐらいですね。

菊地：その当時から結構ダンスとか必死に取り組んでいる感じだったの？

小笠原：そうですね。平日はリハーサルがあって、週末にイベントがあってっていう感じだったんで。高3の時は申し訳ないですけど、結構授業寝ちゃってましたね。

菊地：まあね寝るよね。高校生の時は。

小笠原：どんだけ寝ても眠いんですよね。

菊地：よく寝ていましたよ。教科書立てて。

小笠原：僕はちゃんと寝てました。（会場爆笑）

菊地：堂々と寝てたの？

小笠原：本当に申し訳ない。テストだけ頑張るから許してって。

菊地：なるほどね。素晴らしいね。俺は結構小心者だったから見えないように隠してやっていたけど、そこがちょっと器の差かな。

小笠原：いやいやいや、全然違いますよ。

菊地：ハマってた趣味とか、学校とか仕事以外に。高校時代、どんなことして遊んでたんですか？

小笠原：高校時代は友達と放課後に原宿とか行って服を見たりとか。無意味にカフェにいましたよね。（会場爆笑）皆もわかるでしょ？絶対。無意味にカフェにいるの。どっかのコーヒーショップとか無意味に二時間くらい居るんですよ。だべってるんですよ。

菊地：それは俺らの頃から変わってないよ。

小笠原：皆、好きですよね。

菊地：ファミレスとか行って特に何するでもなく無意味にいますよね。なるほどね。もう一個聞きたかったのが、話しを戻して映画の話するんですけども、どうでした現場は？ どちらかというと、はづきと多かったし、さっきも言ったけど女子だらけじゃないですか。俺も正直目のやり場とか…。

小笠原：目のやり場？（会場爆笑）

菊地：いや困るわけですよ。皆、キラキラしててね。入って行きにくいなっていうのもあったけど、（小笠原海は）結構すぐその輪に馴染んでいたように見えたけど。

小笠原：撮影に入る前の話だと、「（皆の中に）積極的に入って行って、引っ張ってほしい」って言ってたじゃないですか。

菊地：ああ言ったね。言った、言った。

小笠原：積極的に入っていって引っ張ってほしいみたいな感じだったじゃないですか。

菊地：言ったね。

小笠原：めっちゃ引っ張ってやろと思ったら、めちゃめちゃいじられるっていう。（会場爆笑）

菊地：「男で話しやすいから、引っ張ってね」って言ったわ。

小笠原：言われたのは覚えていたんですけど、ごめんなさい。達成できませんでした。

菊地：でもイジられることで、女子同士だと、これまた語弊がある言い方だけど、距離感あるけど、男の子の海君が一人入ることで、しかもある種一番お兄さんだったりするし、年齢的にも。いいバランスで皆が回ってたなっていうのは感じてて、海君がいると俺も入って行きやすいっていうか。

小笠原：ああ本当ですか。じゃあ、逆によかった。

菊地：俺はすごい助けられましたね。

小笠原：いじられましたね～。

菊地：ずっと、「うみ君、うみ君」言われて。（会場爆笑）

小笠原：皆さんの想像以上にイジられていますからね（笑）。苦ではなかったですけど、現場の雰囲気が楽しかったから。全然その場にいなかった紗友も、途中から入ってくるみたいなのもありましたからね。横ヤリのイジりみたいなのが入ってきて、「えっ、そこから来るの？」みたいな（笑）。

菊地：でも、その結束感もいいチームワークになってたよね。

小笠原：全体でクラスのグループみたいな感じで、雰囲気も楽しかったですね。

菊地：撮影でいうと、初日と撮影を終わらせる日に学校のシーンを撮っているんですよね。学校のシーンいくつかあって。間が開いて、タコス屋さんとかいろいろ来てもらったりしたんだけど、学校のグループって
意味では最初と最後なんで、間が開いちゃうから、その感じを戻すのが結構大変かなって。最終日、若干不安に思ってたんだけど、海君が来ることで皆が海君をイジりだして、距離感みたいなものが復活するっていうのは、これ今後も使えるなって（笑）。

小笠原：使ってください、ぜひ（笑）。

菊地：お願いしたいなーって。こういう作品まだまだいけると思うんで。いけますよね高校生（役で）？

会場：いける!（拍手）

菊地：大丈夫。あと三年くらいはいける。だって妻夫木聡さんとか『69 sixty nine』で多分26、7くらいだから。

小笠原：そうなんですか。

菊地：だから、まだいけるよ。もう少し。そういうのもやりつつ、ほかの役でもね。俳優の小笠原海っていうのを、どんどん見ていきたいって思ってて楽しみですね。

小笠原：めちゃめちゃ現場が楽しくて、これきっかけで演技が楽しいなって思えたので。

菊地：演技がね。

小笠原：そうですね。だからすごくいい作品に出会えたなと思いましたね。

菊地：話が前と重複しちゃうかもしんないけど、結構パフォーマンスもすごく熱量持ってやっているじゃないですか。俺なんかあんなに動いたら、次の日多分動けないと思うけど。その海君がお芝居となると、またちょっと違いますか？

小笠原：違いますね。どう違うか、説明しづらいんですけど。自分であって自分でない感じとか。

菊地：現場で言ったかもしれないけど、別の人をもう一度生きなおすっていう感じもあるかもしれないですね。とはいえ今回は尊なんだけど、やっぱり海君がやっている尊でしかないっていうか。入り方がすごい上手い人だなって思ったんですよね。

小笠原：ありがとうございます。

菊地：最初、緊張してきて「大丈夫かな」って思ったけど、一回はじけたら、「ああ、全然尊になってる」って、そういう時期があって。

小笠原：はじけたきっかけ、（萩原）みのりちゃんとの距離感とかもそうなんですけど、そのほかにも、はづきと付き合ってた時の放課後デートの時とか、瞳と付き合ってる放課後デートとか、色々なパターンをやって、その時の尊はこういう気持ちだったんだろうって考えるのがすごい楽しくて、相当はづきの尻に敷かれてるなとか。（会場爆笑）

菊地：確かに。エチュードの時とかって台本を特に決めないんですね。「こういうシチュエーションで、はづきと尊がいますと。じゃあ、やって下さい」って僕は丸投げをして、楽しんでいるだけなんですけど。確かになんか負けてくるっていうかね（笑）。

小笠原：どうやっても勝てないんですもん。

菊地：あともう一個練習でやったのが、どっちかが好き、どっちかが嫌いっていう言葉しか言っちゃいけなくて、どこかで「この人嫌いだな」って思ったら「好き」って言ってても「嫌い」って言わなきゃいけない。ただどこかで終わらせ方を作ってもらうっていうエチュードがあるんですけど、それをやった時に海君、すごい面白くて。結構負けるんだけど負けっぷりが見事（笑）。

小笠原：ちゃんと負けてましたもんね。

菊地：ちゃんと負けてたね。ある瞬間、「ああ可愛い、好き」みたいに（笑）。その辺の素直さが本当に役者に向いてるなというか。

小笠原：でも僕一個だけ勝ったの覚えてるんですよ。望月瑠菜ちゃんとやっと会って、僕がずっとバナナって言い続けるっていう。

菊地：チョコとね。

小笠原：チョコと僕バナナって言い続けて、これは絶対負けないっていう。バナナに対する愛情は俺が一番強いと。チョコを聞いてくるからそんなのバナナって言って（会場爆笑）。バナナ推し。バナナでつぶしていましたよね。

菊地：その時は鬼気迫るものがあった。ほかはお兄さんキャラで負けてあげるみたいのあったけど、バナナの時は半端なかったね。

小笠原：僕のバナナに対する熱量。

菊地：そういうことだったんだね。いや面白かったですね。

小笠原：エチュードとかも楽しかったですよね。

菊地：ゲームみたいなことをやりながら役に入っていけて、チームワークもできてきたのが良かったですね。

小笠原：そうですね。

菊地：どうですか皆さん。よかったですか？
（会場拍手）

菊地：冒頭でも言いましたけど、8号車（超特急ファン）の皆さんと観るのが本当に怖くて…。大丈夫でした？許してくれる？
（会場拍手）

小笠原：僕は根っから悪い奴じゃないんでね。

菊地：そうそう。どっか海君がやるから、やってることはひどいけど、どこか愛嬌のある奴にしたくて、なんかそれは出てるんじゃないかなと思ってるんですけど。ねえ。大丈夫ですよね？

小笠原：でもあれはナチュラルですよね。尊のあれは。なんの悪気もなくパッと言って、言った後に「ああ、まずかったかな」って思うし。

菊地：タコス屋さんのところも結構、反省している感じとか出てるしね。お土産もね。

小笠原：お土産も。どうしようもないですね。

菊地：でも、結構男の俺からすると、尊みたいな奴って仲良くしたくなっちゃったり。ねえ。

小笠原：なんか変な魅力がありますよね。

菊地：女性からしたらちょっと近づきたくない感じかもしれないけど、俺は結構ああゆう奴に弱いかなっていうか。自分がそんな明るくできないから、尊みたいな人がいると自分の生活も華やぐというか。バカだなっていうのもあったり（笑）。でも本当に恐ろしいのは望月瑠菜ちゃんと松永ミチルちゃんが「尊、バカだな～」って言って笑ってるんです。

小笠原：怖すぎる。

菊地：あれ、やっぱ女ってすごいなって思いますよね。

小笠原：あの2人が実は一番怖いんじゃないか？

菊地：本当は、裏でね。

小笠原：けしかけて。

菊地：実はボスみたいなね。

小笠原：めっちゃ怖い、あんなの。本当ヤダ。本当怖いっすよ。一番怖い。

MC：すみませんそろそろお時間が。お一方ずつ、今日は観ていた方に、どんなことを伝えたいか、あるいはどんなことを感じてほしいかっていうメッセージをいただけたら。監督から。

菊地：観ていただいた通りの、僕としては本当に若いキャスト、海君をはじめ、主演の萩原みのりちゃんだったり、久保田紗友ちゃんだったり、岡本夏美ちゃん、松永ミチルちゃん、望月瑠菜ちゃんたちに助けていただきました。高校時代っていうのは20年以上前のことになってしまって、でも必死にその記憶を掘り起こしながら、若いキャストと向き合う中で自分でも忘れていたことがどんどん蘇ってくるっていうのは、結構不思議な体験でした。本当に今の海君だったり、みのりちゃんだったり、紗友ちゃんだったり、その他出ている若い俳優たちの今のドキュメントとしても観てもらえるような、今僕から見た彼らの魅力を作品に込められたらいいなっていう思いで作りました。それでありがたいことに多くの人に観ていただいて、色々な感想をいただけるんですが、作った自分で言うのもなんですが、本当に色々な観方ができる作品になったんだなという実感というか、感慨があります。二度三度観ても気づく部分、海君もよく観ると本当に細かいお芝居をしてくれているので、ぜひぜひ何度も見ていただきたいです。あと皆さんに毎回お願いしているんですが、海君をはじめ出てくれた若いキャストだったり、ベテランから出ていただいた素晴らしいキャストの皆さんが愛を持って育てていただいて、こうして公開の際にもこの映画を一人でも多くのお客さんに届けたいという気持ちでやっております。観ていただいて何か心に残ることだったり、いい感想も悪い感想も「監督、海君をあんな役で使いやがって！」とかでも全然大歓迎なんで、いいことも悪いことも含めて、皆さん声をあげていただくとこの映画を色々な人に届けられると思います。今日発表されたんですが7月の後半と8月頭には昼の上映も決まりました。次は上映延長を目指して8月もやっていけたらと思っていますので、ぜひぜひそういった声を届けていただけたら嬉しく思います。ありがとうございました。

小笠原：撮影はちょうど一年くらい前になるんですけど、8日間という短い撮影期間の中、キャスト全員が一心に全力を注いで完成した映画が遂に公開します。たくさんの人に足を運んでいただいて、今日来ていただいてたくさんの方に観ていただけたらいいなって思います。観終わった後に少しあったかい気持ちだったり、優しい気持ちだったり、ふと友達に連絡してみようかなっていうきっかけになればと思います。皆さん、監督も言っていますが二度三度劇場に足を運んでいただいて、細かいところに注目していただいて、楽しんでいただけたらいいなと思います。ありがとうございます。

『ハローグッバイ』
7月15日（土） 渋谷ユーロスペースほか全国順次公開
監督：菊地健雄
脚本：加藤綾子
主題曲／音楽：渡辺シュンスケ (Schroeder-Headz)
出演：萩原みのり　久保田紗友　渡辺シュンスケ　渡辺真起子　小笠原海（超特急）　岡本夏美　松永ミチル　望月瑠菜　桐生コウジ　池田良　川瀬陽太　木野花　もたいまさこ
配給：アンプラグド

STORY　高校ニ年生の夏。はづき（萩原みのり）と葵（久保田紗友）は、同じクラスにいながらも友達ではない正反対の二人。「いつでも相談のるからね」「うちら味方だし」そんな言葉が飛び交う友達グループにいて、クラスでも目立つ存在のはづきと、それとは対照的にいつも一人ぼっちで、はづきたちに厄介事を頼まれては断れずにいる優等生の葵。そんな二人には、それぞれ誰にも言えない秘密がある。はづきは元カレとの子供ができてしまったかもしれないことを一人悩み、葵は忙しくて家庭を顧みない両親への寂しさを紛らわす為に万引きを繰り返していた。
ある日の学校帰り、葵は一人の認知症のおばあさん（もたいまさこ）とぶつかってしまう。そこを偶然通りがかったはづき。二人は道に迷ったおばあさんを家に一緒に送り届けることに。やがて、世代を越えた不思議な「友達」関係が始まる。
懐かしそうに、あるメロディーを口ずさむおばあさんが、想いを伝えられなかった初恋の人へしたためたラブレターを大切に持っていることをはづきと葵は知る。二人はそのラブレターを渡すため、おばあさんの初恋の人を一緒に探そうと決心する…。

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