【全起こし】夏帆✕満島真之介「毎日、血だらけでシャワーの取り合い」!? 園子温監督作『東京ヴァンパイアホテル』完成披露試写会

Amazonオリジナル番組『東京ヴァンパイアホテル』の完成披露試写会が6月16日、東京・汐留にて行われ、出演者の夏帆、満島真之介、監督の園子温が登壇。撮影時のエピソードや裏話を語った。そのイベントを全文掲載でお届け。

本作は、地球と人類の滅亡を図る吸血族と、人類の戦いが描かれ、園子温監督にとって初のオリジナル脚本となるドラマシリーズ。主演は本作が初の本格アクションとなる演技派女優・夏帆、そして各方面で活躍し現在注目株筆頭の満島真之介、新人発掘の名手園子温が育て上げる注目女優・冨手麻妙、2役の怪役を演じきる安達祐実、園子温監督夫人であり常連の神楽坂恵ら実力派キャスト陣が脇を固める。

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MC:これより園子温監督、夏帆さん、満島真之介さんをこちらのステージにお呼びして、本作の魅力をたっぷりお聞かせいただきたいと思います。それではさっそくご登場いただきましょう。みなさま大きな拍手でお迎えください。K役の夏帆さん、山田役の満島真之介さん、園子温監督です。それではみなさんに一言ずつご挨拶をいただきたいと思います。まず初めに夏帆さんよろしくお願いします。

夏帆:皆さんこんばんは。夏帆です。たった今観終わったってことですよね。

MC:そうです。1話から3話までご覧いただきました。

夏帆:本当に過酷な現場だっただけに、配信日を迎えられて本当にうれしく思っています。短い時間ですが楽しんでいってください。

MC:満島さんお願いします。

満島:満島です。今日はありがとうございました。焦らされますよね。最後までみたいですよね。僕思ったんですけど、3話までここで観て4,5,6,7と家で観るわけじゃないですか。後半の方がすごいのにショボいとか思わないでくださいね。一回スクリーンで観てるから。そう思わないように(笑)。

園:モニター、大きいの買えばいい。

満島:そうですね。アマゾンでクリックでしょ(笑)。はい、よろしくお願いします。

MC:園監督、一言ご挨拶お願いします。

園:皆さん今日はこの『東京ヴァンパイアホテル』に駆けつけてくれてありがとうございます。こういう大きなスクリーンで観たことがないんで、皆さんと一緒に観たかったなと思います。今日はよろしくお願いします。

MC:ありがとうございます。どうぞお座りください。

満島:(椅子を見て)これアマゾン(で売ってる)椅子ですか?(会場笑い)

夏帆:え、どうゆうこと?

満島:違いますね。ごめんなさい。いちいち言い過ぎてる(笑)。

MC:PRありがとうございます。

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MC:それではまず監督にお聞きします。本作は初のオリジナルの脚本のドラマシリーズと聞きしていますが、本日皆さんにご覧いただいた一話から三話もかなり衝撃的な内容でしたが、この物語の着想はどうやって生まれたんでしょうか?

園:ちょうど今頃なんですけどルーマニアにトランシルバニア国際映画祭というのがありまして、去年トランシルバニア国際映画祭で園子温レトロスペクティヴ、園子温特集上映ということで過去の僕の作品を特集するイベントがありまして、以前からドラキュラが好きでルーマニアに行けるということで映画祭もさることながらルーマニアに行きたいという感じで去年行ったんですね。映画祭の暇を見つけては、ドラキュラ城とか本当にありますからルーマニアには本当のお城とか。そういったものをある意味ロケハンとして回ったんです。そしてルーマニアで映画撮りたいなとモヤモヤしてきて、それでルーマニアから帰ってきて、箱根にある富士屋ホテルという昔からのホテルがあるんですけど、そこに泊まったんですけど、こういう変わったホテルで従業員全員ヴァンパイアだったら、ルーマニアみたいなところに地下でつながってて、そこに人間たちが肥料として置かれているのとか、そういうのどうなんだろうなと思っていたら、ちょうど日活さんというかアマゾンさんの話がありまして。それでやってみないかということになった、という理由です。

MC:じゃあ長年やってみたかったことのチャンスが回ってきたということですね?

園:そうですね。ヴァンパイアのものが撮りたかったので。

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MC:ありがとうございます。お二人は脚本を読まれてどんなことを思ったんでしょうか。まずは夏帆さんよろしくお願いします。

夏帆:台本を読んだ感想って難しくてですね、というのも撮影が始まった当初台本ができてなかったので、撮影をしながら台本を書き進めていくという感じだったので、現場で生まれたことを大事にやっていたということですね。

MC:ヴァンパイアものに出演されるという点についてはどうだったでしょう?

夏帆:嬉しかったです。また園さんとご一緒したいと思っていたので、以前『みんな!エスパーだよ!』という作品でご一緒させていただいたんですけど、その時、園さんは総監督で、ほかにも監督はいらっしゃったので、いつか園さんとご一緒できたらいいなと思っていて、もう勝手に呼んでもらえないんじゃないかと思っていたので、今回声をかけていただいて本当にうれしかったです。

園:すごいばっちりハマってたのでびっくりしました。

夏帆:嬉しいです。

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満島:僕ですね。僕は皆さんご存知かもしれないですけど、18で沖縄から出てきた時に園さんの雑用というか助監督をしてまして、作品何本もやったわけではないんですけど、脚本作りの場に一緒にいたりとか、2人で二股のヘッドフォンで夜な夜なパンクバンドの曲を聴いたりして、最初イヤホンがなかったんでガンガン流してたら近所迷惑だって怒られたりとか、全部僕が対応したり、(園の)生活から持ち物まで全部把握していた10代の頃がありまして、僕はまだ役者やるなんて思ってもいなかたんですけど。

園:助監督やってるとき舞台が豊橋だったんで、豊橋はすごい知ってて。彼女も豊橋。

夏帆:私も豊橋に一カ月いたのでドラマで。

満島:豊橋で『ちゃんと伝える』というAKIRAさん主演の映画はずっと助監督で入ってて、商工会議所とかいろいろ回ってたんですけど、今日一話に銃撃戦があったと思うんですけど、あれ豊橋で撮ってたんですけど、商工会議所のおばちゃんたちが来て八年ぶりか九年ぶりに会って、あの扮装で血まみれになってて、「ああ満島くん本当に変わっちゃったね」って(会場爆笑)

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満島:いや待ってくれと。これは今役者だからやってるんだよって言ったら、「よかった。芸能人って本当におかしくなっちゃうんじゃないかと思ったよ」って。(会場爆笑)いやいや、豊橋の人に大丈夫だよって言ったんですけど。でも本を読んだ感想というか、本をいただく前に園さんから連絡があって、僕はもう一生できないんじゃないかとか、僕がパワーのあるうちに再会したいなと思っていて、去年一回舞台を観に行った時にお会いしていつか一緒にやろうねってなってから4、5年たってからのオファーだったので、ほかの役者の方が園さんからオファーをいただくのとはちょっと違うというか、嬉しいを通り越して本当かどうなのか。東京来てからの人生が10年目に入って、一周して次のステージに行く時だなと思ったので、しかも今回監督がずっとヴァンパイアをやってみたいという話をしていたんで、昔からずっとパンクの音楽を聴いたりいろいろ題材を探しているなかで、監督がずっとやりたいなと考えていたものの中に入れたというのは大きかったので、あれだけ自由に今まで自分が開けてこなかった扉を思いっきり開けようと思って今回山田という役を演じました。なぜ山田かっていうのも後半にいろいろあるんです。そういう感じですごい嬉しかったです。

MC:ありがとうございます。なぜ監督はK役に帆さん、山田役に満島真之介さんだったのかをお話していただけますでしょうか。

園:うーん。なぜ。それ用意してなかったな。(会場爆笑)

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MC:今台本にはなかったことを聞いてしまいました。

園:第一に言うとKって役は非常に可憐な役で、いわゆる恐ろしい殺し屋みたいな人がやっちゃだめだなと思ったんですよね。イメージ的には少女の可憐な感じがほしいなと言うことで夏帆さんが出てきた。だからマッチョな殺し屋が出てくるというよりはこの人はそんなことは思われないという影がほしかったんですよね。という意味でエスパーで女子高生をやった夏帆さんにやっていただくのがいいかと思いました。満島君は友達、でも仕事ではやったことないけど、ちょっと顔がドラキュラっぽいし。でも衣装合わせの時にドラキュラっぽい格好をするとなんかハロウィンみたいになっちゃうんだよね。だから一癖ある風にしようと思ったら、あんなレゲエみたいな髪型に、全く違う方角に行っちゃったね。衣装はね。考えてたのは本当にマント着て…

満島:それほんとに考えてたんですか。

園:まあ一応ね。でもそれやるとハロウィンだなって。だからああゆう方角になった。だからなんだかすごいはっちゃけて見たことのない感じができたんじゃないかなと思ってます。

MC:ありがとうございます。またアクションも大きな魅力の一つだと思うんですけど、夏帆さんは今回初挑戦だったということをお聞きしたんですが、現場でのエピソード何かありましたらお願いします。

満島:ありすぎるよ。

夏帆:ありすぎますよね。

満島:オールナイトで話すくらい。

夏帆:話すときりがないくらい。二人の…あっでもまだ言えないんだ。三話までか、でも銃撃戦なり。ルーマニアロケにも行って。

満島:ルーマニアはぼくちゃんとまだ役決まってないけど、もう行っちゃうみたいになってもう行ってたんだよね。監督に会いたいって言ったらもうルーマニアにいますって言われて。

園:来ればよかったのに。

満島:ルーマニアに行ったら本当にヴァンパイアだと思われてちょっと大変なことになる。

園:ルーマニアで夜はさ、すごいいい感じの古い十何世紀みたいなバーがいっぱいあるんで、そこで夏帆ちゃんたちと飲もうって言ってたんだけど、忙しすぎてそんな時間なかった。もう仕事だけ。

夏帆:撮影のみですよね。初めての場所だし、すごい楽しみにしてたのにそんな時間一切なかったですね。

園:本当、労働だけして帰ってきた。

満島:ルーマニアのロケは見てないけど、それがあったからこの作品ができてるっていうのはすごい説得力あるし、あれがなければ大変なことになっていたと思うんので本当に頑張ってくれましたね。でも夏帆ちゃんは初めてアクションをやったって聞いたけど。

夏帆:刀もちゃんと持ったことない状態からスタートだったので…本当に大変でしたね。

満島:大変だったし、ほとんど前半のシーンは一緒のところはなくて、お互いそれぞれがそれぞれのドラマを行っているなかで、根底にライバルとか敵とか守るものが違ったりしますけど、3カ月くらいやってた?

夏帆:全部で4カ月?年をまたいでね。

園:僕は最後の方のカットは立てなかったから。

満島:ずっと座ってるから、園さんの人形を作ってきたのかな?って造形の人たちが。後姿を作っておいてみんなが引き締まるように作ってるのかってくらい、今こんな感じでお肉ついてますけど、痩せきってて誰よりも(園監督が)ヴァンパイアみたいだった。水もこぼすし。(会場で水をこぼし、会場爆笑)

園:なんでこぼれたの、今?

満島:足が当たったんですね。まあ血糊もこれから出てきますし、僕は園さんの映画大好きで観てると血の演出、僕は昔から園さんが自分で血糊をバア―ってやるのを見てきたので、以外じゃなかったんですけど、今回は(撮影場所が)広くて。そこに園さんがバケツでバシャーッって。で誰かがやろうとすると「待てーーー」って出てきて「ああ疲れるなーーーまだかーーー」って言って

園:皆んなずさんなんだよ。血なんか赤けりゃいいんだろって感じで床にガンガンやるから、そうじゃないって。

夏帆:私の血糊もほとんど園さんがやってくださいましたもんね。

満島:床に流れている血だったりほとんど園さんがやってくださってるんで、そこは僕の楽しみの一つであったし、なんせ僕たちはメインでヴァンパイアやってますけど、人間の方たちの入れ代わり立ち代わり何百人も毎日来るんで、しかもセットの中で撮影をしているから時間の感覚がなくなるわけですよ。朝一入って終わったらいつの間にか深夜になって昼間か深夜かわからなくなっていることがよくありましたよね。

夏帆:感覚がマヒしてて、現場の異様な雰囲気にナチュラルハイになってましたね。

満島:家に帰った記憶もほとんどないくらい。

夏帆:その時の記憶がないですね確かに。

満島:最後まで観てないんですけど、ここから四話以降がすごいことになってるんですよ。毎日、日活(撮影所)のシャワーの取り合いみたいな。

夏帆:争奪戦(笑)。

満島:争奪戦だったし、ダメな奴がシャワーに入るともう血だらけのシャワーに入っていくみたいな。自分で片付けようともしたんですけど。

園:屠殺場みたいな。

満島:台本もそんなに変わんないんですけど、毎日毎日監督が思い浮かんだものを差し込みで手書きでもらって、どんどん詩的な言葉だったり、監督のメッセージがもともとあったものよりも盛り込まれていくので、根底のメッセージも感じてたし。

園:本当に時間がなくて間に合わなくて、最後の方は撮影しながら脚本を書いてて、でも逆に撮影をしながらだからこそ、山田もKももっと深みのあるラストが浮かんできて、足りない部分が見えてきたというかね。それでかけたことはよかったと思います。

満島:監督の脳みそから生まれてきた作品なので、原作があるとみんな寄り添うものがあるんだけども、今回は監督の一言一言だったり、ちょっとした一言だったりをみんな目を離さず見ていたところがあったし、監督が何も言わなくなると誰も何もわからないっていう(笑)、そういう放心状態もたまにあったりしたけど。

園:あと、いつ死ぬか皆んな知らないっていうね。

夏帆:いつクランクアップかもわからないし。

園:「今日死ぬのかなー」とか皆んな言ってたしね。

満島:そうそう。「今日死ぬのかなー。私ここにいていいのかなー」っていうのもあったりして。本当にここが急所でいいのかなとか。そういうアクションも含めた今までだったら刀対刀とか当てて切られて終わりみたいなのがあって、でも今回は撃たれても切られても死なないから。撃たれても次行かなきゃいけないっていうのが今までのアクションとはちょっと違うものが。

園:特に第一話の二人で撃ち合うところなんかはすごい火薬を仕込んでるから少々やけどしちゃってたもんね。

満島:あれ本当にすごかったです。あれ本当に火薬で爆発させてるので、しかもあれだけ火薬があって狭い車の中とかでやってるから。

園:あれのすごいところは全部実写なんだよね。CGが一個もないから。すごい良い車にめちゃくちゃちゃんと穴あけて、銃痕の痕とかもつけて、そこに火薬を入れてバーンって。あれ一個もCG入れてないから全部で実写で。あの街並みも壊すために全部作って、銃撃の度に飛び散るでしょ、あれは最初に良いシーン撮りたいから無理言ってね。

満島:豊橋中が騒いでましたよ。すんごい豊橋の人が熱くなっちゃって「お前何やってんだよ」みたいなのがいっぱい来たりとか。

園:いやでもあれ日本で普通できないよ。

満島:車燃やしたりね。リアルに全部燃やしてるから。

園:普通の今までの撮影だったら絶対無理。あれは豊橋だからこそできたと思う。

満島:地元なんで権力振りかざしてますからね。(会場爆笑)

満島:園さんに言われたら誰も断れないところもあると思いますけど。花屋とか飲み屋の看板作ってたじゃないですか。僕ら準備して待ってた時に新しいキャバクラとかができたと思って若いやつがめっちゃ入ってきたんですよ。(会場爆笑)

満島:めっちゃ人が入ってきてて、この人たちエキストラなんだと思ってたら「あれ全然飲み屋じゃねえじゃん」って結構いたんですよ。そういう意味では町全体があの道はそういう空気になってたもんね。すみません、とまらないですよ。

MC:ありがとうございます。それだけ濃い現場だったんだなとすごいつたわってきました。監督せっかくルーマニアでの撮影はどんなところで撮影したのかというのも少しお話しいただいてもいいですか。

園:これまだ第三話だとルーマニアの全貌は出てきてないんですよね。これからもっと夏帆さんと冨手さんがルーマニアに行くシーンがこれからあって。そこはルーマニアの人ですら知らない秘境というか、ちょっと地下のものすごいところを見つけてしまい、これは撮影で使えてよかったんですけど。ルーマニアってすごいのは第二話でさりげなく撮った洞窟がジャンヌ・ダルクが生まれる前からある古代洞窟で、ほんとに古代洞窟を普通に「使っていいよー」って感じで、日本だったら相当貴重な遺跡だと思うんですけどペンキぶちまけても松明燃やしても怒られない。「街にはそういう(古い)場所がたくさんあるから(笑)」みたいな感じで、そうとうすごかったよね。

夏帆:街にそういうところがいっぱいあるんですよね。

園:ルーマニアって時間が止まってるんだなーって。何百年も変わらずにあるんだってすごい感じがした。どっかの草原とかにも遺跡がちょこちょこあって、「どれくらい前の?」って聞くと、「800年くらいかな」「まじー?!」って感じで。その洞窟も見つけた時は興奮したね。だってジャンヌ・ダルクより前だよ。そんなところで撮影できるというのがさ、これでゴシック感が出るなって。セットじゃ出せない雰囲気があるから。それとかルーマニアでオーデションやっていろいろないい人見つけたね。特に案内する女の子。名前なんだっけ。難しい名前だっけ。

スタッフ:サンドラ。

園:サンドラさん?

満島:全然難しくない名前、サンドラ。覚えててよ、そのくらい(笑)。

園:サンドラちゃんとかすごい日本人ぽい顔でしたよね。非常に面白い子で、彼女が引っ張って地下に連れていくときとか。ああゆう不思議な人たちをキャスティングできて本当によかったなって思ってます。

満島:あれがあるだけで説得力が違うというか、急に世界が広がっていくし、日本人だけでは出せない世界観がある。

園:最初夏帆さんはルーマニア語がやばいっていうくらい(笑)。

夏帆:ルーマニア語って聞いたことないじゃないですか。難しくて、ルーマニア語のセリフが来たのもルーマニアに行く四日前くらいだったんですよ。そこから覚えるのも…。

園:もうやばいんじゃないかって思うくらい。だけど現場に入ったら全然いけてたっていうことで、すごいびっくりしたんだよね。

夏帆:何が正しいのかも(笑)。

満島:聞いたことないしね。

園:だから現地の人に「おれえのことおわかるうかい?」みたいに変な風になってないかって聞いたら、「俺のことわかる?」って言ってるよって。

夏帆:良かった安心しました。

園:そんなへんてこになっていないんで。まあ、日本人が留学で来ているからもっと下手でもよかったのかもしれないけど、すらすらとやってたよ。古いホテルの廃墟すごいよかったよね。

夏帆:すごい良かったです。

園:今頃は金ぴかキラキラでね。

夏帆:そうかちょうど直す前だったのか。

園:あれはすごい昔からあるホテルで、いわくつきらしいよ。

満島:そうでしょうね。

MC:ありがとうございました。すごいルーマニアに行きたくなるお話でした。

満島:本当ですか?(会場爆笑)

園:もう一つ言っておきます。これ本当に史実に基づいているんですよ。第二話にコルヴィン城って出てきたよね。あれも実際のコルヴィン城っていうお城です。もうひとつドラキュラ城ってあるんだけど、今回ドラマには出ません。コルヴィン城に本当にコルヴィンって人がドラキュラを地下に幽閉したってガイドに説明するシーンがあるんだけど、あれも本当の話で、その当時コルヴィンがドラキュラを地下に幽閉したんですね。歴史的史実としては永遠に閉じ込めたわけではないんだけど、今回はそれを永遠にさせてもらおうかと思ってドラキュラは地下に幽閉しちゃったって話にしたんですよ。それからコルヴィンていうヴァンパイア族と正当なドラキュラ族の戦いがいいなって思ったんですね。よく日本人の人ってヴァンパイア族にあんまり縁がないから、吸血鬼見るとドラキュラっていうけど、それはちょっと違って、幽霊を見るとお岩さんって言ってるようなもので、お岩さんはたった一人の幽霊で、あとは違うじゃん。だから吸血鬼っていうのはヴァンパイアって意味で、ドラキュラっていうのは人の名前なんで、ドラキュラ一族は一番のキングだよね。あとのヴァンパイアっていうのはその他大勢なんで。そういう感じで生まれました。

満島:だからみんなの役名とかも意識してみるとちょっとおもしろいかもしれない。園さんのずっと今まで勉強してきたものが、

園:ダークサイドの勉強。

満島:ダークサイドの勉強ばっかしてきたものが、今回はね。あまり言えないけど。

園:世界に名だたる殺人鬼の名前が、ちょこちょこいろいろなものについているんで。

MC:ありがとうございます。そろそろお時間となりましたので、お一人ずつ見どころをお聞きしたいと思います。夏帆さんと満島さんは皆さんこれから第四話を観ていただけると思うので、煽るようなコメントをよろしくお願いします。

夏帆:見どころは全部ですよね。でもこれから本当に、三話ってホテルに入ったくらい?

園:入って安達さんがいらなくなったいらなくなったものを捨てたくらいだよね。違う?

満島:違うよね言い過ぎてるよね。あの、僕の演説。

園:それは過ぎた第二話?

満島:もう言わなくていいです監督。三話は姫が力がなくなっていって山田が出てきて燃える燃えるって言って。

園:混乱しちゃうよね。

満島:でもここからです。四話以降がジェットコースターのようにいきますね。これスクリーンで観てほしい。どうにかできないですかね。一挙上映とか。どうですかねやりたいですよね。

(会場拍手)

園:オールナイトだったら朝まで観てちょうどいいくらい。

満島:大音量でね。新宿付近でやって。そこから歩いて帰るっていう。もう何言ってるんですかね(笑)。もうみんな三話まで観てるんで、これで観たくないなって人は合わなかった(笑)。四話からなので、アクションも満載だし。

園:さっきもCGなしって言ったけど、アクションもほかの人を使わずにワンカットで撮ってて、すごい華奢な夏帆さんですらあんなこんな感じでね。

満島:セットもすごくあそこまで大きいものを日本で建てて、スリーステージって三つの部屋を使わせていただいて、あそこまで大きなエントランスを作って、あんなにも自由に駆け回れる芝居をさせてもらえたのはすごいいい経験だったし、そこにもヒントがあるっていうセットの形とかも含めて、色も園さんの色使いはやってても楽しかったと思うし、アートにも近いと思うし、何が言いたいんだろ。また観たいな俺も(笑)。(会場爆笑)

夏帆:今日家帰ったら観られるんですよね。

MC:全九話今日配信となっております。

園:夏帆ちゃんモニターつないでるちゃんと。デスクトップで観てない?

夏帆:テレビにつないでます。

園:ああやっぱ現代っ子だ。

満島:”fire tv stick”っていうのがあるらしくて。あれ便利らしいので皆さん使っていただけるとね。

夏帆:あれをつなげれば家の大きな画面で観られる。

園:なんか販売チャンネルみたいな(笑)。
(会場爆笑)

満島:でもレビューは五つ星で書くんで。自分で。山田すげえ。でも400人くらい出てるから、出てる人全員やれば全部五つ星で400レビューぐらい。

園:あ、やっとこう。

満島:友達と集まって家で観たりとかすごいいいと思う。僕らがずっと話してたというか、僕が言ってたのかなハロウィンに『東京ヴァンパイアホテル』の扮装をしている人が今年から出てきたらいいなと。やってください。ぜひドレッドは貸します。

MC:ありがとうございます。最後に夏帆さんからもぜひ。

夏帆:大丈夫です。

MC:では監督。

園:夏帆さんは初めてのアクションですごい大変だったので、もうずっとワンカットで長いアクションとかもやっていたので、そのへんも注目してほしいなと思います。一話と二話と三話ではそれぞれ後半の秘密のキーワードが提示されてるので、そことあれがつながるんだって感じで、後半を観ていただければと思います。そしてまた最初から観ると「一話のあれはあそこか」っていうのがいっぱいあるので、最後まで観てもう一回最初からみてください。タダなんだよね。プライム会員になれば何回観てもタダなんで、僕もこのドラマをやることになったので会員になったのよね。だから映画もドラマもめっちゃタダで観てるから本当にいいなアマゾンって感じです。
(会場爆笑)

満島:シーズン2とかもね。

園:わかんない。なんかあったらみんなで集合してまたなんか撮れたらいいですね。

MC:楽しいお話ありがとうございます。夏帆さん、満島真之介さん、園子温さん本日はありがとうございました。

『東京ヴァンパイアホテル』
2017年6月16日(金)よりAmazonプライム・ビデオにて全9話を見放題独占配信
総監督・脚本:園子温
監督・脚本:久保朝洋 松尾大輔
出演:夏帆 満島真之介 冨手麻妙 神楽坂恵 安達祐実
企画・制作:日活株式会社

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