【全起こし】松井玲奈、新川優愛、廣瀬智紀が就職の悩みを解決「やりたくない事以外はやれる事」 映画『めがみさま』初日舞台挨拶 全文掲載

映画『めがみさま』の初日舞台挨拶が6月10日、東京・シネマート新宿にて行われ、出演者の松井玲奈、新川優愛、廣瀬智紀、監督の宮岡太郎が登壇した。今回はその模様を全文掲載でお届けする。

本作の舞台は、閉塞的な郊外の田舎町。佐倉理華(松井玲奈)は人生に絶望し、精神安定剤で日々やり過ごしていたが、遂に自殺を決意する。そんな折、自分と同じ環境を克服したセラピスト・ラブ(新川優愛)の存在をネットで知り会いにいくことに。「自分の人生を生きなさい」というラブの言葉に感銘を受けた理華は、家を出てラブが開催する自己啓発セミナーの手伝いを始める。自分らしさを取り戻していく同士たちとの交流、同じようにラブに救われた川崎拓海(廣瀬智紀)との出会いによって理華の日常は順調に回りだしたかのように見えたのだが…。

↓左から新川優愛、松井玲奈、廣瀬智紀、宮岡太郎監督
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MC:それではまず会場の皆さまにご挨拶をお願いします。まずは佐倉理華を演じました、松井玲奈さんからお願いします。

松井:佐倉理華を演じました松井玲奈です。皆さん公開初日にたくさんの方が集まっていただきまして本当に嬉しく思います。皆さん、ありがとうございます。えっと…、これはもう観終わった後…、ですよね。そっか、そっか(笑)。(上映が)始まる前だと思ってました(笑)。ぜひ、このトークショーも含めて、最後まで楽しんでいただけたら嬉しいです。よろしくお願いいたします。

MC:ありがとうございます。では続きまして、ラブを演じました新川優愛さん、お願いします。

新川:『めがみさま』でラブを演じさせていただきました、新川優愛です。公開初日ということで、いよいよこの日を迎えられたな、というドキドキもありつつ、やっぱり嬉しさの方が、何倍も勝っていて、観ていただいた皆さんがどう感じていただけたかなというのが、今、正直なところなんですけども。最後まで、トークイベントも本編と同じように楽しんでいただけたらなと思いますので、短い時間ですけどもよろしくお願いいたします。

MC:ありがとうございます。では続きまして、川崎拓海を演じました、廣瀬智紀さん、お願いします。

廣瀬:川崎拓海を演じさせていただきました廣瀬智紀です。今日という日を、このようなたくさんのお客さんと一緒に迎えることができて、本当に幸せに思います。トークのほうも合わせて楽しんでいっていただけたらと思います。よろしくお願いいたします。

MC:ありがとうございます。では続きまして、本作のメガホンを取られました、宮岡監督、お願いします。

宮岡:本作を監督しました、宮岡太郎です。このような、初日に、たくさんの人に集まっていただいて、本当に感無量です。この作品に込めた思い、登場人物のやりきれなさとか、切なさとか、人から認められたい、受け入れられたいっていう思いを、120%の力で演じてくれた新川さん、松井さんによってできた、魂の作品だと思っております。本日はよろしくお願いいたします。

MC:ありがとうございます。上映後ですので、お客様の感想を聞いてみたいなと思います。劇中で行っていた、ラブのセラピーセミナーにもし参加していたら、ラブの考えに心酔しちゃうかもなと思った方、手を挙げてください。

(会場に手を挙げる人が多数)

新川:本当(笑)?

MC:新川さんファンなんでしょうかね(笑)。

新川:ありがとうございます(笑)。

MC:皆さんはどうですか?

松井:全部が全部じゃないんですけど、こういう言葉を人からもらえたら嬉しいなっていう言葉を、ラブはきっと人に伝えてくれるからこそ、登場人物たちもラブのことが好きになっていくんじゃないかなと、演じていて思いました。

MC:ラブを演じた新川さんはいかがですか?

新川:台本を読んでいて、後半どんどんやりすぎていってしまう部分があるのですが、100%とは言わないですけど、なにか言葉にすることだったり、行動することって、多少必要なのかなって。何もしないと状況が変わらないし、辛いことから逃げられるきっかけになるのであるなら、ちょっとそういうのも必要なのかなと思いましたね。

MC:ありがとうございます。ちなみに廣瀬さんは、今のお客さんの反応を見てどうですか?

廣瀬:本当にそう思います。(会場「…?」&笑い)

松井:自分が、ラブに出会ったら、自分もラブに心酔してしまうかってことよ?

廣瀬:あ、いや、松井さんの意見と一緒です。

松井:あ、私のほうですね?(笑)。

廣瀬:はい(笑)、あの、心酔しつつも、自分のやりたいことをやり通す、言いたいことを言う、もちろんそれはすごい大事なんですけど、すごく考えさせられますよね。そういう風にできたら、いいなと思うところもたくさんあるんですけど、やっぱりそうはいかないこの世の中だったりとか(笑)。

松井:いったい誰なんですか(笑)?本当、面白い(笑)。

廣瀬:いや、でも監督、そうですよね?そこにスポットを当てた…。

宮岡:そうですね。そういう風に解釈してください。

MC:はい、ありがとうございます。それでは宮岡監督にも伺いたいのですが、今回の作品では演出も苦労されたと思うんですけど、いかがでしたか?

宮岡:そうですね、でも僕の中では観る人に解釈を委ねたい、いろんな感じ方をして欲しいっていうことを一番に考えていたので、どちらの人にも「私は理華っぽいところもあるし、ラブに感化されるところもあるな、でも嫌だと思うところもあるな」っていう、そういうところを両方持ち合わせたふたりを作りたかったので、そこは現場でしっかり相談しながらできたかなと思ってます。

MC:ありがとうございます。松井さんと宮岡監督は、前回のMシネマ『gift』(’14)に引き続いてタッグということですけど、改めてご一緒していかがでしたか?

宮岡:前回の時も、すごい天性のものを持っている女優さんだなと感じたんですけども、今回は本当に役が完璧に憑依していて、すごかったですね。最初のほうのシーンとかは、浮遊霊みたいに…。あの悪い意味じゃなくて。

松井:すごくよく分かります。その感じは。

宮岡:すごく馴染めない人っていう形で撮りたかったんですけど、現場に来る時は結構ふわ~っと真っ白な感じで来られるんですけど、芝居が始まった瞬間にふっと、その場の空気が変わるような瞬間が何度もあって。『gift』の時よりもさらに素晴らしい女優さんになられたなと。

松井:ありがとうございます。監督自身が、サスペンスとかホラーが好きなんですか?

宮岡:そうですね、僕はサイコサスペンスとかが好きですね。

松井:そういうのが好きというのをずっと聞いていたので、『gift』の時も、画面に人の気持を不安にさせるような演出が多いなと思っていたんですけど、今回の作品も、出来上がったものを観て初めて、宮岡監督のカラーがすごく散りばめられている作品になってるなと強く思いました。初っ端の理華の笑顔の練習とかも、ホラーみたいな(笑)。怖さしかない(笑)みたいな。でも、それがすごく理華自身の心の葛藤だったりとか、もやもやしたものをすごく表現しているんだなというのを、観た時に感じました。

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MC:ありがとうございます。宮岡監督、新川さんと廣瀬さんは初めてご一緒されたと思うんですが。

宮岡:そうですね、ふたりとも役に真摯に真面目に向き合っている方ってう印象がすごいですね。台本を徹底的に読み込んで、こういう芝居をしたいっていう演出、演技の仕方みたいのが自分のなかでしっかりあるので、現場でも楽しかったっていう思い出があります。

MC:新川さんはいかがですか?

新川:以前、監督とお仕事させていただいた時に、私も10代でしたし、監督もまだ助監督さんだったんですね。なので久しぶりに会った時に、ちょっとなんか恥ずかしいような、不思議な気分になったんですけど。自分も年齢を重ねて、ある程度成長できているかなとは思うんですけど、以前にはなかった引っ張っていく力みたいなものがすごくあって…、だから感動しました。

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宮岡:ありがとうございます(笑)。

新川:なんかすごい上からみたいな感じですいません。ごめんなさい。そういつもりじゃないんですけど。

宮岡:いえいえ(笑)。でも、僕も新川さんの現場を引っ張る力、空気を作る力みたいなものを、すごい今回感じて。一番感じたのが、撮影が終わったあとなんですけど、隅の方で新川さんと廣瀬さんが、ふたりでパイプ椅子に座って向き合ってしゃべってるんですよ。よく聞いてみたら、廣瀬さんが「俺、ちょっと今の人生に悩んでいるんですよ」って。(会場爆笑)

松井:えーーー!(笑)。

宮岡:すごい弱気な感じで、新川さんに。ラブというより、新川優愛のセラピーセミナーが始まって(笑)。

松井:大丈夫ですか(笑)?

新川:あった、あった(笑)。「どうしていきたいの?」って(笑)。「自分はどうしたいの?」って聞いて(笑)。(会場笑い)

廣瀬:ありましたね(笑)。そこまで本気というか…、まあ本気だったんですけど(笑)。

新川:結構深刻な顔をしてましたからね(笑)。

廣瀬:新川さんは、昔ドラマでも共演させていただいてて、そのころは10代の新川さんだったんですけど、まったく今と印象が変わらなくて、僕の中では。すごく頼りになるというか、お姉ちゃんみたいな(笑)。

新川:(廣瀬のほうが)7つ年上ですからね(笑)。

廣瀬:すいません(笑)。だから監督が言われることも分かりますね。

MC:廣瀬さんは監督とご一緒していかがでしたか?

廣瀬:監督とは全くの初めてだったんですけど、歳もわりと近いんですよね。言ってみれば人間らしい監督というか、現場でこのシーンどうしよう、って実際に悩んでいる姿を僕たちに見せてくれていて、自分も悩んだシーンが多かったんですけど、そういうのを一から監督と一緒に作れるのが嬉しかったですし、この方のためにお芝居をしたいという気持ちにさせてくれる、気持ちのよい監督でした。

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宮岡:ありがとうございます。僕は、廣瀬さんと初めてお会いした時から、「あ、川崎が来た」って思いましたね。観ていただいた人は分かると思います。

MC:ありがとうございます。ではここからは、イベントコーナーにまいります。題しまして、あなたのお悩み、ズバッと解決コーナー!(会場拍手)ありがとうございます。『めがみさま』では、新川さん演じるラブが人々のお悩みをズバッと解決するシーンがありましたよね。このコーナーでは、事前に来場者の皆さまから投書していただいたお悩みを松井さん、新川さん、廣瀬さんにひとことで、お答えいただきたいと思います。

松井:…はい。

新川:…はい。

廣瀬:…はい。(会場笑い)

MC:ありがとうございます(笑)。一つ目のお悩みです。就職で悩んでいます。皆さんは、今の職業を選ぶにあたって、迷いはありませんでしたか?また、選ぶ決め手はなんだと思われますか。というお悩みです。

廣瀬:僕はなかったです。

松井:決め手が…?

廣瀬:いや(笑)。

松井:迷ってなかったってことね(笑)。

廣瀬:はい(笑)。でも、いわば決め手もないんですよ。まだ決め手が見つけられてないんですけども、他にやりたいこともなかったんですよ。この世界に入って、すごく勉強することがたくさんあって、興味深いものがたくさんありすぎるんで、人生すべてでも勉強しきれないくらいの量なのかなと思うとすごくワクワクするというか。実際、この場に立たせていただいているのも、日々勉強だなと思いますし。だから僕の中ではこのお仕事は天職だなと思っています。

MC:ありがとうございます。松井さんはいかがでしょう。

松井:私自身は、芸能の仕事がしたいと、ずっと思っていたタイプなので、これしかないと思って今、頑張っています。よく、やりたい事が何かわからないということを聞くんですけど、やりたくない事をいっぱい挙げて、やりたいくない事以外はやれる事だから、やれる事の中から選べばいいよっていうのを、昔教えてもらって、それは確かに合理的だなと思って。なにか迷った時は、とにかくやりたくないことを、嫌なことを全部並べて考えるようにしています。

廣瀬:なかなかできないですね、それって。僕は自分に甘いんで、やりたいことを書いちゃうかもしんないですね。

松井:そっちのタイプですね(笑)。でも、それは自分のやりたいことをやればいいんだと思います。

廣瀬:ありがとうございます(笑)。

MC:新川さんに伺ってもいいですか?

新川:このお仕事はすごく楽しいし、やりがいもあるし、毎日充実しているんですけど、私はまったく違うお仕事に就きたかったんですね。高校生の時に。それに向けて勉強もしていましたし、こういう(芸能の)お仕事もさせていただいてはいたんですけども…。

MC:その仕事は、ここで聞いてもいいですか…?

新川:介護系のお仕事です。本当はそっちに就きたいというか、そっちの方が現実味がある? 芸能のお仕事って分からないじゃないですか。だから、いつかそういったお仕事に就きたいなというか、就くのかなあとか思っていたんですけど、気づいたらここにいるって感じでしたね。

MC:それもまたカッコイイですけど(笑)。

新川:オーディションとかも受けていて、それが受かって、ファッション誌の仕事が始まって。だから今でも興味があるんです。そっちのお仕事にも。だからいつか関わりたいなって。本業にできるかは分からないけど、関わりたいなっていうのはありますね。なんか、面白くないですね(笑)。お二人と違って(笑)。笑えるとことがなくて…。

松井:いやいやいや。実りのある話でした。

廣瀬:面白かったですよ。介護をやりたいってことですよね?

新川:そうです。リハビリとか。

廣瀬:今、聞いてはっきり分かったんですけど、お姉ちゃんっぽいって思ったのが。介護されている感覚になっちゃうんですよ。(会場爆笑)

松井:どれだけ心が疲弊してるんですか(笑)!?

廣瀬:それくらい包容力があるというか(笑)。

松井:すごく包容力はありますねえ(笑)。

新川:ありがとうございます(笑)。

MC:ありがとうございます。もうひとつ、いけますかね。それでは一言ずつ回答していただけますか。好きな人がいるのですが、告白する勇気がありません。喝をいれてください。廣瀬さんからいきましょうか。

廣瀬:分かりました。一言で。

MC:はい。

廣瀬:(笑)。…喝!(会場笑い)

松井:うわー、これどうしよう(笑)。

MC:では、松井さんお願いします。

松井:喝を入れて欲しんですよね?

MC:はい。

松井:分かりました。いきます。…喝!!(会場笑い)

MC:はい(笑)。では新川さん、お願いします。

新川:喝を入れて欲しんですよね?(会場笑い)

MC:そうです(笑)。

新川:いきます。喝!!!…(笑)。(会場笑い)

MC:ありがとうございました(笑)。参考になりましたかね?

松井:精一杯の喝は送れたんじゃないかと思います。

MC:ありがとうございました。最後にお一人ずつ、本日お越しいただきましたお客様にメッセージをお願いします。

宮岡:本当に観る人によって、観え方が変わる万華鏡のような映画を作ろうと思って心がけてきましたので、ぜひ、帰る時とか、この映画の話題に、あれは何だったのかとか、いろいろと考えていただいて、インターネット上とかで皆さんの意見をお伺いできたら今後の励みにさせていただきますのでね。

松井:はい(笑)。

新川:はい(笑)。

宮岡:はい、ありがとうございます(笑)。

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廣瀬:今日はご来場、そしてご鑑賞いただきありがとうございました。今のフォトセッションで、僕の立ち位置、本当にここで良かったのかなって思っちゃったんですけど、大丈夫ですか? (会場笑い) どの作品も一回じゃなく、2回3回観ていただきたいという思いで、作ってはいるんですけども、本当にこの作品こそ2回3回観てもらいたい理由がありまして、その理由が明確にあるというこの映画が、自分にとってこの作品、そして川崎拓海という役に出会えてよかったなと思います。この先も、インターネットでのお便りをお待ちしております。ぜひよろしくお願いいたします。ありがとうございました。

新川:観ていただいた皆さん、それぞれいろんな感じ方をしていただけたのではないかと思います。何が悪いとか、何が正しいとか、一概には言えないなというのが、この作品で伝えることができたかなと思うんですけど、私はここでこう感じたとか、自分はこう思ったよ、というのをお友達といらしている方とかは話していただきたいですし、今日例えば、友達と観ていただいたなら、今度はご家族ととか、いろんな関係性の人と観て、お話しをすると、また違った楽しみ方ができるのではないかと思うので、一回とは言わず何度も観ていただけたら嬉しいなと思います。トークイベントも短い時間でしたけども、楽しんでいただけた、かな?(笑)。(会場拍手)ありがとうございます(笑)。私たちも楽しかったですし、素敵な時間が過ごせたなと思います。本当に本日はありがとうございました。

松井:こうして、公開日がやってきて、無事に公開して、皆さんの目に触れることができて、本当に嬉しいなと思います。映画は封を切って、皆さんに届いて初めて完成だと思うので、これから毎日公開されればされるほど、完成していく回数が増えるのかなと思います。この作品を観て、私自身が自分の人生は本当に自分で選択するものなんだなということを感じたので、是非皆さんもこの映画から何かを感じ取って、そして自分の人生を自分らしく進んでいってもらえたら嬉しいなと思います。今日はこの映画を観るという選択をしてくださったことが、本当に嬉しいです。今日はありがとうございました。

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『めがみさま』
2017年6月10日より全国順次公開
監督:宮岡太郎 
脚本:大月もも
出演:松井玲奈 新川優愛 廣瀬智紀 梅舟惟永 西沢仁太 西丸優子 片山萌美 鈴木ちなみ 筒井真理子 尾美としのり
配給:MMJ

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