実在の麻雀プロ、二階堂亜樹をモデルにした映画『女流闘牌伝 aki-アキ-』の初日舞台挨拶が、6月3日(土)、シネマート新宿で行なわれた。中村祐太郎監督、岡本夏美、増田有華、中山絵梨奈、二階堂亜樹が登壇。時間が無くなり、監督の最後のトークがカットされるという珍事が起きるほど盛り上がった舞台挨拶の模様を全文掲載する!
↓左から中村祐太郎監督、中山絵梨奈、岡本夏美、増田有華、二階堂亜樹
MC:ご紹介いたします。岡本夏美さん、増田有華さん、中山絵梨奈さん、中村祐太郎監督、そしてこの映画の原作漫画「aki」の原案を務め、モデルとなった、麻雀プロ、二階堂亜樹プロです。すごい大きな拍手ですね、ありがとうございます。さあ、それではついに本日初日を迎えることができました。まずは主演の岡本さん、ご挨拶と今のお気持ちをお願いします。
岡本:このたび主演を務めさせていただきました岡本夏美です。皆さん、足を運んでくださり、ありがとうございます。今日から、いよいよ皆さんのもとに届くということで、本当に幸せな気持ちでいっぱいです。今日は短い間ですが、よろしくお願いします。
MC:続きまして、増田さん。お願いします。
増田:今日はお集まりいただき、ありがとうございます。主人公の亜樹ちゃんのライバル役を務めさせていただきました、面影ひまわり役を演じました増田有華と申します。私は作品をちょうど見たところなんですけど、映像に映る自分が怖くて。怖くて怖くて震えましたが、今日はみなさんと出来る限り仲良く打ち解けて帰れればなと思っています。よろしくお願いします。
MC:続きまして、中山さん。よろしくお願いします。
中山:主人公、亜樹のお姉さん役、二階堂瑠美役を演じさせていただきました、中山絵梨奈です。私は皆さんとのシーンはすごく少ないんですけど、亜樹ちゃんとの姉妹のシーンのお話はたくさんできると思いますので、短い時間ですが、よろしくお願いします。
MC:続きまして、中村監督。よろしくお願いします。
監督:ありがとうございます。今日は皆さん、お越しいただいてまことにありがとうございます。今日という日を迎えられて、こんなたおやかな皆さんと舞台挨拶が出来て感極まってます。お話をいただいた時から、ここまで短かったようで長かった日が、今日こうやって報われたということで。これから皆さんに広くお届けできたらなと思うので、これからもよろしくお願いします。本日はありがとうございました。
MC:終わりみたいな挨拶になっちゃいましたが、これからよろしくお願いします。そして、二階堂さん。よろしくお願いします。
二階堂:映画『aki』のモデルの本人、二階堂亜樹です。実は今日はリーグ戦で朝から対局をして、バタバタしながらここにたどり着いたんですけど、無事、衣装も着れて舞台挨拶もできて良かったです。まさか自分のことが映画になるなんて思っていなくて、今でも信じられない気持ちもありますけど、とても幸せで光栄なことだと思っています。本当にうれしく思っています。今日は短い時間ですが、よろしくお願いします。
MC:二階堂さん、よろしくお願いします。さあ、それではここから皆さんにお話を伺おうと思います。まずは岡本さんに伺いたいと思いますが、こちらの作品、岡本さんにとって記念すべき長編映画の初主演作品となりました。おめでとうございます。
岡本:ありがとうございます。
MC:初主演とは思えない堂々とした主演ぶりだったと思います。こんなに多くのお客様が足を運んでくださいましたが、いかがですか?
岡本:本当にすごく公開日を待ちわびていましたし、皆さんに早くこの作品が届けばいいなという思いでいたので、こんなに多くの方に足を運んでいただけて、とてもうれしいです。ありがとうございます。
MC:皆さんに楽しんでくださって、エンドロール終わりには拍手もいただきました。今回題材が麻雀ということで、そして実在する二階堂亜樹さん、麻雀のプロを演じてみていかがでしたか?
岡本:そうですね、亜樹さんが結構壮絶な人生を歩まれているので、そこを丁寧に真摯に向き合ってお芝居出来たらなという思いでいました。
MC:岡本さんのライバル役を演じられた増田さんにも伺いたいと思いますが、増田さんは岡本さんとは撮影が初対面だったんですか?
増田:そうなんですよ。それに撮影自体が5日間しかなかったので、私と夏美ちゃんの共演シーンの撮影は3日間しかなかったんですけど、長年の知り合いみたいな。
岡本:そうですね。
MC:作中ではバチバチですけど、すぐ打ち解けて。
増田:一番最初に顔合わせと衣装合わせ、本読みの時にお会いした時に、私のことちょっと怖がってたんだよね?
岡本:若干ですね(笑)。
MC:どいうとこが怖かったんですか、岡本さん的に。初対面の第一印象ですよ。後から仲良くなりますから、今言えることですけどね。
増田:怖くないよね? 怖くないよね?
MC:見た目が怖かったんですか? 関西弁?
岡本:あの…。
増田:ニュースになるからね?
岡本:ひまわりさんの役を知っていたので、こういう強い役をされる方ってどんな方なんだろうという印象のまま、有華ちゃんを見てしまったので。しかも関西弁で本読みされてましたし、「うわ、来たな~」って。
MC:最初はそういう、印象だったと。
岡本:でもすごい優しい…。
増田:すごい、優しい?
MC:これが怖いのかな?
岡本:これです(笑)。この目が・・・。
MC:目力が。
岡本:「目力がすごい」って書いといてください(笑)。
増田:でも本読みが終わった後に、夏美ちゃんの方から話しかけてきてくれて、「肝の据わった若い子がいる」と思って。そこからすごく仲良くなりました。
MC:増田さんは、話しかけて来てくれる前の岡本さんは、どういう印象だったんですか?
増田:すごく大人しい子なのかなと思っていました。
岡本:えっ!?
増田:猫被ってた?
岡本:いや緊張してたんだと思います。
増田:緊張してたんや。
岡本:年上の方がいっぱいいたので。いつもと違う、同世代ではない現場だったので、少し緊張していたんですかね~?
増田:ね~。
MC:監督はどうだったんですか? お二人の共演ぶりと言いますか、第一印象はそういう感じだったと言っていますけど。
監督:とっても良かったですよ。増田さんと岡本さんを同じ部屋に入れていいのかな、みたいな。
岡本:どういうこと?
増田:食べ合ったりしない、私たち昆虫じゃないんですから。
監督:スタッフの気遣いみたいなのがね、皆言ってました。
岡本:やばいネットニュースになっちゃう(笑)。
MC:僕もさっき前室でご一緒させていただきましたけど、すごい仲良しですね。
監督:だから〝雨降って地固まる〟みたいな。
MC:雨降ったんかい、一回(笑)。
増田:いやいや降ってないですから、そういう問題発言はやめてください(笑)。
岡本:青天でした。
監督:ざあざあ振りだったんですけど…。
岡本:青天でした!
増田:カラカラの青天でした!
監督:「雨降ったから、いい画が取れるな」と。
増田:監督、嘘つくのはやめてください!
監督:心の雨ザアザアでしたけど、カラ元気でした。
MC:岡本さんと増田さんは麻雀シーンが見せ場のひとつでしたけど、増田さんは麻雀牌に触ったのは?
増田:初めてでした。
MC:練習されたり苦労されたと思うのですが、お二人ともいかかでした?
岡本:練習はさせていただきました。やっぱりプロの方に近づくのは難しいですけど、いかにうまく見えるだろうかと研究してやらせてもらいました。ひまわりさんは牌を触りながらセリフを言ったりと、難易度の高いことをされていたので、すごいなと尊敬しました。
MC:二階堂さんから見て、牌の触り方とかはいかがでしたか?
二階堂:私自身も15歳前後は鏡を前に置いて、打ち方がきれいに見えるように練習してたので、きっとすごく練習したんだろうなと、微笑ましく見てました。
MC:全然、手慣れた手つきでやられてましたよね。この話になった瞬間、男性のお客さんで、うなずいていた方たくさんいましたね。
岡本:本当ですか。
MC:本当に。なかなか難しいですらね、セリフもいいながら同時進行で大変だったと思います。続いて、中山さんにも伺いたいと思いますが、亜樹さんのお姉さんの瑠美さんという、亜樹さんが唯一心を寄せる重要な役を演じられましたけど、姉妹役を岡本さんと演じてみて、いかがでしたか?
中山:お姉ちゃん役が初めてだったので、しかも私は男兄弟だったので、姉妹ってどんな感じなんだろうって。
岡本:私もです。
中山:本当ですか?
MC:お二人とも。それで姉妹と。
中山:どんな感じだろう、どんな雰囲気、空気感を出したらいいんだろうなんだろうと。原作を読んで姉妹愛みたいなのは大事だなあと思ったので。私は岡本さんが静かだなというイメージがあんまりなくて。
MC:あら? どんなイメージですか?
中山:笑顔のせいですかね?
MC:うるさい?
中山:いや(笑)。すごく人懐っこいイメージで。
岡本:姉妹のシーンはお家で撮影することが多かったので、すごくリラックスした状態だったというのと、家族っぽく見えたらいいかなと。
MC:本当の姉妹のように仲が良かったとスタッフさんから聞いてますけど。
岡本:こんなお姉ちゃんがいたらいいなと、マネージャーさんに言ってました。
MC:どんなところでそう思いましたか?
岡本:優しさにあふれてる。
MC:あら、MISIAの曲じゃないですか。
岡本:そんなつもりはなかったんですけど(笑)。
中山:私も本読みの時から、岡本さんのかわいさもそうで、人懐っこさもそうなんですけど、ちょっと姉心みたいなものが芽生えちゃって、監督からも「お姉ちゃん、過保護過ぎてセリフが怖いかもしれない」って言われてたんですけど、そう思ってもらえてたら良かったです。
MC:監督から見ても姉妹の関係性はできていたと。
監督:そうですね。ひとつ注目してほしいのが、そんな姉妹愛からあのショットは生まれたと思うんですけど、ケーキを食べるところ。もちろん、全シーン見どころですけど、あれが僕の監督人生の中で一番のショット。中山さん演じる瑠美姉ちゃんがケーキを食べるショットが、神様が下りてきていて。
MC:モニター見ながら、「いいぞ、いいぞ」って。
監督:僕、今回カメラ回していて、すごく幸せでした。
岡本:でも絵梨奈ちゃんは「ずっと食べさせられてた」って言ってました。
MC:全然、思い出の質が違う(笑)。
中山:カットが掛からないなって思いながら、ずっとケーキを食べていて。夏美ちゃんもだよね?
岡本:私もずっと食べていました。
MC:カットかけたくないっていうくらい、いいシーンだったんですよね。
監督:食べてるってやっぱ素敵じゃないですか。だからずっと見ていたいんですけど。皆さん大好きですよ。でも個人的に中山さんのショットがすごくいいのがあったんですよ。
岡本:監督の絵梨奈ちゃんびいきがすごいんですよ。
MC:現場でもあったんですか?
岡本:現場でもあったんですよ。
増田:そういうのは良くないと思いますよ。
MC:増田さんは作中でどいてとかいったからじゃないの?
増田:そうかも(笑)。
監督:増田さんとは一応、距離を置く。中山さんとはこんくらい(近く)。
MC:そんなに近くで撮りたいんだ。
監督:いやまたそれが、いいんですよ。
MC:そのぐらいの距離の方がいい増田さんが撮れると。
増田:監督、ちょっと後で裏でお願いします。
MC:何されるんだろう(笑)。
岡本:怖いよう(笑)。
MC:でもうれしいんじゃないですか、お二人。監督からそんなシーンが撮れたって。
中山:本当にうれしいです。
MC:二階堂さんにも伺いたいんですけど、岡本さんと撮影始まる前にお会いしたということですけど。
二階堂:そうなんですよ。その時も、自分は対局だったんですけど、スタジオの方に見学にいらしてらして、初めて見た時は15、6歳くらいかなと思ったんですよ。そん時はたぶんすっぴんだったと思うんですよ。
岡本:すっぴんでしたね。
二階堂:細くて、目をキラキラさせて麻雀をしているのを見ていて。その後に、「今度の映画の主演の岡本さんです」って紹介してもらって。こんなに細くてかわいらしい人が、自分の役をやってくれるんだと、感動しました。
MC:どうですか、実際に映画をご覧になって。
二階堂:何回か泣かしてもらいました。
岡本:ありがとうございます。
二階堂:すごく健気で。自分なんですけど、どこか自分でないような、ちょっと客観的に見てるところもあって、かわいそうなところは、すごくかわいそうだし、頑張っているところは、すごく頑張ってくれていたので、感情移入して泣いちゃいました。
岡本:うれしい。
MC:監督もうれしいですよね。
監督:うれしいですね。今日スタッフも見に来ているので、本当にありがとうございます。
MC:ご自身のことが映画化されるという話を聞いたときは、どうだったんですか。
二階堂:原案の漫画の時も、まさか自分が漫画になると思わなかったというのがあって、今度もいいのかなという、正直その思いがいっぱいですね。
MC::監督は麻雀映画という難しい作品を演出するにあたっていかがでしたか?
監督:僕にとって初めての麻雀映画だったんです。事前に過去のいろんな作品を見て、まあこういうことかなというのは事前に踏まえていて、麻雀の詳しいスタッフとディスカッションをしました。岡本さんも増田さんもそうなんですけど、現場の組み立て方はチーム一丸となりました。
岡本:麻雀指導の皆さんに本当に助けていただいて。皆さんがいたから少しでもリアルで熱い麻雀シーンになったかなって思います。
増田:作って下さった山を私が一回、崩しちゃったんです。
岡本:あれはダメなやつですからね。
MC:ちょっと厳しくなった(笑)。
増田:皆、サーッとなって。
岡本:「やった」ってみたいな感じで。
増田:「この人、やった!」って言われて、ヤバイと思ったのはありました。
MC:まあ、失敗もしますよね。
監督:現場はドキドキ、ビリビリですね。役者はもちろん、チームがよくここまで筋肉もったなって。
MC:麻雀の牌をどうやって見せるかとか、それを演者さんがそれを意識して指を動かしていたり、麻雀のシーンにそういうのが凝縮していたなと思いました。それでは、この映画では亜樹さんが麻雀の世界で生きていく決意をしますが、皆さんはこれまでどんな覚悟をなさったのか教えてください。
岡本:私は3月に高校を卒業したんですけど、そこから芸能界一本でいくのか進学するのかっていう分岐点の中で、芸能界一本でっていうのを決めた時ですかね。今までの芸能生活では、学業も一緒に歩んできた道だったので、それがなくなるっていうのは、どういうもんなんだとは思いましたですけど、何とかそこで頑張っていかなきゃなと思っています。
MC:卒業して初主演の映画が麻雀がテーマということで、また一気に大人の階段を上る感じですね。増田さんはいかがですか?
増田:何度か人生の中で覚悟を決めた瞬間があるんですけど。
岡本:フッ(笑)。
増田:「フッ」じゃない、「フッ」じゃ。
MC:鼻で笑いましたね、「嘘でしょ」みたいな。そんなことはないですよね?
岡本:はい(笑)。
増田:私は14歳の時にAKB48の第二期生オーディションに合格しまして、オーディションに受かって3日後に大阪から上京したんです。もともと母親が勝手に応募して、アイドルになると思っていなかったんですね。それで劇場公演に立つってなって、衣装合わせで今まで着たことのないような丈の短いフリフリの衣装を着た瞬間に「私はアイドルとして生きていく」っていうのを決めました。
MC:これは貴重なお話ですね。その時グッと覚悟が決まったんですね。
増田:もっとニコニコ、アイドルらしくするつもりが、11年目にしてちょっと崩れてきているっていう。
MC:ちょっとスタッフさんに気を使われているという存在に。
増田:初心に戻りたいなと、改めて感じました(笑)。
MC:中山さんはいかがですか?
中山:私は皆さんみたいに大した話じゃないんですけど、覚悟というか、ちょっと人生が変わった時があって。小学校3年生の時に転校したんですけど、それまで引っ込み思案で友達も全然いないタイプだったんです。どうにか友達をいっぱい作って、明るく変わりたいって思って、バスケ部に入って自分を変えて、今の仕事につながるような雑誌のオーディションの話を聞いたりとかしたので、その引っ越して転校してスタート切るぞって時は人生が変わったかなと思います。
MC:二階堂さんはいかがですか?
二階堂:私はあまり家庭環境に恵まれてなかったので、中学を卒業するときに両親がいなかったんです。中学卒業と共に、実家がなくなるっていう話で、実家から出てくださいと言われてたんですよ。その時はお姉ちゃんともあまり連絡を取っていなくて、一人で生きていかなきゃいけないと、カバンひとつで上京した時が、覚悟を決めた時ですね。
岡本:そこは大切にしなきゃいけないポイントだなとお芝居をしてても思っていました。
MC:岡本さんがそれを大切にしたのもお客さんは感じていただいたと思います。監督にもお話を伺おうと思ったんですが、お時間ということで。すいません!
監督:面白い話が一個あったんですけど、大丈夫です(笑)。
『女流闘牌伝 aki -アキ-』
2017年6月3日(土)よりシネマート新宿・心斎橋ほか公開
原作:「aki」花崎圭司 大崎充 二階堂亜樹(竹書房刊)
監督:中村祐太郎 出演:岡本夏美 増田有華 中山絵梨奈 彩輝なお 岩松了
企画・配給:AMG エンタテインメント
©2017 花崎圭司・大崎充/竹書房/「aki」製作委員会