【全起こし】『牝猫たち』TEAM NACS音尾琢真「”前貼り”情報は戸次重幸さんから、玉の方が破れました(笑)」

白石:実際、観て感想はどうでしたか?
音尾:いや、もういい映画だなっていう。というか僕は中身を知りすぎているとちゃんと観られない人なんですよ。自分もあまり観たくないから。時間を空けないと自分が出た作品とか観られないんです。普段からそうなんです。ポルノであるないに関わらず。そういう意味合いで言えば、この作品はロマンポルノ作品ですよね。映画です。非常に素晴らしい映画です。濡れ場というものも存分に描かれていますけど、そこにこそ人の性といいますか、裏表のない部分が描かれるものだと思います。だからこそ18禁になってしまうんですけども。でも、皆さんは立派なオトナだ。(会場笑い)いろんなことを知っている。いろんな経験がある。いろんな体験をした中で感じることっていうのがそこにもあると思う。皆さんは魚だ。(会場笑い)。そう思って観ていると、僕には「ここに出ている僕が余計だな」と思ったんですよ(笑)。
白石:話がわけ分かんなくなっちゃう(笑)。
音尾:わけ分かんない(笑)。落とし所を見つけられない人(笑)。自分を観るのが苦手だからね、「自分いなくても全然成立するじゃん」って思っちゃって。女優さんたちは素敵で、他の俳優さんたちも素敵で。
白石:でも、ポルノではあるけどロマンを大事に作りたいっていうのがあって、この話の中心にいるのが、もちろんデリヘルの女性たちなんですけど、その店長の音尾さんには助けられたというか、物語の骨格をある意味作ってもらったというか。イメージとしてはちゃんと営業許可をとっていないブラック気味なデリヘルという設定なんですけど、音尾さんがやってきて、風俗嬢たちが並んで芝居を始めると、「あれ?居心地いいぞ、ここ」って(笑)。
音尾:そうですね、非常にハマる感じでしたね。皆さんが観る前だから、言いたいことがいっぱいあるのに言えない。言葉を選んでおります。
白石:物語はずっと切なく続くんですけど、最後に言う音尾さんのあんなことが……、んー……(笑)。言えないけど、あそこが結構評判いいんです(笑)。
音尾:あー、そうですか。はいはい。嬉しいですね。僕の40年の男としての全てを結集した時間を設けましたので、ここにいる女性の皆さんに、子魚ちゃんたちにしっかり楽しんでいただきたいですね。(会場笑い)
MC:ちなみにスタジオ・ジブリの鈴木敏夫プロデューサーが、日活ロマンポルノに造詣が深い方なんですけども、「音尾さんが非常に素晴らしかった」と、「作品も含めて傑作だ」と、非常に高い評価をいただいております。
音尾:嬉しいですね。でもここで鈴木さんに嬉しい評価をいただいても、ジブリでデリヘルの店長が描かれることはないだろうなと思うので(会場笑い)、仕事には繋がらないかあ…っていう複雑な心境はありますけどね(笑)。

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