【全起こし】※ネタバレ注意!!『哭声/コクソン』ナ・ホンジン監督来日! 6年かけてすべてを注ぎ込んだ作品 

Q:最後までドキドキする映画で、でもその中にちょっと笑いの要素があって、そこが救いでよかったです。キャストの皆さん素晴らしくて、チョン・ウヒさんの現場での印象をそれぞれお聞かせください。

國村:じゃあ僕から。彼女もそれこそまだ若いですけど、やっぱり舞台からの素養をきっちりスキルとして積んでいて、しかも現場での居方も含め、女優さんとして本当にクオリティが高いなと。何より彼女はあのムミョンというキャラクターを自分がどういうふうに捉えているかを含め、それを言葉に置き換えてちゃんとしゃべることができるという、何て言うんですかね、若いけどすごくクオリティの高い女優さんである、というのが僕の印象です。

監督:チョン・ウヒさんの役はたくさんの女優さんがオーディションを受けました。その中で彼女を選んだ理由としては、チョン・ウヒさんが最適だと思ったからです。ものすごい力を持っていて、その力というのは外から見える力というよりは、その方自身が持っている気といいますか、そういう力を感じました。私はこの役に力を見せたかったのでチョン・ウヒさんを選びました。2時間半あるランニングタイムの中で、すべての人物の背景になるのがコクソンという地域なんですけど、その地域を通して“神”という存在を描写したいと思っていたんです。“神”を描写する手段としては、サウンドや背景、時間の変化や天気の変化を通して“神”を伝えたかったんです。イメージの変化を通して、映画のストーリーを徐々に観客たちにも理解してもらえるんじゃないかと思いました。その力をチョン・ウヒさんを通して皆さんに伝えたかったんです。前半は出演していなくてせりふもあまりありませんが、映画の緊張感を持続させる力がある役者が必要だと思ったから、チョン・ウヒさんを選びました。また、現場ではすごく可愛らしい、妹のような存在でいて、でも映画をご覧になった皆さんはご存知だと思いますが、期待以上にパワフルな演技をしてくださいました。

MC:ありがとうございます。最後にお2人に、公開は3月11日なんですが、今日、皆さん最速で観ていただいてひと言いただければと思います。國村さんからお願いします。

國村:本当にいらしていただいてありがとうございます。本当は最初に聞こうと思っていたんですけど、あの、どうでした?

(大きな拍手)

國村:よかったー。この『哭声/コクソン』を楽しんでいただいて本当によかったと思います。で、ここからお願いでございます。この『哭声/コクソン』という映画はある意味、今までこんな映画はなかったと思います。カテゴライズできない映画、映画の新たな楽しみ方がこの作品だと思っています。ぜひお友達にそういう体験をさせてみたいと思った方は、友達とまた一緒に観にきてくださいね。今日はありがとうございました。

MC:では、監督お願いします。

監督:この『哭声/コクソン』をつくり上げて、今言えるのは一抹の未練もないということです。ナ・ホンジンという監督のすべてを注ぎ込んだ、未練のない作品だと思っています。どんな評価を皆さんからいただいても、それを全部受け止めたいと思います。ナ・ホンジンという監督が6年をかけて、すべてを注ぎ込んでつくった映画なんで、周りの友達に、こういう監督が6年をかけてつくった映画だということを伝えてください。長い間、本当にありがとうございます。

MC:ありがとうございました。ということでナ・ホンジン監督、國村隼さん、もう一度大きな拍手でお送りください。

監督&國村:ありがとうございました。

2017年1月24日 シネマート新宿

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『哭声/コクソン』
2017年3月11日公開
監督:ナ・ホンジン 出演:クァク・ドウォン ファン・ジョンミン 國村隼 チョン・ウヒ