狩撫麻礼・いましろたかしによる伝説的コミック「ハード・コア 平成地獄ブラザーズ」を、山田孝之と山下敦弘監督の盟友コンビが完全映画化した『ハード・コア』が、11月23日に公開される。このほど、山田孝之と佐藤健が殴り合う本編映像がお披露目となった。
主演に山田孝之、共演に佐藤健と荒川良々を迎えた本作は、不器用だが真っ直ぐ生きる男たちの人生活劇。現代日本の都会の片隅で細々と生きる権藤右近(山田孝之)は、あまりにも純粋で曲がったことが大嫌いであり、間違いを正そうとする自らの信念をいつも暴力に転嫁させてしまうため、仕事も居場所もなくしてきた。そんな右近の仕事は、山奥で怪しい活動家の埋蔵金探しを手伝うこと。共に働く牛山(荒川良々)だけが唯一心を許せる友人、そんな二人を見守るのが、右近の弟・権藤左近(佐藤健)。弟の左近は一流商社に勤務するエリートだが、腐った世の中にうんざりし、希望を失っていた。ある日、彼らの前に、謎の古びたロボットが現れ、人生が一変するような一大事が巻き起こる。
公開された本編映像には、右近と左近が居酒屋で殴り合い、権藤兄弟2人の哲学がぶつかり合うシーンが収められている。このシーンは、山下監督が「この映画の見方がようやく分かるところ」と断言するほどの重要な場面。さらに山下監督が「山田くんと佐藤くんには、右近と左近が兄弟としてリスペクトし合っているということを表現したいと伝えました」と語ると、その言葉を受けて山田は「右近は左近が言わんとしていることもとっくに分かっている。でも、できないというか、左近のように賢くなんか生きたくないと思っている。その繰り返しなので、返す言葉の強さやタイミングなんかも気にかけながら演じました。あのシーンでは、右近が観ている人から愛される存在でなきゃいけない。右近が言っていることは、みんなが思っていることじゃないですか。出来ることなら右近のように生きたいけど、そうしない方が賢い―それが今の世の中の生き方です。諦めているというか。だからこそ、世の中に反抗している右近が可哀想なだけではなくて、カッコよく見えたり、構ってあげたくなる存在にならなければいけない。それを、ちょうど良いバランスで表現するのは難しかったですね」とこのシーンに込めた思いを語った。
『ハード・コア』
11月23日(金・祝) 全国公開
監督:山下敦弘
原作:狩撫麻礼・いましろたかし「ハード・コア 平成地獄ブラザーズ」(ビームコミックス/KADOKAWA刊)
脚本:向井康介
出演:山田孝之 佐藤健 荒川良々 石橋けい 首くくり栲象 康すおん 松たか子
配給:KADOKAWA
【ストーリー】 現代日本―。都会の片隅で細々と生きる権藤右近はあまりにも純粋で、曲がったことが大嫌いだ。間違いを正そうとする自らの信念をいつも暴力に転嫁させてしまうため、仕事も居場所もなくしてきた。そんな右近の仕事は、山奥で怪しい活動家の埋蔵金探しを手伝うこと。共に働く牛山だけが唯一心を許せる友人だ。二人を見守るのが、右近の弟・権藤左近。一流商社に勤務するエリートだが、腐った世の中にうんざりし、希望を失っていた。ある日、そんな彼らの前に、謎の古びたロボットが現れ、男たちの人生が一変するような一大事が巻き起こる。
©2018「ハード・コア」製作委員会