松田龍平「アドリブでリアクションするのが楽しかった」映画『泣き虫しょったんの奇跡』公開直前試写会レポート

将棋界に奇跡をもたらした異色の棋士・瀬川晶司五段の自伝的小説が、豊田利晃監督によって実写映画化された『泣き虫しょったんの奇跡』が9月7日より公開となる。本作の公開直前試写会が、8月27日に東京・よみうりホールで行われ、松田龍平、永山絢斗、渋川清彦、駒木根隆介、新井浩文、早乙女太一、豊田利晃監督、原作の瀬川晶司五段、佐藤天彦名人、“ひふみん”こと加藤一二三もサプライズ登場した。

袴姿で登壇したキャスト陣に、会場からは大きな歓声が。仲間たちと話すアパートのシーンについて聞かれた松田は「あのシーンは、しょったんが唯一将棋を忘れられる時間で、僕も普通に楽しんじゃいました」とニッコリ。「たまに監督が台本にないセリフをこっそり足すので、いきなり本番で言ってくる。それをアドリブでリアクションするのが楽しかった」と思い出深いエピソードを語った。

ライバル役として強烈な個性放っていた新井と早乙女。その役作りを聞かれた新井は「いや、何もしていないです」とバッサリ。「観たら分かるんですけど、さほど出てないんで。役作りをする間もなく…」と答えると、豊田監督から「お前は、CM(の撮影)に行ってたから出なかったんだよ!」とツッコまれた。扇子を小道具に使っていた早乙女は「扇子は昔から馴染みがあったので、最大限に生かしてたら、中学生ぐらいの子が対局してたんですけど、『あんまり人が考えている時に、パチパチしないほうがいいですよ』って怒られました」と撮影時のエピソードを告白して会場を笑いに包んだ。

豊田監督から、佐藤名人にも出演をオファーしたが断られていたという裏話も。これについて佐藤名人は「僕のところまで話が来なくて、連盟が断っちゃったみたいです」と生々しい話を暴露。当時、瀬川五段と対局したという佐藤名人は「僕はプロではなかったんですけど、瀬川さんはすごい勝たれていたので、プロになられても全く不思議はなかった」とコメント。対して瀬川は「勝てればプロになれるんじゃないかと、気合を入れて臨んだ。結構緊張してたんですけど、名人は当時16歳で、全く動揺してなくて」と、とても感心したという思い出も飛び出した。

最後に、サプライズゲストとして加藤一二三もサプライズ登壇。主演の松田に花束を贈呈し、会場を盛り上げていた。

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『泣き虫しょったんの奇跡』
9月7日(金)より全国ロードショー
監督:豊田利晃
脚本:瀬川晶司「泣き虫しょったんの奇跡」(講談社文庫刊)
音楽:照井利幸
出演:松田龍平 野田洋次郎 永山絢斗 染谷将太 渋川清彦 駒木根隆介 新井浩文 早乙女太一 妻夫木聡 松たか子 美保純 イッセー尾形 小林薫 國村隼
配給:東京テアトル

【ストーリー】 26歳。それはプロ棋士へのタイムリミット。小学生のころから将棋一筋で生きてきた“しょったん”こと瀬川晶司の夢は、年齢制限の壁にぶつかりあっけなく断たれた。将棋と縁を切りサラリーマンとして暮らしていたしょったんは、アマ名人になっていた親友の悠野ら周囲の人々に支えられ、将棋を再開することに。プロを目指すという重圧から解放され、その面白さ、楽しさを改めて痛感する。「やっぱり、プロになりたい―」。35歳、しょったんの人生を賭けた二度目の挑戦が始まる―。

©2018『泣き虫しょったんの奇跡』製作委員会 ©瀬川晶司/講談社