第二次世界大戦中の広島・呉を舞台に、激化していく世の中で大切なものを失いながらも、日々を大切に前を向いていく女性・すずを描いた、片渕須直監督による珠玉のアニメーション作品『この世界の片隅に』。2016年11月12日の公開から600日以上経った現在もなお劇場での上映が続いている本作に、約30分の新規場面を付け足した新バージョン『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』が12月より公開となる。このほど、8月15日にテアトル新宿にて、『この世界の片隅に』の再上映と舞台挨拶が行われ、主演声優を務めるのん、片渕須直監督が登壇した。ここでは、本イベントの模様を全文掲載でお届けする。
MC:ゲストのお二人をお招きしたいと思います。主演すずさん役のんさん、そして片渕須直監督です。どうぞ大きな拍手でお迎えください。最初にひと言、来場したお客様に向けてご挨拶いただけますでしょうか。まずは、のんさんお願いします。
のん:皆さん今日はご来場いただきありがとうございます。久しぶりにテアトルに来れて嬉しいです。今日はよろしくお願いします。
MC:続きまして片渕監督お願いします。
片渕監督:2016年11月公開の映画なんですけど、今日に至るまで640日を超えて、1日も欠かさずずっと全国のどこかの劇場で上映を続けていただいていて、そして一番最初に舞台挨拶をしたここに立たせていただいているんですね。その時と同じ並びで2人立たせてもらって、上手下手が決まってるんですが(笑)、まだそういうコンビで続けさせてもらっているのが有り難いです。今日はよろしくお願いします。
MC:このように上映が続いていることにつきまして、片渕監督とのんさんから思いを聞かせていただだけますか?まずは片渕監督。
片渕監督:映画を作っているときは、クラウドファンディングでたくさんの方々に支援をお願いしなければ作り始められないのではないかというところから始まった映画なんですが、映画が出来上がったあとは、作っている途中もそうでうが、たくさんの方々がこの映画のことを応援してくださっていて、それが今日に至っているなと思っています。お客さんもそうですし、マスコミの方々もそうですし、何より劇場の方々とずっと仲良くさせていただいていて、それが自分たちにとってもたくさん場所を与えていただいているなと実感しています。
MC:のんさんはこのように長く続いていることに関してどのようにお感じになっていますか?
のん:本当に嬉しいことだなと思っていて、私も作品に参加してこんなに長く作品と付き合っているのが初めなので、とても貴重な体験で、こんなに皆さんに愛されている作品は世界中どこ見てもこの作品だけなんじゃないかと自分で思ってしまうくらいすごく嬉しいです。