ステイシー・マーティン「ゴダールのことは忘れて(笑)」映画『グッバイ・ゴダール!』来日記者会見レポート

ジャン=リュック・ゴダール監督作『中国女』の主演女優であり、ゴダールの2番目の妻でもあったアンヌ・ヴィアゼムスキーの自伝的小説を映画化した『グッバイ・ゴダール!』が、7月13日より公開となる。このほど、本作でアンヌ・ヴィアゼムスキー役を演じるステイシー・マーティンが来日し、5月23日に東京・神楽座で記者会見が行われた。

若くしてゴダールと出会い、そのミューズとなったアンヌ・ヴィアゼムスキーを演じるのは、『ニンフォマニアック』で主人公ジョー(シャルロット・ゲンズブール)の若き日を演じ、鮮烈なスクリーンデビューを果たしたステイシー・マーティン。本作では、「天才」と称され世界から注目されていた時代の寵児ゴダールと出会い、刺激的で親密な日々を過ごしていく中で、少しずつ大人へと変貌を遂げていくアンヌの姿を生き生きと演じる。

フランス人の父とイギリス人の母に育てられたステイシーは、両親と共に7歳から13歳まで日本に住んでいたという経歴を持つ。久しぶりの日本の印象を聞かれると、「印象は変わりました。私自身も大人になりましたから。子供の頃に過ごした東京は、私に自由を与えてくれた。ひと夏だけ日本の学校にも通ったが、クラスメイトがものすごく真面目で驚きました」と当時のエピソードを絡めて日本での思い出を語った。

本作のオファーを受けた時は「とてもワクワクした」というステイシー。「特にアザナヴィシウス監督が、再び彼のいちばん得意とするコメディに立ち戻る作品だったし、フランスでは誰もが知っているゴダールを扱った映画だったから」と撮影前に感じた気持ちを吐露。

監督とは撮影前から「伝記ものにはしない」と話していたというステイシーは、「アンヌの持つエッセンス、感受性を保ちつつ、監督が得意とするポップコラージュ、つまり、いろいろなものを自分なりに咀嚼、再解釈して作品を作っている」と本作を説明。演じたアンヌについては「アンヌそのものを演じるというより、あの時代のアイコンと呼ばれていた女性を包括したキャラクターを演じた」と語り、シャンタル・ゴヤ、ジェーン・バーキンをモデルにして、キャラを作り上げていったことを明かした。

記者からの「ゴダールを知らない方に映画の魅力を伝えるには?」という質問には、「ゴダールのことなんて忘れてくれて大丈夫」と即答。「だって日本でのタイトルは『グッバイ・ゴダール!』よ(笑)」と、冗談っぽく笑い、会場の記者たちを笑わせていた。

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『グッバイ・ゴダール!』
7月13日(金)新宿ピカデリーほか全国順次公開
監督:ミシェル・アザナヴィシウス
原作:アンヌ・ヴィアゼムスキー
出演:ルイ・ガレル ステイシー・マーティン ベレニス・ベジョ
配給:ギャガ

【ストーリー】 もうすぐ19歳のアンヌは、パリで暮らす哲学科の学生。そんな彼女の人生に驚きの出来事が起こる。映画を変えたと世界中から注目される天才監督ジャン=リュック・ゴダールと恋に落ち、彼の新作『中国女』で主演を飾ることになったのだ。新しい仲間たちと映画を作る刺激的な日々、そしてゴダールからのプロポーズ…。生まれて初めての体験ばかりの毎日に、アンヌはあらゆることを夢中で吸収していくが、パリの街ではデモ活動が日に日に激しくなり、ゴダールは次第に革命に傾倒していく―。

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