映画『港のひかり』の初日舞台挨拶が11月14日(金)にユナイテッド・シネマ豊洲で開催され、主演の舘ひろし、眞栄田郷敦、尾上眞秀、藤井道人監督が登壇。上映直後の熱気そのままに、キャスト陣が観客から寄せられた感想を交えながら作品への深い想いを語り、温かな笑いと拍手が絶えない充実のイベントとなった。 

会場には公開を心待ちにしていた観客が集まり、キャスト陣が登場すると大きな拍手が。藤井監督×撮影監督・木村大作による35mmフィルム撮影、美しい能登の風景、そして“年の差を超えた友情”を描く本作に対し、公式Xにはすでに50万人を超える鑑賞者から感想が届くほど大きな反響が寄せられている。 
まず「古き良き日本映画だった」という声が紹介されると、舘はフィルム撮影への愛を熱く語った。「フィルムの映画がなくなっていく中で、木村大作キャメラマンのこだわりで35mmフィルムで撮影しているんですが、画の奥深さを感じました」。眞栄田は世代を超えた融合を魅力に挙げ、尾上は人生初のフィルム撮影に「宝物のような経験」と笑顔。藤井監督も“一発勝負”のフィルム撮影に新しい映画作りの手応えを語った。 
観客から届いた「舘さんが渡哲也さんに重なった」という声。これに対して舘は、長年の師弟関係を静かに語り、会場を惹きつけた。「そういうふうに演じようと思ったわけではないんですが、渡さんと初めてお会いして40年ずっと一緒でしたから。どこかいつも渡さんを見ていたので、似てくるんでしょうね」。冗談まじりに「顔は似ていないと思いますが(笑)」と和ませつつも、佇まいや角度など“自然に滲み出る部分”への自覚も明かした。 
成長した幸太を演じた眞栄田は、おじさんと出会い人生に光が差した幸太の内面についてこう語る。「おじさんから教わった強さや優しさを心の中で思い続けている。それを見せられたらと思いました」。一方、少年期を演じた尾上は舘との撮影秘話を披露。船のシーンで酔いそうになった際、舘がかけた“ある言葉”が心に残ったという。「“波を楽しめばいいんだよ”と言ってくださって。それで酔わなくなりました」。舘の優しさが垣間見えるエピソードに会場も温かな空気に包まれた。
「目の演技が素晴らしかった」という鋭い感想に、藤井監督はキャスティング時点から“目”を重視していたと語る。「舘さん演じる三浦の“目”をどう見せるのかが非常に重要でした」。また、映画初出演の尾上が演じた“目の見えない少年”役への努力にも触れ、丁寧な役作りを称賛した。 
舘は眞栄田を「これからのスター」と絶賛し、斎藤工へのリスペクトもたっぷり。「眉毛を剃って挑んでくれた。俳優が自分の体に傷をつけるのは勇気がいること」。眞栄田は椎名桔平の“歌い出すシーン”を絶賛し、尾上は迷わず「舘さん」と回答。互いへの敬意が伝わる温かなやりとりが続いた。 
劇中の“おじさんの優しい嘘”にちなんだ質問では、舘が日常のほほえましい“嘘”を告白。「1日にアイスを2~3個食べてたら奥さんにダメと言われて…“食べてない”って嘘をつきました(笑)」。藤井監督は「舘さんに“楽しい?”と気遣われ、“楽しいです!”と返していたが楽しくない時もあった(笑)」とまさかの告白で会場を沸かせた。 
イベントの締めくくりに、舘は客席へ深く感謝を述べた。「本当に素晴らしい映画になったと思います。二度、三度と観て、この映画の素晴らしさを大切な人に伝えていただけたら嬉しいです」。温かい拍手が広がり、初日舞台挨拶は盛大な拍手とともに幕を閉じた。




■作品情報
タイトル:港のひかり
公開:2025年11月14日(金)全国公開
監督・脚本:藤井道人
企画:河村光庸
撮影:木村大作
美術:原田満生
音楽:岩代太郎
出演:舘ひろし/眞栄田郷敦/尾上眞秀/黒島結菜/斎藤工/ピエール瀧/一ノ瀬ワタル/MEGUMI/赤堀雅秋/市村正親/宇崎竜童/笹野高史/椎名桔平
配給:東映、スターサンズ
©2025「港のひかり」製作委員会

