藤井道人監督×木村大作キャメラマンによる最新作『港のひかり』(11月14日公開)の東京プレミアが、10月29日(水)渋谷ヒカリエホールにて開催された。主演の舘ひろしをはじめ、眞栄田郷敦、尾上眞秀、椎名桔平、MEGUMI、そして藤井監督が登壇し、作品への思いと撮影秘話を語った。

本作は、過去を捨てた元ヤクザ・三浦(舘ひろし)と、盲目の少年・幸太(尾上眞秀/眞栄田郷敦)が十数年にわたり育む“年の差を超えた友情”を描く感動作。イベント冒頭では、ロケ地・石川県輪島でのプレミアの思い出を振り返り、舘が「撮影当時はお店がたくさん並んでいた朝市通りも、今は何もなくて言葉を失いました」と複雑な胸の内を明かした。
また、尾上との共演について「彼は本当に素晴らしい演技をしてくれました。ご一緒して勉強になりました」と称えつつ、船上シーンでのエピソードでは尾上が「酔いそうになったとき、舘さんが声をかけてくれました」と語ると、舘が「そこは友情を感じました(笑)」と返し、会場は温かい笑いに包まれた。
青年期の幸太を演じた眞栄田郷敦とは約50歳差。眞栄田が「舘さんにいろんなものをいただいてばかり。いつかお友達になれたら」と話すと、舘は「若い女の子を紹介してくれたら嬉しいな(笑)」と茶目っ気たっぷりに返し、客席を沸かせた。
さらに、2人で1役を演じた眞栄田と尾上の芝居についても触れ、眞栄田が「おじさんが光のような存在だったという説得力がありました」と語ると、舘も「この映画は眞秀にかかっている」と断言。互いのリスペクトが感じられるやり取りが印象的だった。
舘と40年ぶりの“再会”を果たした椎名桔平は、「40年前に『あぶない刑事』で犯人役として出演したことがあり、雲の上の存在だった舘さんと再び共演できて感慨深かった」と語る 。一方、幸太の叔母を演じたMEGUMIは「眞秀さんの自然なお芝居に感動しました。眞栄田さんも内にある熱が役にリンクしていて素晴らしかった」とコメントした。
イベント終盤には「“ひかり”のような存在は?」という質問に、登壇者がフリップで回答。藤井監督は「尾上眞秀」と書き、「この子が芸能界を背負っていくと感じた」と語る。椎名は「舘先輩」と回答し、「若い頃から輝き続ける方」と敬意を表した。そして舘が掲げたのは「眞栄田郷敦」の名。「彼とは『ゴールデンカムイ』でも共演しました。目力のある素晴らしい俳優です」と称えると、眞栄田も「舘さんはユーモアがあって、現場を優しく包んでくださった」と感謝を述べた。
ラストのフォトセッションでは、キャストと監督が“ひかり”をイメージしたボール型LEDライトを手に幻想的な演出を披露。舘は最後に「藤井監督、木村大作さん、そして素晴らしい俳優たちとともに素晴らしい作品ができました。最後まで楽しんでください」と観客にメッセージを送り、大きな拍手の中イベントは幕を閉じた。







■作品情報
タイトル: 『港のひかり』
監督・脚本: 藤井道人
撮影: 木村大作
出演: 舘ひろし、眞栄田郷敦、尾上眞秀、黒島結菜、斎藤工、ピエール瀧、一ノ瀬ワタル、MEGUMI、椎名桔平、市村正親、宇崎竜童、笹野高史 ほか
公開日: 2025年11月14日(金)全国公開
配給: 東映/スターサンズ
©2025「港のひかり」製作委員会

