台湾・高雄映画祭で映画『九龍ジェネリックロマンス』が邦画として初のオープニング上映作品に選ばれ、主演の吉岡里帆、水上恒司、フィガロ・ツェン、有澤亮哉プロデューサーがレッドカーペットと舞台挨拶に登場した。白いドレス姿の吉岡は、観客に向かって現地の言葉で「高雄電影節,水啦!(高雄映画祭、最高!)」と呼びかけ、会場を一気に笑顔で包み込んだ。
10月10日(金)、台湾南西部の都市・高雄市で開催された高雄映画祭にて、映画『九龍ジェネリックロマンス』が邦画として初めてオープニングフィルムに選出。吉岡、水上、地元出身のフィガロ・ツェン、有澤プロデューサーがレッドカーペットを歩くと、観客席からは大きな拍手と歓声が送られた。吉岡は「初めての高雄です。すごくいい場所で幸せな時間を過ごしています」と微笑み、現地での滞在を満喫している様子を明かした。
続けて彼女は「台湾での生活を役作りの一部に取り入れました。スーパーに行ったり、朝ごはんを外食したり、現地の暮らしを体感しました」と話し、作品の舞台でもある“九龍城砦”を再現した台湾での日々が、役に深みを与えたことを語った。
フィガロ・ツェンは「私はこの高雄で生まれ育ちました。日本のスタッフの皆さんとこの作品を一緒に作ることができて本当に光栄です」と感慨深げにコメント。さらに「“人が誰かを想い続けたその先に、幻想的な出来事が起こり得るのか”というテーマをぜひ感じてほしい」と語り、会場から温かい拍手が送られた。
監督の池田千尋からはビデオメッセージも届き、「撮影したのは約1年前。台湾は私にとっても懐かしい場所です。映画を通して新しい台湾の姿を見つけてほしい」と感謝の言葉を寄せた。
翌11日に行われたトークイベントでは、プロデューサーの有澤が「ロケ地を台湾に決めたのは、古い街並みが九龍の雰囲気に最も近かったから」と説明。水上のキャスティングについて「無骨なのに繊細な工藤を演じられるのは彼しかいない」と絶賛した。
舞台挨拶では笑いに包まれる場面も。水上は「台湾での食事はどれも美味しかったです。特に炒飯が好きで、毎日食べていました。今日食べたら“コンプリート”です」と笑顔で話し、会場を和ませた。一方フィガロは「台湾と日本、文化の違うスタッフが一緒にいい作品を作ろうという熱意を感じました」と、国境を越えたチームワークを称えた。
■作品情報
『九龍ジェネリックロマンス』
出演:吉岡里帆、水上恒司、栁俊太郎、梅澤美波(乃木坂46)、フィガロ・ツェン、花瀬琴音 ほか
原作:眉月じゅん『九龍ジェネリックロマンス』(集英社「週刊ヤングジャンプ」連載)
監督:池田千尋
脚本:和田清人、池田千尋
音楽:小山絵里奈
主題歌:Kroi「HAZE」(IRORI Records / PONY CANYON INC.)
制作プロダクション:ROBOT
企画・配給:バンダイナムコフィルムワークス
ストーリー:
過去を明かせば、想いは消える――。懐かしさで溢れる街・九龍城砦の不動産屋で働く鯨井令子(吉岡里帆)は、先輩社員・工藤発(水上恒司)に恋をしていた。だが距離は縮まらないまま。ある日、工藤と立ち寄った喫茶店で、自分に瓜二つの女性の写真を見つけた令子。失われた記憶、もうひとりの自分――九龍に隠された秘密をめぐる、切なくも幻想的なラブロマンスが始まる。
©眉月じゅん/集英社・映画「九龍ジェネリックロマンス」製作委員会