不朽の反戦漫画『はだしのゲン』の誕生から現在を見つめるドキュメンタリー映画『はだしのゲンはまだ怒っている』の予告編がついに解禁された。公開にあわせ、内田也哉子、ライムスター宇多丸、武田砂鉄、森達也ら著名人から熱い推薦コメントも寄せられている。
予告編は、アメリカの原子爆弾投下によって被爆し、貧困や偏見に苦しみながらも力強く生きた少年ゲンの姿を象徴する明るい音楽とともに幕を開ける。映画に登場する人々が漫画『はだしのゲン』や作者・中沢啓治への思いを語り、戦後80年を迎えたいまも漂う社会の不穏な空気を映し出していく。漫画のカットをふんだんに用いた映像には、「初めてゲンと出会う人にとっては入口に、かつて読んだ人にとっては再び出会い直すきっかけに」という願いが込められている。
文筆家・内田也哉子は「小さなゲンを心に抱くことで、平和ある未来はおのずと形作られる」とコメント。ラッパーでラジオパーソナリティのライムスター宇多丸は「この真の“国民的マンガ”を手放してはならない」と強いメッセージを送る。ライターの武田砂鉄は「まだ怒っているゲンが、ずっと問いかけてくる」と語り、記者の宮崎園子は「ゲンの怒りは嘆きにもなり、今、私たちに向けられている」と訴える。さらに映画監督の森達也は「ゲンは“まだ怒っている”のではなく、“もっと怒っている”はずだ」と厳しく現代を見据えた。そのほか、信友直子監督らからも熱量あるコメントが寄せられている。
本作は、BS12スペシャル『「はだしのゲン」の熱伝導~原爆漫画を伝える人々~』(2024年9月放送)の映画化作品。監督は番組演出を手がけ、本作が映画初監督となる込山正徳。制作は東京サウンド・プロダクション、共同プロデューサーに大島新(『香川1区』『国葬の日』)と前田亜紀(『NO選挙, NO LIFE』)が名を連ねる。戦後80年を迎えるいま、“怒り”や“悲しみ”、“優しさ”を通して人間の尊厳と平和の本質を見つめるドキュメンタリーとなっている。
▼予告編
■作品情報
タイトル: はだしのゲンはまだ怒っている
公開日: 2025年11月14日(金)より[広島]サロンシネマ、11月15日(土)より[東京]ポレポレ東中野ほか全国順次公開
監督・編集: 込山正徳
プロデューサー: 高橋良美、木村利香
共同プロデューサー: 大島新、前田亜紀
音楽: 茂野雅道
制作: 東京サウンド・プロダクション
配給: アギィ
製作: BS12 トゥエルビ
上映時間: 90分/日本/ドキュメンタリー
©BS12 トゥエルビ