カズオ・イシグロ原作、石川慶監督による映画『遠い山なみの光』が、第50回トロント国際映画祭スペシャル・プレゼンテーション部門で北米プレミア上映を実施。現地には主演の広瀬すず、松下洸平、そして石川監督が登壇し、上映前の舞台挨拶からQ&A、囲み取材に至るまで、会場は熱気に包まれました。
広瀬は舞台上で英語を交えて「今日、この映画祭に来られて嬉しいです」とにこやかに挨拶。松下も「とてもワクワクしています」と笑顔で観客に語りかけ、会場は温かい拍手に包まれました。
上映後のQ&Aでは、石川監督が「戦後80年という節目だからこそ作るべきだと決心した」と制作への想いを吐露。キャスティングについては「広瀬さんはこの世代を代表する最高の女優」と絶賛しました。
広瀬は「監督はとても寄り添ってくださる方。毎日心強い気持ちで現場に立つことができました」と感謝を述べ、松下は「戦争を体験した者とそうでない者の差を、表情や仕草でどう表すか監督と何度も話し合った」と役作りを明かしました。
囲み取材で広瀬は「人の温かさと、真っすぐ私たちのことを見て質問してくださる姿を見て、ちょっとゾクゾクしました」と印象を語り、会場を笑顔で沸かせました。松下は「芸術に関心がある人が多く、すごく刺激になった」とコメントし、石川監督も「温かく迎えてもらった」と手応えを感じた様子でした。
また広瀬は「カンヌは熱狂的でしたが、トロントは静かな中にも情熱が伝わってきた」と比較しながら、作品が国際的にどう受け止められるのかに強い関心を示しました。
上映後には「日本の映画史に新たな1ページが加わった」「カズオ・イシグロの原作を見事に映像化した」といった声が相次ぎ、女性の描き方や映像美に感銘を受けた観客の感想も多く寄せられました。
■作品情報
『遠い山なみの光』
大ヒット公開中
原作:カズオ・イシグロ(小野寺健訳/ハヤカワ文庫)
監督・脚本・編集:石川慶 『ある男』
出演:広瀬すず、二階堂ふみ、吉田羊、カミラ・アイコ、柴田理恵、渡辺大知、鈴木碧桜、松下洸平/三浦友和
配給:ギャガ
上映時間:123分
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